エピローグ

 かくして私たちは仲直りした。


 が。


「ひなたん」


 藤原さんは私が座っている椅子に無理やり座っている。


 距離感………ッ!!(物理!)


 距離近すぎるとつらくなるってこと言わなかったっけか、私…?


「あ、あのさ……藤原さん……」


 当然一人分の椅子に二人が乗っているものだから、休み時間なのに休めていない。椅子に座っているのに空気椅子ばりに辛い。


 が、当の藤原さんはどこからそんな膂力が出てくるのか、平然とした顔でこちらに顔を向ける。


 いや、だから近い、近いってば。


「なに?ひなたん?」


 藤原さんは、こいつわかっててわざとやってるのか?というくらい中腰のままでやたらといい笑顔を返してくる。


 こいつは存在のピントが多岐にわたり狂ってる。


「神崎ひなたの安息の日々は遠い……」


 前の席の十二人ひふびっとが振り返りもせず、ぼそっと不吉なことを呟いた。


「勝手に人のモノローグを喋るな!!!」


 Fin

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続・神崎ひなたの受難 〜藤原×神崎SS〜 藤原埼玉 @saitamafujiwara

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