第2話



 あの変な大宴会から十日ほど経過した。

 いま私は風力となる風魔力生産工場への立ち入り監査をしているが、どうにも集中力が切れやすい。



 人は何かの魔法属性を少しでも持っていれば、その才能を活かしてこういった生産工場で働ける。この星の識字率は大国の首都以外はどこも似たり寄ったりなので、出稼ぎの方たちは属性ごとの工場で働くことが多い。魔法属性は才能なので、給与だって良い。無論、魔術師になれるような術者であってもところ構わず魔術を自分本位で発動する時代ではないので魔力が余っているなら寄付するのが一般的だ。時代はとうに共有、共生である。

 生産された魔力は様々な生活基盤に使用される。灯り、水道、通信、災害予防、医術、備蓄、軍、用途は上げればきりがない。動力の基礎が魔力であり、作動と活用が技巧術なのだ。


 今日の私は、そういった工場がきちんと民法や商法、環境法に則った経営がなされているかの定期監査にきている。我々は国の機関ではないので、あくまで商取引上の監査。

 この風魔力工場は首都郊外にあり、大手の魔力商社の持ちものだ。それなりに大きな規模で運営されているので、いくら魔巧総研と環境研とはいえ新人の入所者は派遣できず、上級調査官を要請される。そして今、風魔法の監査を担当できる上級調査官は部の長官と私しかおらず、わざわざ部長官を監査派遣するわけにはいかないので私が担当に。


「ジャベリさん。十五列目の通路にある精製機は昨年のとは違うようだ。百機くらいは入れ替わっていると思うけど、どう?」


 隣ではアルトが私の苗字を呼び、昨年のその場所の監査画像を今の場所に並べて空間上に表示させている。苗字なのは、だって今は仕事だからね。

 彼は空気と資料への接続権があれば通信魔術でいつでもこうやって映像を出すことが可能だ。まったく魔力のない人も専用媒体があれば同じことができる。

 接続対象と自分が遠くなればなるほど疲れるけど、アルトはそれくらいで疲れる体力ではないし、間違い探しのように比較していったほうが定期監査は手っ取り早い。


「昨年最新機器を入れたばかりで、また買い替えたのね。資金力のある工場様はすごいわね」


 正直、アルトが総研から派遣されてくるのを知っていたら私は適当になんでも言い訳を使い、上司に監査をお願いしていただろう。事前に総研側から、アルトは別の案件に対応していると聞いていたのに。

 ちなみに普段は優しい部長官は驚くほど監査に厳しい女性なので、彼女が監査に来て一発合格した工場は密かに『リバーさんお墨付きの安全工場』という裏称号が付き、各商社から取引の依頼が殺到、数年は大人気になる。ただし監査に落ちるとほかの調査員の数倍はコケにされるので、気弱な工場は部長官の監査にならないように祈っていたりするらしい。


 私はあの日からアルトをなるべく避けていた。

 あのおしゃれな食堂にも行かず、終業後はすぐ直帰。帰りも一緒に帰らないし、通信が来てもまともに返事をしていない。既読さえ記しておけばいいよね、という逃げ具合いだ。


 もともとアルトが私に異性として興味がないことなど理解していたけど、貞操の価値観の相違なんて、私にとっては何も始まらないまま失恋したのと同義だ。


 先日アルトの友人の一人はアルトのことを『めちゃくちゃ遊んでた』と言っていた。途中会話が切れていたけど、『遊んでた』で間違いないと思う。ほかの友人が慌ててアルトの評判を庇うようなやり取りまであったので、ほぼ嘘ではないということだ。


 遊ぶ、というのは心のお付き合いとは違う。つまり、体の関係のみを指す言葉である。


 あれだけ頭がよく運動能力があり、親切でおおらかな男性だ。女性とお付き合いをしたことはあるだろうと思っていたけど、その先の想像ができていなかった。

 今までアルトからそういった話が出たことなど、この長い年月で一度もなかったし、彼にそういった噂も全然なくて、すっかりアルトは私生活も規則正しい男性なのだと勝手に思い込んでいた自分に愕然としたのだ。



 もう何年も私はアルトと長く深い友人でいたつもりだったけど、ほとんど仕事に関わる魔術、技巧、世界情勢、商談の戦術、社内試験対策といった実務での議論をするばかりで、月に数回は互いの業務労いを兼ねて疲労を発散させるために遊んだりはするけど、映画を見に行ったり歌唱部屋で二人熱唱したり、別の休日を使い月に一度はアルトのお気に入り魔獣で組んだ獣車で遠出したり、新しい遊園地に行ったり、ちなみに私はその遊園地が大変気に入ったので年間入場券を二人で購入し月に二回は行ったり、連休があるときはアルトが剣術の稽古に行くことがあるので私も運動がてら騎士達が集まる練習施設まで走って、彼がばっさばっさと相手を振り倒している横で、闘技場は剣士以外あがれないので私は庭の散策をして体を休めたり、毎晩寝る前に明日の予定を確認しあう通信のやり取りがあったり……。

 そんな付き合いは、決して世間一般では深いものではなかった、ということに今更気づかされた。


 自分は成人してもうだいぶ経つというのに、先進大国に単身乗り込んでおきながら私はどれだけ世間知らずなのだろうと、本当に自分は古代から転移でもしてきたのではないかと、恥ずかしくてたまらなくなった。


 アルトとなにも始まらなくてよかった、彼にとっては例え浅い友情だったのだとしても私にとっては尊敬できる憧れの素敵な人。彼をなくさずに済んでよかった。


 ……そう思えるまで少しくらいアルトと会わずに済む期間が欲しかったのだ。





「午後からは第二生産工場に獣車で向かうんだよな。俺はあと数分で先方本社から支店長が来るから、昼食兼投資帳簿の打ち合わせ」

「了解。私はお昼を食べてから監査続行。じゃあまたあとで、現場でね」

「……ビアンカ、あのな」

「ジャベリさん! サーガソンさん。お疲れ様です。ジャベリさん、一旦お昼といたしましょうか。近くの美味しい料理屋を予約していますので、僕がご案内します」

「オルロフさん」


 アルトが何か言いかけていたけど、工場長のオルロフさんが制服である魔法衣をたなびかせ、あちらから笑顔で手を振っているので、私はそちらに向かうことにした。こういうのも仕事のうち。






「わあ……美味しそう! これは隣国の家庭料理ですね」

「はい、僕の母国料理屋がたまたま工場のこんな近くにできまして。昨年ジャベリさんがいらした時はまだありませんでした。環境研の方々なら首都でもっと美味しい一流品を召し上がっていると思うのですが、たまにはぜひ息抜きを」

「そんな! 日ごろから大したものは食べてないですよ。これから寒くなりますから、こんな優しい味のスープや煮ころがしは心も温かくなれますね」


 オルロフさんはこの大手魔力商社へ入社して一年も経たずにこの生産工場の長官に抜擢された。何回か商談でご一緒したけど、その時から大変切れる印象だったので、首都に近いという意味で旗艦でもあるこの大工場の代表に選ばれたと聞いたときは大いに納得した。

 仕事は非常に丁寧で、お人柄も大変真面目な男性だ。どうやら私よりお年は下で、部下がほとんど年上な状態だからきっと小さなご苦労はあるのだろうと察する。監査時はもちろん、商談で首都の社屋でもお会いするので年に数回は毎年こうやって社の関係者を含めてお食事を共にしていた。



 他愛のない両社の景気の話などをして食べ終わり、食後に温かい飲み物を二人で飲んでいた時だった。

「ジャベリさん。急ですが僕、今日はこの後本社に戻り、明日もあちらで会議ですので、午後からの監査は副長に任せています。引き続きよろしくお願いします」

「あら、そうだったんですね。わかりました」

「ところで、……あの、毎年ご一緒にいらしているサーガソンさんとは何か、こう……その」

「はい?」

 オルロフさんがそわそわして私を見る。で、すぐ目を反らす。澄んだ黄色い瞳はオルロフさんの空色の髪によく映えるなあ。


「えっと、先日、本社出張の際に小料理屋で彼とジャベリさんを入れて八人程度でお食事しているのをお見掛けしまして。お声はかけなかったのですが……」

「え!!」


 あの大宴会をオルロフさんに見られていた!!?!


「会話の内容などは何も聞こえてこなかったのですが、あの、その、サーガソンさんとは私生活でも仲が良いのかな、と」

「いやいやいや、すみません変なところをお見せして! サーガソンとは入所の頃から長く友人でして、いつもはあんな大人数で騒ぐことはないのですが、お声かけてくださればご挨拶に参りましたのに!」


 話が聞こえていないとのことで本当に良かった。あんな、貞操がどうのなんて話を聞かれていたら仕事の人間関係にも影響するところだった!


「……そうですか。……あの、では。ジャベリさんは今どなたともお付き合いされていませんか?」

「いやもう、え、付き合う? いやいやいや、ないですお恥ずかしい限りです」

「ジャベリさん」

「なんでしょうオルロフさん」


「僕、ジャベリさんをずっとお慕いしていました。僕と……、お付き合いいただけないでしょうか。あの、僕今までどなたともお付き合いしたことがないのですが、精いっぱい、……ずっと大事にします、あなたを」












 午後の第二工場監査も滞りなく進み、残る工場は明日の日程でこなす。一泊二日の監査出張なので、近くの宿を取っていた。


「……」


 返事は急ぎませんと言われ、顔を真っ赤にしたオルロフさんは足早に獣車へ乗り込み去って行く。



 オルロフさんが……。


 ずっと私を好きだった……?







「おいビアンカ」


「……」


「……ビアンカ!」


 ふと気づいたら、濃い紅色の蒸留酒を口につけたまましばらく放心していたようで横からタラリとこぼれていた。

「わああ、こぼしちゃった」

「ああもう、だからさっきからこぼれると何度も言っていただろう。襟が染みになるぞ、これ紅蜜花の酒だから。ほら、ちょっと上向いて」

「うん」

 アルトが私の襟を布巾でぽんぽんと叩き、簡易染み抜きを試みる。


 本当は一人でごはんを食べたかったのだけど、アルトがどうしても一緒に食べると言うので仕方なくこうして焼き肉屋に来ていた。今はすでに食後。


 私はやっぱりまだアルトと二人きりにはなりたくなかったから、気まずいなあ……と少し思いつつも、いま私の頭の中はオルロフさんでいっぱいなので、アルトに集中しなくて済んでいた。ただし、気まずさをかき消したいがために少々飲みすぎた感はある。


「まあこんなもんでいいだろう。あとは部屋に戻ったらすぐ漂白しろよ。宿の洗濯屋に出してもどうせ洗うのは明日だから、今洗えばすぐ落ちる」

「うん」

「って言ってもどうせ憶えてないのだろうけど」

「うん」

「……ビアンカ。もう深酒やめろよ。俺を無視するな」

「うん」


「……昼休みに、何かあったろ。オルロフさんと」


 オルロフさんの名前が聞こえ、私の意識が急浮上した。顔が赤くなるのがわかり慌ててお酒をあおった。


「店員さんすみません、同じものをもう一杯くらさい」

「ビアンカ、もう飲むな。……何があった?」

「……んーと、アルトには関係ないよー」


「あいつに告白でもされたのか」


「……!」


 アルトの低い声が私の脳に響いた。



 店員さんが置いてくれた紅蜜花のお酒をまたあおる。

 これ、とっても美味しい。花の名前のお酒だけど、生花は飾りで浮いているだけで蒸留に使用する部分は鞘と幹が主だ。その液は非常に濃密な紅色で、白い服などにつけると染み抜きは必須である。そう、私の襟のように。


「図星なのか……? おいビアンカ」


「そっかアルトは遊んでたから、こういうのは馴れっこ?」


「は?」


「……オルロフさんがねえ、私をお慕いしてたんらってー……」


「……なんだと……?」


「んん……、しかも、だれともおつきあいしたことないんらって……」


「…………」


 いけない、急に眠くなってきた。












「ずっと……おひたいひてたんらって」


「ビアンカ。……ヴィー」


「ずっと大事にしまふってー」


「ずっと大事に!??!」


「すごいね……てれちゃうね……かっこいいこと言うよねえ」


「ふざっけんな、俺が何年君を大事にしてきたと思ってんの」


「オルロフさんいいひとよね……こんなのはじめて……うふふ」


「ヴィー、だめ」


「おもいだすとね、どきどきするよね……」


「だめ。だめったらだめ。絶対だめ、俺のほうがずっと先」


「んむ……」


「ビアンカ起きろ。いやだ、ちゃんと話したい。思い出すな、どきどきするな、そいつの夢を見るな」


 ゆさゆさと優しく揺さぶられる。しまった、ちょっと寝ていた?


「んあ。……ごめんねむい……」


 ごしごしと目をこすったが視界なんてあってないような状態だ。眠すぎる。

 どうやらアルトが私の姿勢を変えてくれたのかな。ふわふわと寝転がっているような感覚だ。


「ごちしょうしゃま……わりかんでしゅよ。鞄におしゃいふがありましゅ」


「ヴィー。好きだ」


「…………」


「ヴィー、俺のヴィー。そんなぽっと出の男なんかに俺がヴィーを渡すわけがないだろう」



 ヴィーってだあれ。アルトの好きな人?



「俺のもとに来い。そんな野郎より君をうんと大事にしてやる」


 アルトはヴィーさんに告白するれんしゅう?


「そういうえらしょうなのは……らめれーす!」


「ああ……、ヴィー、どうしても君が好きなんだよ。オルロフなんかになびかないで。ずるいよ、俺がずっと言えなかったことをあんな奴がさらっと仕事の合間に言いやがって」


「オルロフしゃんのわるくちいけません」


「っ、くそ! ああ、ヴィー、俺のヴィー。俺を選んで。俺を救って。大好きだから」


「かららのあいしょうをおためしする気はー……ありましぇーん!」


「ヴィー! それを憶えているの? ごめんよ、傷つけてごめんよ。君の貞操観を否定したわけじゃない。だって俺は童貞じゃないから、ヴィーの信念を曲げさせないと俺はヴィーの相手にいつまでたってもなれないじゃないか!」


「んにゃむにゃ」


「んにゃむにゃじゃない! ヴィー、俺の妻になって。君の前では俺は童貞みたいなものだろうが! それで許してくれよ。なあ、俺はそいつみたいに返事はいつでもいいなんて言わないよ、ヴィー、今すぐ返事をくれ」


「どーてー……ぷふふ」


「ああっ……どうしよう。君が泥酔してようが寝てようがもうそんなの構ってられない。でないとオルロフに越される! 待て、録音魔術でいま言質とってやる。……よし、ビアンカ、俺と結婚するよな?」



「アルトごめんれ……、あらしはねー重い女らしい……皆が言ってた……アルトにはあわない……まずはかららのあいしょうをためせる、あっさりつきあえる人がいいよ……」



「…………」












 ファンファファファファーン!

 私の自宅の目覚まし時計が、設定した時間になると遠隔通信にて耳元に出現し、大音量を奏でる。この音で起きられなかったことは一度たりともないので、寝過ごして遅刻などをしたことはない。


「ふあー……」


 と、いつものように腕を上げて体を伸ばそうとしたところ、何かに拘束されて動けない。そしてとてつもなく分厚い、固い筋肉が私の体中に触れているのを感じる。


「おはよう、ビアンカ」


「!!!?!」


 聞き慣れた声が自分の真後ろから聞こえ、更に自分のうなじにかかる髪をどけて出てきた首筋にカプ、と非常に優しくかみついているのは、私が良き友人として今後も付き合えるように頭を切り替えようと懸命に努力していた相手。


「アアアアアア、ルト」


 どこだここは!?

 知らない天井、家具、寝台、ああそりゃそうよね今は出張先の宿屋だから当然よねあははは、で、なんで私は何も着ていないのかしらね……?


「……体は大丈夫か」


 アルトはそれはそれはもう優しく、私のむき出しの肩を撫でながら耳のすぐ近くに唇をちゅ、と寄せてきた。


「???!!!?!??!」


 寝台にすっぽんぽんで寝ながら、後ろから腕を回す男性に大丈夫かなどと言われて思いつくことはただ一つだ。


「あ、あああああのアルト」


「さて、起きるか。今日は第四工場まで獣車で一時間かかるから、あと一時間以内に宿を出よう。ビアンカの部屋は隣だけど、……歩けるか?」


「あああ、あああ……歩ける……アルト、あああ…あのね……」


 起き上がったアルトは、急ぎ毛布を体に手繰り寄せた私を優しく起こし、向き合った。な、なんて大きく厚い体なのだろう。などとどうでもいいことを考える。つまり頭の中は大混乱で、どうしたらいいのかわからないのである。

 だってこれ、私、私……、人生で一度しかない、操を捧げる大切な初めての一夜を、出張先での深酒ののち、友人であるアルトと済ませてしまったということだよね?


「どうした? ビアンカ」

「……っ、ぇぐっ……ぇえうう」

「泣くなよ、体がつらいのか? 工場の皆は準備してしまっているから、今日だけがんばろう? 俺がなんでも助けるから心配するな。明日は休暇を取ればいい」

「いやあの、アルト、あの、ごめんなさい、私、ごめんなさ、!」


 謝罪する私の唇に、アルトが指をつけて静止してきた。


「……ビアンカは夫だけ知っていればいいんだったよな」


 目の前には彼の胸板しか見えなくなった。つまりアルトに抱きしめられている。

 アルトとこんなに触れ合うのは初めてで……というかさきほどから男の人の肌をこんなに全身で感じること自体が初めてで、挙動不審極まりない。いや、私はアルトとこんなことよりもっとすごいことをしているはずだ。なのに…なにも憶えがない。

 ああ……涙は止まらないのに、五感がやられる。


「結婚は貞操を捧げる人とするもの。お祖父さんからそう言われて育ったんだろう? 俺は君からそう聞いた。嘘じゃないよな」


「へっ!?」


「嘘じゃないよな?」


「あ、うん、でもあの、なんで、!」



 頭頂部にふに、と彼の唇が触れたことで私の思考はそこで途切れてしまった。




「望み通り……俺が結婚してあげる」

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