前作と合わせ、非常に楽しく読ませていただきました。
実在するご友人がモデルということもあってか、細かやでリアリティのあるキャラクターたちが生き生きと、コミカルに、のびやかに描写されている点が大変好ましく思えました。
作品を通しモデルとなったご友人方との関係性まで感じられるような、自然な描写力には思わず口元が緩んでしまいました。
前作では藤原と神崎二人のみで、その状況が二人を半ば強制的に近づけさせました。
また、藤原にとって神崎が「唯一の人」であるということの表現にも一躍買っていたのではないでしょうか。
一方、今作ではモブも多く登場し、客観的な視点での二人が描写されました。
宝という親しい人間との会話描写により、神崎にとって藤原は「唯一ではない」事が露わになっているように思えます。
前作で藤原の口にした「インターネットですらボッチ」、今作の神崎のクラスメイトとメッセージアプリでやり取りする姿、そして今回の藤原の行動と、それに対する神崎のリアクションや自省する様はまさしく対照的であり、一つ一つの描写が二人の対称性を強調しているように思われました。
だからこそ、ラストの歩み寄るような描写にパワーが宿るとも。
ただ一点、気になったことがあるとすれば…
「おんなのこに「ひふびっと」はキラキラ通り越しておもしろいでしょうが」
という点でしょうか…
なんにせよ、お疲れ様でした
次回も楽しみにしております
P.S. FF外から失礼しすぎやろホンマいいぞもっとやれ