過去は重く、口は軽く

主人公・ソルジェの一人称で進むファンタジー。
壮絶な体験をしつつも、ソルジェの性格はいたって素直で明るい。何ならちょっと抜けた、可愛いところもある青年という感じを受けます。
ですが戦いになった瞬間、彼の頭のネジはぎゅっと締まる。……さらに何本か吹っ飛ぶ、と言ってもいいかもしれませんが。地の文で軽快な語り口を見せるソルジェと、命の削り合いを謳歌するソルジェ。お尋ね者として息をひそめて過ごす日常と、戦士として本能をむき出す戦闘の落差・温度差は必見です。

栄えある竜騎士は墜ち、復讐者に身をやつす。血潮に彩られた2度目の生を、彼がどう歩んでいくのか確かめてみてください。