緊迫感溢れる展開から優しくゆっくりとしたオチへ流れていく物語構成がとにかく素晴らしいです。まとめ方転がし方、何よりも動から静への描き方。見事のひとことです。タイトルの意味が、読むと理解出来る作品には、個人的には商業Web問わず、秀作しかないと思ってます。この作品もまさにそうでした。
閉鎖環境。タイムリミット。完全なる孤独感。それらがない交ぜになって焦燥と絶望を駆り立てている演出が見事です。かと言ってギリギリと責めてくる厳しさはなく、極限状態であるのにどこか安心して読んでいられる文体が、ラストの謎解きを軽やかな読後感を与えてくれます。これからもずっと見守っててくれるんですね。
主人公は袋のネズミである。ただし、安全が保証されているところの袋のネズミである。いや、『だった』。 本作が真に優れているのは、ある種のサバイバルサスペンスももちろんながら、『袋』そのものの再確認であろう。これはもう、陳腐な例えで恐縮ながら、子宮とでも呼ぶ他ないではないか。 詳細本作。
涙なしでは見られないSFがここにありました。こういう時代はいつか来るのか、1人ではないよ。温かいお話。
再起動を実行する場合、1時間以内に非常用コンソールよりキーワードを入力してください。亡くなった祖父。そのキーワードを探します。みつけたキーワードいいですね。誰に必要なものですね。
ぜひ大勢の方に読んで頂きたい作家さんです。描く世界は様々あれど。きっとこの物語の主人公同様に。読む人にとってかけがえのない存在となるでしょう。そのような未来はすぐ目の前にあります!おすすめです!