第13話

「「「行ってきまーす」」」


「行ってr―ドゴォン


 うわっ砂煙が、


「・・・うっわ、速い」


 私こと刻茶のお手製の人形達を外に出してあげたら、一気に森の外にまで走っていきました。しかも私でさえ、集中しないと見えないくらいには、全員速いですね。

 クレーター出来ているじゃないですか、直しておかないといけませんね。

 まぁあの人形達の記憶は百年周期で消しているとは言えども、今まで気になっていた外に出られたんですから、はしゃぐのも仕方ないですよね。


「・・・ん?」


 見送ったので、家の玄関内に戻ると、見覚えのある荷物が、玄関のわきにポツンと置いてありました。


「忘れ物ですね・・・」


 外の世界に裸一つと言うか服着せるだけで、あとは手ぶらと言う感じで送りだす訳にはいかないと、一人一人荷物を持たせていたんですが、一人だけ持って行くの忘れていますね。


「どうしましょうか・・・今ごろは、もう森から抜けていると思いますし・・・」


 数十分考えましたが、まぁここにおいておく事にしました。他の子にこういう時の為に、全員分詰め込んでおきましたからね。


「さて、次は・・・地図の作成ですね」


 数百年も見ていないと、だいぶ変わっていると思いますし、楽しみですね。

 妖怪の村はそこまで、変わらないのが長年のネックですからね。外から技術やら、なにやらを持ってきたり、奪ってきたりしないんでしょうかね?


「まぁ今度そんな事を言ってみましょうかね」


 そうして、私は倉庫に足を運びます。


「えっと、地図作成用の道具は・・・ってスクラップにしたんでしたね。何回これを思い出せばいいんでしょうか?」


 それでは、余っている物を用いて、ちゃちゃっと作っちゃいましょう。


―ギィ


 私は、倉庫を開きます。


「うっ、ゲホッゲホ・・埃がすごい、掃除した筈なのに・・・まずは掃除からですね。うぅ」


 ちゃんと片づけた筈なんですけどね。詰めが甘かったか・・・いやそれにしては、おかしい気もしますが・・・


「どこか、引っ掛かりますね。うん?結界ですか・・・森のとは少し、違うようですが、ふむ」


 どうやらこの倉庫、どこか別の倉庫に繋がっているようです。それにしても汚いですね。長年の間、使われていないのでしょうか?

 困りましたね、これでは、計画がまた壊れてしまいます。この際もう不貞寝でもしておきましょうか。天南のお土産が沢山ありますし・・・いまさらですが、天南のお土産を整理すれば良かったですね。見ていない本とか、気になる物は沢山ありましたし・・・


「しかしまぁ、この森の土地から出られないので、こういうの本当に扱いに困るんですよね・・・本当にどうしましょうかね」


 一風変わった倉庫を見て、私は考え続けるのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

不思議で可笑しな座敷童子 蠍ト鷹 @takasasori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ