これは名作です。言葉のひとつひとつが本当にカッコよくて……読むとシビレますよ。短編とは思えないような重厚な世界観で、きっと作品世界にひたれると思います。扱われるテーマは重苦しいですが、使命感やそれにともなう感情なども感じられて……深い物語だなと思いました。また、結末がさわやかなのもよかったです……その後をいろいろと想像できると言いますか。素晴らしい物語です。ぜひ読んでみてください。
短編の中、しっかりとした筆で描かれた物語です。作者による物語の下地がしっかりしているので、浮ついたところが一切ない骨太の作品にしあがっています。
死者は語らない。が、訴えはする。 そんな感覚になる物語だった。墓守という独特な印象を与える……その癖いつの時代にも存在し得る……職業に似つかわしくない主人公が、少しずつ自覚と見識を積み上げていく様子を巧みな語り口調で盛り上げていくのは流石である。 詳細本作。
初めてです。引き込む語り口、キャラクターの巧みな配置、心をつかむ緩急。魅力的な視覚効果は、リドリー・スコットの暗をバックにウォシャウスキーのスローモーションを重ねたかのようです。続編を夢見る自分が、なぜかうれしいのです。
ゴシックロマン×SFという個人的にたまらない設定が見事なのはもちろんですが、落ちこぼれのヒロインが実は選ばれし者だったという構成が話として綺麗にまとまっていて、本当にこれが短編小説なのかなというぐらい充実した内容で感嘆しました。文章もアニメ映像が浮かんでくるような臨場感があって、まるで長編小説を一編読み切ったような読後感に浸れます。アマチュア小説で、ここまでハイレベルな小説を読むのは本当に久しぶりな気がします。手放しで称賛したい作品です。
構成バランス、台詞や文言のセンス、ストーリーの納得感……すごいクオリティの高い作品と感じたので、あんまり下手なレビューができないなぁ、というトコロなのですが………。自分がこの作品で感じた最大の魅力は「墓守のエマは空の青さを知る」という、タイトルに込められた意味。是非、作品を通じて、その意味をご自身で探ってみて下さい!
セキュリティ万全なはずの墓地から、遺体が消えた。たまたまインターンとしてその遺体の管理を任されていたエマは、遺体の代わりに現れた不思議な女性と、墓地を取り巻くミステリーを目撃し、体を張って事件の謎を解き明かしていきます。霊園という限られた空間で。しっかり練られた設定と、空の青さを感じさせる爽やかな読後感が残る、不思議な短編です。
物語は遺伝子操作によって、より優柔なDNAを子孫に残せる世界。そして、主人公はその世界で墓周辺の掃除係の仕事をしていた。いつも通りに掃除しにいくと、そこには見知らぬ女性がいた。その後、1つの遺体が消失しており、主人公は濡れ衣を着せられる事となる。果たして、事件解決ができるのか?謎の女の正体とは?是非、ご覧ください!