血のつながりがなくても家族は家族

不思議な生物ミトラのいる世界で、主人公ら三人は旅の途中、雪の中で女性を助ける。彼女は街を守る為に犠牲になったはずの人物だった。女性が地上に現れた理由には、ミトラとの絆があって――。

ミトラという謎の生き物の設定がいい。ホッカイロになったり、冬をもたらしたり。主人公だけがミトラと言葉を交わせるのというのもいい。こういう不思議な生き物が起こす事件にまつわる作品、大好物です。

愛しているからこそ一緒にいたいし、愛しているからこそ幸せでいて欲しい。それは家族愛でも同じなのだと思わされる作品。

シリーズ物ですが、この作品から読んでも全く違和感はなく、シリーズの他の作品も読みたくなりました。


(「白銀の異世界」4選/文=藤浪保)