0

概要

あたりまえのもの、あたりまえじゃないもの。
島を離れてから、10年が経った春。主人公・朝倉絢斗(あさくらけんと)は大学卒業を機に、故郷である珠音島(ことねじま)へと戻ってきた。
10年――。その歳月は、絢斗自身は勿論のこと、世の中が変化するにも十分すぎる時間である。
しかし、島は時間を止めたが如く、10年前と同じ様相を呈していた。

週に一度、本土と島を往復するレシプロ機が駐機する、小さな飛行場。
入口にある看板、『珠音島空港』の『珠』が欠落しているのも、記憶と寸分違わぬものだった。
島に一軒しかない港近くのスーパーも、相変わらずやる気なさそうに錆びた扉を開けている。

そんな島での暮らしを始めて1週間が経ったある日、絢斗は記憶を頼りに、かつてよく遊んだ山の中の
施設へとやってきた。
『珠音島町立福祉療養所』――通称「サナトリウム」。…続きを読む
  • 連載中1
  • 599文字
  • 更新

おすすめレビュー

★で称える

書かれたレビューはまだありません

この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?

関連小説