第4話

ベイルに案内されるまま着いていくと眼鏡をかけた若そうな男性を指さし

「あの人が商人だ。」

と教えてくれた。

「ありがとうございます。今持っているもので売れそうなものがないか聞こうと思ってたんですよ。」

「そうかい。俺も一応見張りってことで立ち会うけどいいな?」

「えぇ、大丈夫です。すいません、商人さん。」

声をかけるとそれまで書物を読んでいた男性がこちらを向き

「私に何か御用でしょうか?」

と聞いてきた。

「えぇ、実は売りたいものがあるのですが今からよろしいですか?」

「大丈夫ですよ。その前にまず私の名前はエギメスと言います。あなたは?」

「あ、すいません。私は坂本優樹って言います。」

「ユウキさんですね。それではどういったものを売りに出すのですか?」

ショルダーバッグからサイダーのミ〇ティアを出す。

「これです。」

「これは…一体なんですか?入れ物からして見たことがない…。」

「これはお菓子です。甘いだけでなく清涼感も味わえる面白いものなんですよ。」

「なるほど。いくらか入っているようですから1つ試食させていただいても?」

「えぇ、どうぞ。」

ビニールを剥ぎ(ビニールはショルダーバッグに)1粒取り出し渡す。エギメスは渡されたミ〇ティアをじっくり見回してから匂いを嗅ぎ始めた。そしてから口に入れる。

「なるほど。随分と面白いお菓子ですね。これはどこで入手したのですか?」

聞かれるとは思っていたがとても答えずらい質問が来た。

(どうする?本当のことを答える選択肢もあるけど変に騒がれるのは嫌だな)

悩みに悩んででた答えが

「私のおじいさんが作っていたんです。でも今はもう亡くなっていてこれもあとそれだけなんですよ。」

少し苦しい回答だが仕方がない。まさかバカ正直に異世界から来て持ってたなんて答えれるわけが無い。

「そうですか。それは残念ですね。この商品なら売れること間違いなしなのですがね。ちなみに優樹さんは作れるのですか?」

「作れないですね。おじいさんからこれを貰うことはあっても作ってるのを見せてもらえたことはないので。」

「そうでしたか。そうなると難しい。これしかないのでは売るのも難しいですからね。…そのお菓子私個人として買わせて頂きます。中々面白いお菓子ですからね。お値段としては銀貨6枚でどうでしょうか?」

銀貨6枚ってどのくらいの価値なんだろう?

「すいません。私人里から離れた場所に住んでいたから硬貨に詳しくないので教えて貰ってもいいですか?」

「おや?そうなのですか?では教えてあげましょう。」

銭貨10枚=鉄貨1枚

鉄貨10枚=銅貨1枚

銅貨10枚=銀貨1枚

銀貨10枚=金貨1枚

金貨10枚=大金貨1枚

大金貨10枚=白金貨1枚

らしい。

一般人は月に銀貨3枚もあれば十分暮らせるらしい。

「やっぱり甘味は高いんですね」

「えぇ、砂糖は高いのでそれを使ったお菓子となるとどうしても貴族や儲かっている商人位にしか手が出せませんからね。」

「エギメスさんはこれ買っても大丈夫なんですか?」

今の話を聞いててふと思ったことを聞いてみると

「えぇ、大丈夫ですよ。これでも結構稼いでいますから。」

「あぁ、そうだぞ。なんせ俺たちを雇えるくらいの商人だからな。」

若い見た目ではあるがやり手なのだろう。

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新型コロナがあっちこっちで確認されていますので皆さん体調管理に気をつけてお過ごしください。

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