第6話、ある日、森の中
ある処に薬師の幼い少女がいました。
少女は薬師の両親と祖母を戦争で亡くし、町の人達や猟師に支えられながら森の家に住んでいました。
ある日、少女は薬草取りの最中に悲痛な鳥の鳴き声を聞きました。
鳥の雛が巣から落ちたのかと鳴き声を便りに探してみると少女の掌くらいの大きさの黒くてヌメヌメとした水たまりでした。
可哀想に思った少女は水たまりを家に連れ帰り水や食べ物を与えると薬草も野菜も肉も骨でも何でもよく食べた。
「あなた何でもモリモリ食べちゃうのね」
「テケリッ」
「それに森で逢ったから今日からアナタはモリ太郎ね」
黒い水たまりは歓喜した、古の儀式をなぞり最後に名を貰えたのだ、契約に従い少女の為に奉仕種族として働こう!
「テケリッ」
儀式で自分を縛るモノが無くなったモリ太郎は恐い狼や熊や鬼等を残らず食べ、増えたり分かれたりしてどんどん強くなり恐いモノを全て食べてしまいました。
こうして少女とモリ太郎は平和な森の片隅で末長く暮らしたのでした。
メメン と モリ太郎 メメント・モリ太郎 @super-pinch
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