そこに書かれていないものを描くということ

女子高生と女子中学生がご飯食べたりお泊まりしたりするお話。
面白かったです。文体からしてもう最高でした。視点保持者の心情にかなり接近していながら、でもまったくくどさがない。軽妙で、しっかり印象に残る。
どうやったらこんな風に書けるのか、と、そう思った時点で心を掴まれていました。
お話の筋も好きです。成長物語。この場にはもう存在しない〝お姉ちゃん〟と、三年ぶりに会う歳下の従姉妹。
主人公の一日を内面からそのまま活写した物語の中に、でも確かに存在する三年という時間。
その厚み。文章の中、文字として書かれていない部分にこそ存在するもの。
そして、その上で、朝ごはんの持つ意味。とても素敵な物語でした。