今日は焼肉の日

(これは、今日の「焼肉の日」にアメブロに投稿したものです)


 「〇肉〇食」の空欄に漢字を当てはめて四字熟語を作れ、という問題に、もちろん答えは「弱肉強食」なのだが、ふざけて「焼肉定食」と答えるというのはよくあるジョークである。

 「弱肉強食」によく似た意味の言葉には「優勝劣敗」というのがあるが、「〇勝〇敗」という問題だと珍答?がどっさり出てきそうな気もする。「自然淘汰」も似た文脈で頻出するが、これは直訳すると「自然選択」らしい。「適者生存」も同様だが、ダーウィンの進化論が起源なのは常識であろう。ダーウィンの箴言には、「より強いものではなく、より適応できたものが生き残る」というのがあるが、確かに地球上で最も生き残って繫栄しているのはホモサピエンス、叡智人と異名をとる人類であり、パスカルが言ったように「考える葦」という言葉は、「最も弱い存在」という比喩らしい。「人間は地球上で最も弱い、風にそよぐ葦に過ぎない…」という有名な記述が、彼の著書である「パンセ」にはある。そう人間は弱い。弱いのだ。それは人間が一番よく知っている。が、それゆえに「…しかしそれは考える葦であった」というそれに続くくだりは一種の感動を呼ぶ。

 

 弱いものが淘汰されるというのは人間らしい社会ではない。ケダモノ以下の、何か得体のしれないバケモノの跋扈する恐怖社会である。


<2022.8,29>

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夢美瑠瑠エッセイ劇場 夢美瑠瑠 @joeyasushi

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