1-2 ゆうりリスタート2
今日はなんだかおかしい口調も変とはどういうことか?
確かに、朝から急に自分の姉の口から僕は何者だとか、みゆきちなんて呼び名でどうしてここにいるなんて聞かれたら誰でもおかしいと思うだろう。
けれど、今僕が頼れるのは目の前にいる
例え、おかしいと思われようともこの現状の理解をするのが先決だろう。
だから--「いや、ごめん。さっき起きる時に頭をぶつけちゃってさー、ぼ…わたし?は普段どんな感じだっけ?」
なんて、すっとぼけをかますことしかできないわけで。
そんな僕を見て、流石は妹といったところか、少し考えすぐに僕の質問の答えを出してくれる。
「これ、昨日の私とお姉ちゃんとの会話なんだけど、これでだいたいはわかると思うけど…」
今思えば昨日のお姉ちゃんもなんだか変だったような…と呟きながら
『みっちゃん、おっけー?録れてる?』
『うん、録れてるけど…でもどうして急にこんなことしてるの?』
『まあ、いいからいいから。とりあえずみっちゃんはこのままさっき渡した紙に書いてある質問をわたしにしてくれたらいいから。』
『うーん、なんかすごい変な感じ…えっと、まずは貴女の名前、誕生日を教えてください?』
『お、いいね!はい、じゃあまずは名前から!わたしの名前は
『はい、じゃあ次は血液型とスリーサ…って、ちょっとお姉ちゃんこれ男の人に聞かせたりしないよね!?』
『男…うーん、まあギリセーフかな?なんにせよ…血液型はO型でスリーサイズは--…』
ここで、音声は途切れる。録音時間が切れたのだろう。
時間にすると数秒。沈黙の中、疑問が生まれた。
昨日の僕は…--最後のわたしの声はこうなることがわかっていたのか?
まるで自分がいなくなる…--僕と入れ替わることがわかっているかのような--
「な、ねえ、みっちゃん?昨日のわたしは他に何か言ってなかった?意味深なこととか…」
祐李の話し方は多少はわかったが、そのほかの情報がボイスレコーダーの内容から察するには少な過ぎる。
みゆきちなら他に何か知っているかと思い、聞いたが…
「うーん…昨日というか、ここ最近なんかこそこそしてたんだよね。私がなにしてるの?って聞いても「内緒」って言うだけで教えてくれなかったし…ボイスレコーダーも昨日急にだったし。」
「そっか、ありがと。みっちゃん、今日は何か予定あるの?」
何もわからないが、もし予定があるなら申し訳ないのであとは自分で考えよう。そう思い、話題を切り替える。
ある日死んだと思ったら美女になっていた 木庭袋 湊 @seven_minato
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