第5話 エピローグ





 

 2022年10月――


 サンフランシスコにあるリーバイスの倉庫の、最高級品ヴィンテージジーンズのとなりで、先鋭的なセンスの若手デザイナーたちが世界各地から厳選収集して来たお洒落な古布をコラボさせたダメージジーンズが静かに出荷のときを待っている。


 韓国や中国、ロシア、アジア、ヨーロッパ、アフリカ諸国産の、繊維の質も色彩も柄も多種多様な裏布に、日本のメキシコ移民ゆかりの南部菱刺、岡谷「母の家」ゆかりの弓浜絣、「鐘の鳴る丘寮」ゆかりの満洲綴錦も混じっていた。 【完】

                    

 

*参考文献

八田尚子『裂織の本』(晶文社 2000年)

神津良子『とんがり帽子の時計台――ドキュメント 鐘の鳴る丘』(郷土出版社 2003年 埋もれた歴史・検証シリーズ1)

神津良子『メキシコの月 信州の月――32歳の外交官・馬場称徳の軌跡』(郷土出版社 2004年 埋もれた歴史・検証シリーズ2)

佐藤利夫『裂織 木綿の生活誌』(法政大学出版局 2005年 ものと人間の文化史128)

神津良子『「母の家」の記録――高浜竹世から市川房枝への書簡を中心に』(郷土出版社 2005年 埋もれた歴史・検証シリーズ5)

神津良子『いざ生きめやも――富士見高原療養所物語』(郷土出版社 2007年 埋もれた歴史・検証シリーズ8)

上野久原作 木ノ花さくや作画『漫画 メキシコ榎本殖民史 サムライタチノメキシコ』(京都国際漫画ミュージアム 2008年)

『かにた婦人の村 創立50周年記念誌』(ベテスダ奉仕女母の家 2015年)

ほかにインターネットを参考にしました。

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ピース オブ クロス――3つの古布の物語 上月くるを @kurutan

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