Act:10『記念にいいだろう?』

-ゲームセンター-


唯「ねえ、アレ、撮ってみようよ」

蛍「え……アレって、盛れるヤツか!? 撮る必要ねえよ」

唯「撮ったことないんだ。記念にいいだろう?」

蛍「わーったよ……はぁ」

唯「……どこから入るんだい?」

蛍「まずそこからかよ」


唯「ふむ、中は結構狭いね」

蛍(へえ、こんな感じなのか)

唯「ボクの中も狭いと思うんだけれど」

蛍「なんの話だ」


唯「……お金の投入口はどこだろう」

蛍「えーっと……あ、外にあるぞ。入れといてやる」

唯「あとで払うよ」

蛍「別にいい」


唯「……フレームを選ぶみたいだね」

蛍「なんでもいいんじゃないか?」

唯「そうだね……じゃあこれで……あ、もう撮るみたいだ」

蛍「いきなりだな……」


 ぱしゃっ


唯「あはは、良いのが撮れたね」

蛍「……」

唯「どうしたんだい?」

蛍「おい、なんでお前変な顔してんだ。しかも全部」

唯「アヘ顔ダブルピースだよ」

男(誰にも見せられねえ……)


唯「君は真顔だね」

蛍「作り笑いは苦手だ」

唯「ふふっ、そうだよね。君はそういう人だ」

蛍「なんだよそりゃ」

唯「……それにしても君の目大きいね……」

蛍「ああ……すっげえ気持ち悪い……」


-宮澤家-


蛍「ふぅー、こたつあったけええ」

舞「でもそろそろ仕舞わないとね、もうすぐ春だし~」

蛍「ああ、そうだな……」

舞「今日はどこ行ってたの?」

蛍「ゲーセンに行ってきた」


  はらりっ


舞「そうなんだ。……ん? お兄ちゃん何か落としてるよ」

蛍「ん? あっ!!」

舞「……お兄ちゃん……盛れるヤツ撮ったの?」

蛍「いや、まあ、アイツが撮りたいって言うから」

舞「……ふふふっ、唯さん変顔してる! お兄ちゃん目デカッ!」

男(変顔ってレベルじゃないが……まあいいか)

舞「そうだっ。今度は私も連れてってね?」

蛍「ああ、もちろん」

 (もうすぐ春休みだし、いくらでも連れていってやるさ)


-終業式-


蛍「終業式終わりっと。……一年生終わっちまったな」

唯「あっという間だったね」

蛍「どうであれ、今日から春休みだ! のんびりしたいぜ」

唯「ふふ、そうだね」

蛍「……さ、帰るか」

唯「そうだね。一旦帰ったらどこか行こうよ」

蛍「のんびりする気ねえだろお前!?」


To Be Continued in "あんたいとる!-untitled!- 2"

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あんたいとる!-untitled!- 不知火ふちか @shiranui_fuchika

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ