冬のそよ風のようにしんみりと

 時は江戸。
 一風変わった反物の「ゆきの反物」を売る店にある一人の商人が尋ねると、そこから一人の老人が現れて反物にまつわる話を語っていく…という内容。
 人名の「ゆき」と「雪」を掛けたシンプルなダブルニーミングが反物のルーツに関わっているのだが、そのネタの魅せ方がとても秀逸であった。
 最後は救いこそあるが、切なさ・さびしさもほんのりと残る終わり方だった。
 真冬に読むと没入感があるのでオススメ。

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