第7話 試合?

大会当日、

この日の午前には全てのエントリー者はエントリーを済ませなければならない。午後から第一試合の内容が発表され、発表の1時間後には試合が始まる。試合は全学年が混合なので普通上の順位に行くにつれ俺たち最下級生とは力を磨いてきた年の違う上級生の学年が多くなる。1日3試合あり、それぞれで抽選が行われる。俺たちはすでにエントリーし終わり第一試合の内容公開を大会が行われるドーム前で待っていた。

「それにしても凄い人がおおいなぁ、、、。」

「たりめぇだろっ。こんな大掛かりな大会開くとこなんざこの学校ぐらいだよ。だから力に自信がある奴とかはここに集まる。この大会を開くためなのか知らんが、ここは医療機関が充実しててな。それ目当ての生徒も少なからずいる。更にはこの大会開くはいいが、死傷者が出たら本末転倒だからな。万全の体制は取るだろうよ。国からも協力があるくらいだからここの校長はとんだお偉いさんだろうなぁ、、、。私なんてオンボロアパートで細々と貧乏生活してんのに、、、。なんか腹立ってきたな〜。切るか。」

俺が感嘆を漏らすと篠宮先生が馬鹿と説明してくれた。周りを見ると確かにこの学校の関係者ではないグループもいた。治癒能力者でもよんだのだろう。後半の話は聞かなかったことにしたほうがいいだろう。

「佐藤くん!佐藤くんはどんなチームの相手がいいのですよ?私はまだ三年生のチームには当たりたくないのですよ。」

「そうだないずれは対峙するだろうが、初めは手の内明かしたくないから弱いチームが相手なら助かるなぁ。」

なんて他愛のない話をしていると放送が入った。

「キーンゴーンカーンコーン!始まりました!異能力大会!皆さん自身で磨いてきた力を試せる機会ということで気合バッチリですねぇ。あ、遅れました私は放送担当の田中です!さぁ皆さん!気を取り直して、待ちに待った第一試合の対戦カードの発表です!北方、チーム名ファイアズ南方、チーム名デスペラードです!。呼ばれたチームのメンバーは準備してください!」

チーム名を呼ばれるのか、待てよ?俺のチームの名前なんて決めてたっけか?篠宮先生がエントリーしてくれたんだったか。

「篠宮先生、俺たちのチーム名は何で登録したんですか?」

「あ?なんだ?まだ久本から聞いてないのか?登録前にそれを聞くのを忘れてて久本に聞いたぞ?」

「アンリが決めたんですか?アンリ、お前チーム名なににしたんだ?」

アンリは自慢げに答えた。

「聞いて驚いちゃいけないのですよ?

チーム名はハッピーズにしたんですよ!どう?とってもいい響きなのですよ!」

なにそれすっごい恥ずかしい。俺以外のメンバーは女の子だから妥当だろう。だけど俺もいるんだぞ?アンリさん。やっちゃいましたね。

「清十郎君もいて、鬼龍院さんもいてみんないてハッピーだからこの名前にしたのですよ!ってなんで真顔で近づいてくるのですよ?怖いのですよ、やめるのですよ。」

むしゃくしゃしたので、チョップをかましてやりました。



その後、俺たちは鬼龍院も呼んで試合を観戦することにした。俺の能力の手掛かりになることもあるかもしれないしな。

「キーンゴーンカーンコーン!どうも!放送担当!田中です!ここで一つ豆知識!ハイエナのメスには雄のピーーと似た物がついてるんですって!そんなことはさておき第一試合、ファイアズとデスペラードの対戦です!それでは試合開始!」

ファイアズ、なんていうのだから仲間を火で固めているのだろうか、だが、デスペラード?なんだそれどんな奴がいるんだ?

!?

俺は目を疑った。そこには俺が退けた親玉がいたのだ。

「あいつこんな試合でるのか、出ないと思っていたが、厄介なことになりそうだぞ、、、。」

「ボス、ここは俺たちで、、、!」

次はあいつボスと呼ばれているのか。

「下がってろこいつらなんざパワーアップした俺の敵ではない。」

それを聞いたファイアズの奴らは頭にきたのか、

「お前!まだ2年のくせにヤンキーだからって調子に乗ってんじゃあねぇよ!3体1で勝てるとでも思ってんのか?」

「黙れ、ゴミ虫どもが。お前らなんざ運動にもなりゃしねぇよ。今すぐにでもチリにしてやるよ」

「舐めやがって!!後悔しても遅いぞ!」

そういうとファイアズの3人は連携して攻撃をしようとした。一人は体に炎を溜め残りは接触型なのか腕に炎を溜めているある程度溜め終わると二人は体に炎を溜めていたやつに能力を発動した。そうすると体に纏っていた炎はものすごい勢いとなった。

「お前がどんな能力かは関係ない!これに勝てる能力はない!行くぞ!あとでじっくり後悔しとくんだな!」

そういうと3人の合体した炎をデスペラードのボスに向かって解き放った。

命中した。

「なんでなにもしないんだ!?死にたいのか?」

しかし、ボスは燃えているがなんとも感じてないようで

「ぬるい炎だな、こんなんじゃ乾燥しきった落ち葉だって燃やせねぇぞ?炎ってのはなぁこういうのをいうんだよ!」

ボスは腕に炎を溜め出した。くる!だが、変だ、あいつも強いのは知ってる。だけどあの3人の連携の炎のレベルには劣っているぐらいの火力だったはずなのに、、、。しかもなんで炎を食らってもびくともしないんだ?まるで、きいてないみたいだった。

ボスは炎を放ち火柱もたったがやはり三人の炎より弱い。ファイアズの一人がこれを受け、

「お前の能力も受けた炎をためることができたとはな、だが残念、俺も同じく溜めれるんだよ!更にはこの火力、、、。俺たちに到底及んでないな!やはり痩せ我慢だったんだな!」

「なに勘違いしてやがる俺は炎を吸収する能力なんてもってねぇ、さっきのは前までの俺と今の俺の比較のために放っただけだ!お望みなら少し力を使ってやるよ、」

そういうとまた炎を右腕に溜めはじめた。

「何度やってもこっちの火力があがるだけだ!俺は3年間許容量を増やすことに力を入れてきたんだ!2年の火力なんか俺の許容範囲の半分も難しいだろうよ!」

ボスは無視して観客席を見渡し、大声でこう言った。

「佐藤清十郎!!!みてるな!そのまま目ぇ開いてちゃんとみてろよ!」

そういうとさっきまで腕で溜めていた炎が燃え盛り出し青色に変色した。

!?

炎は温度が上がるにつれて色が青になるときいたことがある。それがほんとならこれはさっきの連携技の火力とは桁が違う!、、、。

ボスは溜めた炎を放出した。

すると、今までの規模ではない大きさの青い禍々しい炎が火炎放射として腕から放出されて三人に直撃した。

「なんだ!?この火力は!?あ、熱い、、、。うわぁ、!」

三人は極度の火傷を負っていた。すぐ試合は勝敗を決め三人は医療グループに連れて行かれていった。

「よかったなぁ?治癒能力者が近くにいて、本番だったら死んでたなぁ?」

ボスはそういうとまた客席を見渡して、

「次はお前だ!佐藤清十郎!!!覚悟しておけよ!」

そういうとゲートを抜けて退出していった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺にできて他人にはできないこと? @NeroTempest

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ