【13-24】後備え 下
【第13章 登場人物】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894256758/episodes/16816700429616993855
【地図】ヴァナヘイム国 (13章修正)
https://kakuyomu.jp/users/FuminoriAkiyama/news/16817330651819936625
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このドリス城塞に残り、帝国軍を食い止める――ヒューキ=シームル少佐とビル=セーグ少佐が、
「貴官たちか……」
ミーミルは、2人からの申し入れを裁可すべきか即断しかねた。
これまでの「階段将校」コンビの活躍は、ミーミルも心得ている。両大隊は、絶妙な呼吸で兵馬を動かし、後備えとして申し分のない働きをしてくれることだろう。
だが、強大無比な敵の前に、たかだか大隊程度の戦力で立ちふさがるなど、無謀極まりない。生還は絶望的だろう。
そのような役目を、30歳にも満たない若者たちに負わせることに、総司令官は決断を下せずにいた。
下士官・兵卒・特務兵といった階級や境遇の垣根なく――配下の者たちと分け隔てなく――接することの出来る彼らは、この先、ヴァナヘイム軍にとって、ますます大切な存在となろう。
【13-13】正規兵と特務兵 下
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894256758/episodes/16817139555630716296
何より、「階段将校」たちや軍務次官と過ごした時間は、ミーミルにとってかけがえのないものであった。公務に私情を挟むつもりはないが、彼も感情のある人間なのだ。
【10-4】 猛訓練 上
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【10-15】 おでこ 《第10章終》
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再び時が停止したかのような軍議の場に、血相を変えた伝令兵が飛び込んでくる。
「申し上げますッ」
総司令官と階段将校たちを除き、全員がそちらに視線を向ける。
「帝国軍先遣隊、カイサに到達しましたッ」
斥候兵は、残酷な事実を伝えてきた。
カイサは、ドリスから南西70キロ先の街である。もはや時間はない。
「俺ら阿呆だけど、また分かりやすく教えてくださいよ」
「俺ら馬鹿だけど、大将さんの指示どおり、きちんとやってみせますぜ」
言葉も視線もぶれることなく、2人の若者はまっすぐに訴えてきた。
ヴァナヘイム軍では将校の多くが戦死し、他に適任と思われる者はいない。
帝国軍先遣隊による、このドリス城塞接触まで、時間も残されていない。
「すまない……」
ミーミルは眉間にしわ寄せ、両目を強く
【作者からのお願い】
この先も「航跡」は続いていきます。
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ミーミルたちの乗った船の推進力となりますので、何卒、よろしくお願い申し上げます🚢
【予 告】
次回、「悪夢」お楽しみに。
空気をビリビリと震わすは、麓から迫るヴァ軍の喚声。
無数の銃声が足下に迫る――発砲音のみならず、跳弾音まで。
――このままでは……分断される。
モアナは、奥歯が割れるほど、強く噛みしめる。
「ヴァナヘイム軍、来ますッ!!」
林立する「二枚斧」の旗印が一塊となり、こちらに打ち寄せて来る。
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