それからのこと
アンチイティー掃討までそう時間はかからなかった。
宇宙では無敵に近い彼らも地球で活動する上で著しく能力を制限された結果、アメリカ軍の兵器だけで対抗が可能なレベルだった。
アーティファクトテクノロジーからも多くの機体が提供され、それも戦闘に貢献した。合わせてそれらの公開も含め、全世界へマシンナーズの存在が公表される。
日本国首脳の
そんな彼は同じく前世持ちであるアーティファクトテクノロジーのレイアとも面識があった。日米間でマシンナーズの開発は秘密裏に行われていた事となる。
しかし残念なことに日本国内に開発されたマシンナーズは存在していなかった。対処は遅れたものの、アメリカからの援軍もあって何とか国内の犠牲者も一万人以下で済ますことができた。
それでも一万人、死者を出してしまった。負傷者だけなら十万人はいる。総理の責任も追及された。
そこで、これは宇宙人の侵略であること。アメリカとの協力も強固なものとし、日本でも軍を持ち侵略者に対し対抗することを表明。
各国は日本を非難するも、化け物の登場もあって、さらにアメリカからの圧力もありその案は通されることになった。
そんな中で話題に上がったのが日本で暴れたという黒い機体の存在である。
レイアはその映像を見た時、すぐにそれがコノハサクヤだと気付いた。同時、カナデが日本に転生している事も知る。
二人が会うのはそれから数か月後のことだ。
「久しぶりー、今はレイアって言うんだっけ?」
「ハーイ。久しぶりデース!」
実は前世の天神帝国の母国語が日本語と同じなのでペラペラなのだが、何となくアニメの影響で片言なレイアはそうしてカナデとの再会を果たす。
奏たちが紫苑から聖女云々について聞いた事は一切話さず、何があったかだけを話す。
戦いの中で兄が恐らくアンチイティー……今では誰が言ったか
日本国内で秘密裏に開かれた会合には他に明らかになっている前世持ちの他、達也も参加した。チグサももちろん中に含まれている。
そうして、鹵獲されたノアの船団員たちの話から、ノアの一員の存在も明らかになっていた。
最初は敵意を示していた船団員たちとキャットマンと呼ばれるイティーたちともすぐに和解。これからの事について話し合うべく、アーヴァインとノクトも代表として会合に参加していた。
前世、或いは故郷にて。絶対に交わる事のないと思われた帝国と共和国が手を取り合った瞬間でもある。
地球はこの一年で大きく変わった。
奏は進級せずに新生日本軍の一員として迎え入れられる。その頃には紫苑も自らの能力を明らかにし、レイアが責任をもってその能力を研究、それを活かした機体が開発された。
何度かあった
こうして、世界は想像の中でしかなかったSFの世界へと突入していく――。
さて、宇宙征服を続けるイザナミだが――。
今、死の危機に瀕していた。
「予想外、想定外……」
知らずの内に
地球だと大して強くもない彼らも、宇宙だと無敵に近い。くっそ強いのである。
イザナミも善戦した。
イザナミはその戦いの中で多くの生み出した機体を失う。しかもイザナミ自身エネルギーを大量に使い、さらに自分の心臓部まで攻撃された結果もう勝手に死んでしまう状態に陥ったのである。
このままでは宇宙征服の夢が終わってしまう!
焦ったイザナミは生み出した最強の機体『イザナミ』……つまり自分の名を冠した機体にコアを移し、一人ワームホールによる転移を行った。
結果、未知の惑星へやって来たイザナミは、空飛ぶ赤い大蜥蜴に襲われまた死の危機に瀕したのである。
未知の存在の出現。ドラゴンと呼ばれる存在は今まで戦っていた冒険者と呼ばれる人間よりそれを最優先にそれを排除することにし、襲い掛かった。
「あれは何だ? ゴーレムか?」
「白く美しい……」
「きっと神様の使いに違いないわ!」
何も知らない冒険者たちは、イザナミを救世主か何かと勘違いした。
こうしてイザナミは紫苑が聖女として召喚された世界『エクスパン』へやって来たのである。
イザナミ―天よりの災厄― 雪白紅葉 @mirianyu
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