「どんでん返し」の由来

PURIN

……何やってんだろ……

 PURINは頭を抱えていた。


 せっかくなのだから「KAC2020 ~カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2020~」に一度くらいは参加してみたい。

 けれど、元来ネタが降りてくる日と降りてこない日の差が激しい体質のせいで、1回目から4回目までは見送らざるを得なかった。


 せめて最後は…… と思っていたが、まさかの「どんでん返し」である。

 どんでん返しのストーリーを書けというのか。ほんの一日二日という短期間で。

  PURINにそんな器用な真似ができるはずもないというのに。現実はかくも非情なのか。

 血の涙を流しながら、けれど諦めきれず、PURINは頭を抱えたまま捻った。4回転くらい捻った。


 その甲斐あってか、結局「どんでん返し」のストーリーは思いつかなかったが、「どんでん返し」という言葉の語源を調べてまとめ、それでお茶を濁せばいいのだという考えに至った。

 

 というわけで、以下にその調べた結果を記載していく。ご興味のある方は是非ご覧いただけると幸いである。




①人名

 調べてみると諸説あった。その中で特に代表的なものを3つあげることにする。

 まずはこれから。


 江戸時代中期、曇天どんてん八兵衛はちべえという人物がいた。その人物はなにかというとしょっちゅう村の者たちに金を借りていた。

 けれど、曇天が嫌われることは不思議となかった。何故か。

 それは、曇天が毎回必ず借りた金以上のものを貸主に返していたからである。

 利子をつけて借りた以上の金額を返すこともあったが、それだけではない。

 自身の畑でとれた旬の野菜や貸主の好きな花や魚を一緒に渡したり、貸主の家事や畑仕事を手伝ったり、赤ん坊の面倒を見たり。

 曇天は貸してもらった金以上のものを返すことで、借金を頼まれてくれたことに対する感謝の気持ちを精一杯に表現していたのである。


 これに感銘を受けた村人たちは、「予想以上のことが起こる」という意味で「曇天返し」という言葉を使うようになった。

 いつしかそれが他の地域へも広まっていき、訛って「どんでん返し」という言葉になったのである。


②うどんとおでん

 これも江戸時代の話。

 現在の神奈川県にあたる場所に存在した藩に、料理人を務める者がいた。

 ある時、料理人は藩主の要望に応え、おでんを作った。ところが、どうやら伝達ミスがあったらしく、藩主が食べたいと言ったのはおでんではなくうどんだった。どこをどう間違えたらそんなことになるのかと思うかもしれないが、間違えてしまったものはしょうがない。

 とはいえ、相手は藩主。きっとただでは済まない。

 案の定バチ切れる藩主。「お前、おでんとはどういうことだ! うどんすら作れないのか!」

 料理人は恐ろしさに身を震わせ、けれど死にたくはないから、一か八か叫んだ。

「違うのです! それはおでんのように見えますが、新種のうどんなのです!」

 藩主、一瞬動きを止め、おでんを見つめて少し考え……

「そうなの? そうなんだ。じゃあ食べてみよう」

 箸で大根をつまみ、口に運んだ藩主。やがて大きく目を見開いて……

「うまい! うまいぞ、このうどん!」

 その後、料理人は褒美をたくさんもらったそうだ。


 このことから、「絶体絶命の状況から一転、良い方向に向かう」という意味で「うどんとおでんがひっくり返る」という言葉が生まれ、それが縮まって「どんでん返し」になったのだという。


③ちゃぶ台返し

 最後の説は割と近代のものである。

 ズバリ、某アニメでも有名なちゃぶ台返しから来ているのである。

 頑固オヤジが「どーん」とキレて、ちゃぶ台を「でーん」とひっくり返すところから作られた言葉であり、これは元来は「安心できるはずの場所が、危険な場所に変わる」という意味を持つ。


 家族で囲む食卓は、できれば楽しいものであってほしい。けれど非常に悲しく、また腹立たしいことに、それが実現されていない家庭もたくさんあるのが現実である。

 大人も大人で頭にくることはたくさんある。仕事や育児に追われ、気持ちに余裕を持てない場合もあるだろう。

 しかし、ならば子どもに当たっても良いのだろうか? 美味しいご飯をみんなで楽しく食べたいと願う子供に対し、大声で怒鳴り、食べ物を大きなちゃぶ台ごとひっくり返してダメにし、生涯心に残る恐怖を植え付けて良いのだろうか?

 もちろん、答えは否である。

 難しい部分もある問題だし、素人が偉そうにアドバイスすべきでもないが、子どものいる大人は親しい人たちや行政や、誰か少しでも力になってくれそうな人に頼っていいのだ。また、私自身も、できる範囲ではあるが、何かしら力になっていきたいと思う。そうして、様々な家族が幸せに暮らしていけるように、微力ながら協力していきたい。

 この由来を見るたび、そう願わずにはいられないのである。




 以上、長々と書いたが、ここで一つ皆様にお伝えしなければならないことがある。


 上記の由来は全てPURINが適当に書いたデタラメである。信じてはならない。




 残念だったな、これが本当の「どんでん返し」だ! ふははははははは!


 ……何やってんだろ……

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「どんでん返し」の由来 PURIN @PURIN1125

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