男三人終末その日暮らし

サイバーパンクSF。うらぶれて寂れた未来の世界の、愉快な三人組のお話。
みんなこういうの好きでしょ? と言わんばかりの、てんこ盛りの煤けた鉄と電気。好き。
この寂寞とした無常感溢れる空気というか、物語全体にノーフューチャーな感じが通底しているのが良いです。作中の用語や細かな言葉遣いまで、いろんな要素がピタリと同じ方向を向いていて、読み進めるごとにもりもり雰囲気が出てくる。きっちり轍ができてるというか、この世界の設定に自然と乗せられていく感覚。
加えて、というかその上で、お話の筋そのもののシンプルさが嬉しいです。単純明快、きっちり勧善懲悪してくれるバトルもの。雰囲気に浸りながらぐいぐい読んで、スパッと決着してくれる爽快感。まさに、これぞエンタメ、という印象です。
一番惹きつけられたところは、やっぱりキャラクター。というか、彼らの関係性というか。こういう三人組、最高だと思います。
ド派手なアクションシーンもあって、真っ直ぐ楽しめる作品でした。