盗み聞き
志賀君に無理やり連れて行かれたお洒落なカフェに入るとそこには、大星と奏の2人が仲良さそうにコーヒーを飲んでいた。
僕と志賀君も大星と奏が座っている席の近くに座る。大星と奏は僕と志賀君が近くに座っている事に気が付いてないみたいだ。僕と志賀君もお店の人にコーヒーを頼んだ。
「相葉君と相田さん、案外早く見つかったね松田君」
「あ…あぁ…まぁ…そこまで…広い店じゃ無い見たいだしな…」
「フフッ 松田君 何か落ち着き無いね? あ、そっか幼馴染の2人が一緒にいる所を見て焦ってるんだね?」
……は?……焦ってる?……誰が?……僕が?……一体何を言ってるんだ?志賀君は… ぼ…僕は焦ってなんかいないぞ…うん…そうだよ…な?
さっきから鳴ってるこの胸のドキドキは焦ってるんじゃ無くて、行き慣れていないお洒落なカフェに来てるせいで、興奮してるだけだ…よな…?
「な…何を言ってるんだよ? 志賀君…何で僕が幼馴染の2人が一緒にいる所を見て焦らなきゃダメなんだ? べ…別に焦ってなんかいないさ…」
「ふ〜ん? そう? その割には、さっきからずっと相田さんと相葉君の方を見てる気がするけど?」
な…何か志賀君…カフェに入った途端、性格変わってないか? 志賀君…そんなキャラだっけ?
「ち…違う!そ…そんな訳ないだろ!? ただ…こう言うお店に普段行かないから、ちょっと興奮してるだけだ!!」
「ハハッ…まーそう怒らないで、気楽に行こうよ 2人には悪いけど、松田君の幼馴染の2人の会話を聞いておこうよ」
「まぁ…そうだな…」
いや、ちゃんと悪いとは思ってる!!思ってるけど、ほら…やっぱり気になるじゃん!? イケメンと美女の会話って!! しかも幼馴染の!!
こうして、僕と志賀君は大星と奏の会話を盗み聞きする事にした…
「ここのお店本当にお洒落だね!! 大星!!」
「あ…あぁ…そ…そうだろ? 俺も最近ここのお店見つけたんだぜ?」
「うん!! 大星センス良いよ! きっと女の子にもモテるよ!! ってもうモテてたね!!」
「な…なぁ…奏は…俺がモテてる事についてはどう思ってるんだ?」
「別に良いと思ってるよ? モテる幼馴染って良いじゃん!! 自慢の幼馴染だよ〜大星は!!」
「そ…そうか…!! あ…ありがとう!! な…なぁ…奏は…その…気になってる人って…いるのか…?」
「へっ!? わ…私!? う…うん…いるよ…すっごい気になってる人!!」
あ…あれ? こ…これって…お互い告白して…めでたく、くっつく系じゃないか?
い…いや…そ…そうなったら、めでたいんだけどな!! うん!! 全然悲しくなんかない!! うん!!
「た…大星には…言っとくね!! わ…私の好きな人は…!!…ってあれ!? 優也に志賀君? え…何で? どうして!?」
「ゆ…優也!!志賀君も…ど…どうしたんだよ…!!」
僕と志賀君もどうやら2人の話を聞きたいあまりに、2人の顔をジロジロ見ながら聞いてしまっていた…
その結果…2人に視線を送ってしまい、その視線に気付いた大星と奏に見つかってしまった…
あ〜僕何やってんだろ?
2人の幼馴染 ゆうちゃん @Yuto74
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