紅百合

特に題名もない無味な話

「ネバネバネするチャネチャする」

　どうしようもないでしょ？

「しくしく泣いてるよ？」

　あの子が弱いだけ

「血が出てるよ？」

　仕方ないじゃない

「どうして仕方がないの？」

　私にわかるわけないじゃない！！！

「どうして怒るの？どうして苦しいの？どうして睨むの？」

　うるさい

「にげるの？にげるの？にげるの？」

　うるさいうるさい

「童話を知らないの？頑張ればご褒美があるよ？」

　うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい！！！！！

「痛いよ？」

　なんで消えないのよぉぉぉぉぉぉぉぉおおお！！！！！！！！！！！！！！！

「わからないの？」

　わからないわからないわ

「鏡を見て？私はあなたじゃない」

　わたしはあなたなの？

「言葉の上では私はあなたじゃない」

　違うの？合ってるの？

「それがわからないからアナタなのね」

　カラカラ笑ってないで私を助けて！

「いやだ」

　なんでなの？私が良い子じゃないから？

「ううん、違うよ」

　なんでなんでなんで

「なんで私が助けてくれると思ったの？」

　私を天国へ連れて行ってくれる天使なの？それとも地獄へ連れて行く悪魔なの？

「どちらも私。でも私じゃない」

　話すだけ無駄なのね

「やっと気づいたの？」

　あなたは無意味なの？

「そうなの」

　意味がないの？

「ないの。海に塩を混ぜるくらいとても意味がないの、しわしわヨボヨボのバナナさん？」

　私がバナナ？それともアナタ？

「あなたがバナナなの。私が牛乳なの」

　なんで牛乳なの？

「お母さんウシから奪った愛情の空回りそのものなの」

　やっぱり無意味なのねアナタ

「無意味なの」

　なら私が意味を与えて上げる

「さっきから貰ってる。でも全部消えてく」

　大丈夫、私がずっとずっと与え続けて上げるから

「ほんと？やったー」

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『誰の声も聞こえなくなりました。さようなら』