第5話
とりあえずお金は確保することができた。あとはここで一晩明かせるか聞くだけだ。
「ベイルさん。ここで一晩居させて貰うのにいくら必要ですか?」
「ん?あぁ、そうだなぁ。しょうがねぇから銀貨2枚でいいぞ。どうせ銀貨6枚しか持ってないんだからな。その代わり、ぜっっったい!問題を起こすなよ?いいな?」
「えぇ、わかりました。ありがとうございます。」
反応的に本来ならもっと高めのお金をとるのだろうが俺の懐具合を気にして安くしてくれたのだろう。とてもありがたい。
その後、ベイルに銀貨2枚を渡し、エギメスから銅貨3枚で、予備の寝具を貸してもらい眠った。
一応安全であり、また日中歩いたことによる疲れで朝まで目が覚めることはなかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
陽の光で目が覚める。元の世界に戻っていた…ということはなく周りを見回すと全員が起きて朝食をとっていた。
昨日とった果実があるからそれを食べる。ショルダーバッグに入れていたからベチャベチャになってないか心配したが、大丈夫だったようだ。
朝食をとり少しすると周りは移動の準備をし始めた。俺、置いてかれんじゃね?どうしよう…と悩んでいると、出発準備が終わったベイルが近づいてきた。
「これから移動するがユウキはどうすんだ?」
と聞かれた。苦笑いしながら
「自分もどうしようか悩んでいたところですよ。」
と返す。ベイルは少し考え、
「知り合ったやつがそこらで襲われて死んでもしたら寝覚めが悪いから連れてってやるよ。無料でな。幸い、日が暮れる前までには街に着くだろうからな。」
「本当ですか!?それはありがたい。」
「あぁ、ただここからだと街も近くなりモンスターも少なくなるから暇になる。だから、なんか興味をそそるような話をしてくれると退屈にならず助かるな。」
とのことだ。なにかないかと考え、某天空に浮かぶ城の映画を思い出した。それを御伽噺とした話すとしよう。
「えぇ、面白いかは分かりませんが一個あるので歩きながら話します。」
「へぇ、そいつは楽しみだ。」
ベイルは笑いながら戻っていった。
その後特に襲われることもなく平和に移動していく。
「そろそろ街に着くぞ。」
早朝から移動したため午後3時頃には街の城壁が遠目に見つけることができた。
「さぁ、街はすぐ目の前だ。もう少しで休めるぞ!」
ベイルが大声で伝える。近くにいたせいでものすごく耳がキンキンする。
「おつかれさん。お前の話なかなかに面白かったぜ。」
ベイルが自分に近づいてきて話の感想を述べてきた。自分で考えた話ではなかったがそう言って貰えるのは結構嬉しい。
「拙い話でしたがそう言ってもらえると嬉しいです。」
「そういや、お前の身分証見なかったが持ってないんじゃないか?」
「やっぱり身分証的なの必要ですよね。どうしようか…」
「それだったら無くしたってことにして貰うのが手っ取り早いな。確か銀貨1枚でして貰えたはずだ」
と街に入る時のことを話していると外壁に着いた。
遠くからでも大きいとは思っていたが近づくとさらに威圧感も感じるほど大きい。
「次の者前に進め。」
あまりの大きさに呆然としていると衛兵に呼ばれた。
「身分証を提示せよ」
「すみません。身分証は無くしてしまったので再発行して貰ってもいいですか?」
「そうか無くしたか…。少し待ってろ。」
そう言って詰所のようなところに入っていくともう1人を連れて戻ってきた。
「この者が身分証を無くしたようだから再発行の手続きを頼む。」
「了解しました。ではこちらに着いてきてください。」
言われるがままついて行くと詰所の隣の部屋に入った。
そこには白い水晶が置いてある台座があった。
「では再発行しますのであの水晶に両手で触れてください。」
「わかりました。」
触れてみるとさっきまで白だった水晶が水色の光を放つ。
「犯罪は犯してないようですね。では名前と年齢を教えてください。」
「はい、ユウキ・サカモトです。歳は17です。」
「ユウキ・サカモトですね。随分変わった名前をしているんですね。それともう成人はしていると…はい、完了しました。こちらが身分証になります。それと再発行料として銀貨1枚、入市税として銅貨3枚いただきます。」
バッグからお金を出し、支払う。
「はい、丁度ですね。こちら滞在証明書になります。14日で期限が切れますのでその時はまた再発行が必要ですのでこちらに来てください。」
「わかりました。ありがとうございます。」
これでようやく街に入れる。
______________________________________________
皆様お久しぶりです。また、大変申し訳ありません。もっと早くに話を作ってあげようとしていたのですがなかなか進まず何ヶ月も開けてしまいました。次回はなるべく早めにあげたいと思います。それと前回までの中でいくらか訂正、プラスした部分がありますのでもしよろしければ見直して見てください。コロナ感染にお気をつけてお待ちください。
転生者の冒険譚 駄犬クロ @Kuro1341
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。転生者の冒険譚の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます