この板碑は、武蔵野のどこかにあるはず……

――神社仏閣にこの「お守り」を返したい。
それは、長野の実家の敷地内から出てきたものだった。
ヒントとなるのは、持ち主と思われる女性に関する証言。
そして、和紙に描かれた図柄だけ。

図柄の元になったと思われる板碑を、主人公は探し始める。
訪問先で得られる新たな情報。
次第に解き明かされる謎に、ぐいぐいと引き込まれていく。
そんな武蔵野の地で、主人公を待ち受けるものとは!?


板碑について知らなかったので、ネットで調べてみた。
すると、板状の岩石に文字や図柄が刻み込まれた供養塔とのこと。
なんでも関東の緑泥片岩製ものは「武蔵型」と呼ばれているそうだ。
緑泥片岩を産出する秩父に近い武蔵野ならではの謎解きだった。