お洒落なカフェ

  奏の看病をした翌日、今日は月曜日だ。僕達は今学校にいる。奏は昨日看病したおかげか、元気になっていた。大星に奏が昨日風邪を引いた事を報告しようと思ったのだが、奏に心配されるから言わないでと言われて止められてしまった。奏なりに大星に気を使っているのだろう…


 学校に着き、教室に入り今日の授業の用意をしていると大星が僕に話しかけてきた。


「優也、ちょっと良いか?」


「ん? どうした?」


「いや、今日の放課後は俺は奏と2人っきりで帰りたいなって思ってて…」


「大星…奏に、そろそろ告白するのか?」


「バッ…バカヤロウ! ま…まだだよ!!まだしねぇよ!!美味しいカフェ屋さん見つけたから奏と2人っきりで行って見たいんだよ!!」


「大星なら奏に告白してもOK貰えると思うけどな〜」


「ん? 優也…それ…本気で行ってるのか?」


「あぁ…そうだけど…」


「俺、お前居なかったらこんなに焦る必要無かったんだけど…」


「ん? どう言う事だ? 大星?」


「まー優也はあれだな… 女心を学ばないとだな!」


大星はそう言うと自分の席に帰って行った。大星は一体、僕に何を伝えたかったんだろうか?


 あれから、いつも通りに午前の授業と午後の授業が終わり、SHRも終わる。僕達は帰る用意をする。


「優也!! 帰ろう!!」


奏は僕の席に近付いて笑顔で僕にそう言う。 奏は本当に可愛いな〜 学校一モテる理由がよく分かる。


「奏! 今日は優也は別の用事があって一緒に帰れないんだとよ!! そう言う訳だから俺と一緒に帰ろうぜ!!」


  後からやってきた大星が奏にそう言う。大星は僕にアイコンタクトを取る。僕は大星に向かって頷く。


「奏…ごめん…大星の言う通り今日は用事があって一緒に帰れないんだ」


「それってどんな用事なの? 私はいくらでも待つよ? 仕事か何かだったら私も一緒に手伝うよ?」


「いや、それは悪いから良いよ 大星と一緒に帰っててよ」


「そう…分かった… でも明日は絶対に一緒に帰ろうね!! 約束だよ!!」


 奏は残念な顔をしながらもそう言うと大星と一緒に教室を出て行った。


「用事ってもしかして嘘?」


 隣の席の志賀君が帰る用意をしながら僕にそう言ってきた。


「何で嘘って分かったんだ?」


「やっぱり嘘だったんだ〜 松田君の顔に嘘って書いてあったんだよ バレバレだよ」


「…大星が奏と2人で一緒に行きたいカフェ屋さんがあるから2人で行ける様に協力してくれって言われて嘘付いたんだよ」


「松田君はそれで良かったの?」


「え?」


「松田君 僕、相葉君が行きたいって言ってるお店分かるから僕達も一緒に行こうよ!」


「え? いや、ちょ…」


僕は志賀君に無理やり、大星が行きたがっていたカフェ屋さんに連れて行かれる。


 カフェ屋さんに着くと外から見てもお洒落な感じに作られている。お店の中に入ると、お店の中もお洒落な感じに出来上がっていた。


 そしてその店のお客さんを見てみると、何とカップルばっかり!!カップルに人気なのか!!このお店は!! でも、まーお店はお洒落な感じに出来上がってるし、カップルには人気なのかもな〜 知らないけど


 席は自由に座って良いみたいだ。こう言うの何か有難いよね。 自分の好きな席に選べるし!!


「あっ…松田君 いたよ…ほら…あそこ…」


僕が一番良さそうな席を探していると志賀君がそう言ってきた。僕は志賀君の指差してる方を見る。


 そこには、僕の幼馴染の奏と大星が座っていた…

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