第二夜 

木でできた縁側を通り、道場の玄関から外に出た。

町はまだ寝静まり人通りは全くなく、雀がせわしなく餌を求めて飛び回っている。

日の光は夏とは言えこの時間だと長い影を作っている。

連日の猛暑のうだるような暑さになるにはまだまだ時間がかかるだろう。

 そんな夏の空を眺めていると、こちらに走ってくる足音が聞こえてきた。

「おはよう、和葉かずは」「おはよ!」

足音の主は幼馴染の和葉のものだ。和葉は明るい笑顔をこちらに向ける。

和葉はすぐ近所に住む明朗快活な女子高校生だ。

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大いなる眠りの深淵にて 池塘春草 @yuzukimuu

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