第6話:父を黙らせた

どうにも進まないのでグダグダ展開にしてでも冒険者なる所まで進めます。

===


さて、突然ですが今私の目の前に大きなゴーレムが15体ぐらい居ます。




いや、居ましたが正解だね。


現にどす黒いオーラとともに消滅してるし。




その傍には顎が外れたようにあんぐりな父と、魔法学園の学園長が居ましたとです。




何故こうなったか?あー、回想タイムにご案内〜。




〜〜〜




リアの表情が冴えなかった理由は部屋に戻った後の愚痴ですぐわかった。


「はぁ…あの魔法学園の教師の力量じゃあなたには合わないわよ。先生やあなた以外の生徒との力量差が大きすぎてなんの経験も積めないわ。多少今の能力に慣れたらそのまま冒険者稼業で一気に伸ばしていく。それで十分よ。」


だとか。


要するにさっさと私TUEEEEするだけのかんたんなお話だとか。




仲間もギルドで作ればいいし、少なくとも序盤は回復特化で顕現したリアが居る以上問題なしだとか。




リアは女神と言えばこれでしょと言わんばかりに回復魔法だの支援魔法だのに特化させてるのだとか。




「さて、とりあえず、学園入れられる前にあんたの父親黙らせたいから、2年で学園卒業生を超えた力を引き出すわよ。」




「えっ」




「えっ、じゃないわよ。とりあえず武器はこの3年でどうにか粗末だけど作ったから、これ扱いこなせるようにするわよ」


そう言ってリアは粗末の定義が吹き飛ぶオーラを発した武器を取り出した。


どこが粗末なの?なんか金色のオーラが見えるよ?


「あなたの鍛冶スキルと、もっと魔力付与特価の素材、創造スキルも掛け合わせれば軽々この武器越せるわよ?それに比べたら…」


スキルの連携が強すぎません?


「創造スキルがチートの中のチートなのよ。神専用レベルの現実改変能力あると言ってもいいわ。」


なら何故付与されたし。


「んー、そのスキル一応創造神の許可欲しいから、貰えた時点であなたに平穏はないわよ。よっぽどの事がある目に見える証拠みたいなもんだし。教会行ったら神託がというパターンが見える見える…でもあなたの転生時点で神がここまでする事態があったようには見えないけど…」


なんということでしょう。


ある意味テンプレ?いや、テンプレパターンがそもそも多すぎて何がどういう運命になろうとテンプレに流れそうだけど…。




まぁ、変な目的与えられないことを祈りたいなと。


誰に祈ればいいか分からないけど。




さて、実際私にどんな力があるか楽しみだな☆




で、とにかく5歳の直前までに色々とリアから教わって力をつけた、それはもう魔力の細かい操作から、最大レベルの闇属性に創造スキルを掛け合わせたチートの骨頂みたいな魔法に、それを併用した刀の扱い方まで実に様々。


並行して精神統一とかの鍛錬も父の指導で受けてきたわけで。


素人の不意打ちは爆睡していても避けられると保証される程には力付いたみたい。


実感無いけど。




果ては創造スキルが要件満たしたとか言って刀術スキルを創っちゃったし。




当初の目的の1つ達成早過ぎない?




って所で回想終了。




〜〜〜




と、まぁこんな感じ。


その結果がこれよ。結果黙った。大成功。


ね?






あ、どう黙らせたか?




5歳になる2ヶ月前、リアが唐突に動きだして、学園行くよりそのまま冒険者やらせろと直訴、表向きはしっかり従者しており、その上私に1番身近なリアがここまで強く進言するのを無下にするなど以ての外な訳で、父の知り合いの学園の教員を納得させれば許可するという形に持っていけた。




で、その知り合いがまさかの学園長、もちろん学園長の肩書きに見あった目は持ち合わせているらしく、国王のお墨付きもあるレベルの人。


父の交友関係が不思議でならない。




で、その学園長と父が出したテストがゴーレム撃破な訳で。




ゴーレムと言っても実に様々、素早いのから気配遮断に特化していたり毒とかのデバフ特化もワラワラと。


でも、当たらなければどうということはないって名言がありまして、その言葉の通り当たる前に切り飛ばしたわけです。


で、その時点で二人ともあんぐりしたけど学園長はあんぐりから戻って巨大ゴーレムを大量召喚、そして同じく瞬殺で今に至る。




あ〜、説明長かった。




ちなみに、もちろんゴーレムな以上再生能力もある。


でも、厚くて硬い装甲をものともせず、コアを含めて真っ二つにしてあげました。




ここまで出来たのはリアによる刀の力もあるけど多分闇属性付与による強化が理由だと思う。


強過ぎない?




で、もう一度あんぐりから戻った学園長の一言はというと、


「訳が分からん、スマンがこの娘はどうやっても化け物という言い方しか出来んわい。一体どうしたらお前さんからこんな化け物が生まれるというのじゃ?」


化け物扱いされましたとです。


切っていい?いいよね!


「あ〜…お前の発言でなければ首を飛ばしていたが、他ならぬお前が化け物と認めた以上…私の娘は化け物だな。」




あのね〜…




「父上、学園長、あなた方もこのまま切るのも試験の内という事ですよね?そういうことですよね?」




と満面の笑みで言ったら尻もちついて後退りされた。


一応私女なんだけどなぁ、化け物扱いは酷過ぎるよ?




「で、結果は?これでもアキナは学園行く必要ある?」


リアは満足そうな笑みだ。




「「どうぞどうぞ」」




何故そこ同調したし。




「あ〜、ワシから言えることなぞ皆無じゃし、むしろ教わりたいほどじゃ。濃く強い魔力とそれを余裕で操作している光景は素晴らしいとしか言えんわ…慢心せぬようにと言いたいがあの気配遮断特化のゴーレムにも普通に見えている以上…お主は?」




と、父の方に目をやる学園長




「あ〜、同じく数の差を埋めた上気配遮断にまで余裕で対処していた時点で何も言えない。確かにリアの言う通りこのまま実戦投入の方が身になりそうだ。」




「ところでそのリアという者が指導者なのだろう?そちらの詳細も知りたいところなのじゃが?」




「私?わたしはただの従者ですよ?」




「んなわけなかろう…あくまで隠すか。まぁいいわい。出来ればこの国で貢献して欲しいところだが、冒険者に強制は無理じゃからな。まぁ、有名になれ。わしの耳に届くほどの力は既に秘めているはずじゃ。これ以上言うことは無い。」




「うーむ、確かにある意味国の兵になって貰いたいが…それに留まるのもまだ惜しいというか…うむむ…貴族としては悩む所だぞ…」




ここで創造スキルさんの出番では?




「あ〜、この国に何かあったらすぐ戻れるぐらいの力つければ良いってことじゃない?」




「は?それは要するに転移魔法では?伝説じゃよ?いくらあんたさんが化け物級と言ってもさすがにそれは…」




「もちろん確実にとは言ってないよ?やれたらやるってだけ。それに高速移動を強化するとかの手段もあるし。」




「お…おう…」




「あー、とにかくだ、アキナ、お前は5歳になった時点で冒険者として家を出ることを認める!で、いいんだな?」




ちらっとリアの方を見る父。


リアは満面の笑みである。




こうして、どうにか冒険者として出られるようになったのであった。

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