心にすっと染み込んで来るような、そんな言葉遣いが素晴らしい作品です。孤独な主人公の少年が、なけなしのお金で手にしたぱたぱた鳥は、不思議な魔法の玩具ではありません。うっかりすれば、いとも簡単に壊れてしまうような。いつか遊んだことも忘れて、記憶の向こうに捨てられてしまうような。そんな儚いものです。主人公の、玩具の鳥に自分を重ねる想いが切ないです。いつかその脆い翼に乗り移るようにして、未来へと羽ばたいてく。そんな、得難い人生の一時が、作者の優しく美しい文章で綴られた傑作です。ぜひお読み下さい!
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