第5話:やっぱり貴族らしい。

要するに説明回。長い。


===


夕食後、自室でリアが色々説明してくれた。


まず1つ、ここはダルーガ国、ウルラ領のレイヤ家らしい。


そしてレイヤ家は辺境伯らしい…え、辺境伯って確かにその名の通り国境線周辺の地域を管轄する感じの階級でしょ?


と、思えばウルラ領の管理家ははやはりレイヤ家らしい。


あれ、確か家名と領の名前って同じでは?と思ったがどうやら先祖の家名はウルラだったらしい。


が、1度女は生まれど男が生まれずな代があるらしく、その関係でウルラ家は無くなったらしい。


そして、その女も結婚はしたわけで、つまり、血筋による圧倒的な騎士適性がその息子にしっかり引き継がれる事になる訳で、今度はその家系が騎士の名家となることになったのだとか。


その家系が今のレイヤ家。


尚、ウルラ家が途切れた時点で無くなるはずだった領についてだが、実は旧レイヤ領については旧ウルラ領のお隣さんだったわけで。旧レイヤ領に併合という形になったらしい。


ではやはり領の名前はレイヤ領では無いのか?となる訳だがこの代までのどこかの代でこの剣術の先祖の名を何かに残したいと考えた人が居たようで、領の名前の変更申請をしたらしい。


なぜ通ったのかは今も不明らしい。


訳が分からない。




さて、次に、問題は私のスキルだ。


先述の通り、血筋なのであれば剣術スキルは必ず持って生まれるらしい。


ずっと騎士をやっている結果なのだとか。


だが私には剣術スキルは無かった。


危うく母はその場で浮気を疑われ斬首になりかけたらしいがなんとか最悪な事態は防がれたらしい。


この国の法が気になる案件だね。


その後貴族としてのツテをフル活用して何重にも、様々な検査をしたが確かにこの家系の子であるという判定は変わらなかった。


尚、普通は転生時に産まれる予定の家に合わせたスキルも勝手に付与されるらしいけど、私が剣術スキルは要らないと思ったより強く考えていたらしく、剣術スキルの追加が却下されたのだとか。


仕方が無いと言うべきかなんと言うか…。




そして、記憶は無かったけど知能は転生前の状態のままだったらしく、その関係で親からは期待されていたとか。


この家の剣術は肉体論というより精神論、頭脳論らしく、この知能に剣術スキルと我が家の伝統が合わされば女の騎士など役に立たんなどと切り捨てられる時代も終わりを迎えたかもしれないのに…と、かなり嘆いてるらしい。


そして逆をいえばこの国は男尊女卑の精神が染み付いてしまっているとも言えるわけで…。


それをひっくり返そうと本気で考えている父もそれはそれですごいと思うよ。




まぁ、大丈夫。私は刀で名を挙げるから。


え?スキル決めの時はぶっきらぼうに決めてた?


いや、なんかやる気出ちゃった。


あっ、剣術に転換する気は無いけど。




それに好都合だと思わない?


刀は肉体論よりは精神論、技量面での強化が強いと私は思うわけだしここの剣術流用できる可能性も高いでしょ?




で、今後の私についてだけど、政略結婚に利用するなどという真似をする気は毛頭ないんだって。


それにまだ子供は作れるし、とかなんとか言ってたけど聞かなかったことにします。


そもそも私が結婚して子供産んでも剣術スキルが継承されていないこの現象が続く可能性はかなり高いと予想してるみたいだし。


そして冒険者希望の話は既に把握しているらしく、弓矢と魔法自体の適性が高いので5歳ぐらいで魔法学園とやらに放り込もうと思っているのだとか。


入学するにはかなり早すぎるみたいだけど2歳の時点で入学試験並みの難しい話も理解していたので問題ないだろうとか。


私そんなに勉強得意だった記憶ないんだけど。


あと入学試験並みの定義は何処。




と、まぁこんな感じの話をしたわけで。


まぁ、異世界と言えば魔法だし、最大レベルにしておいた闇魔法を扱いこなせるぐらいにはなりたいと思う。




でも、リアの表情は冴えなかった。

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