第4巻

4話




ーーーー


梅涙「…犯人の目星はついています!」


和具間「それって誰のこと…?」


梅涙「喜多山さんなら、もう分かっています!お願いします!!」


ここで俺を頼るのか。捜査中の時、梅涙が言ってたこと…。


梅涙(まずはベッドの近くは暁さん、和具間さん、原坂さん、護城さん、京極さんがいました。そして、北島さんは扉の近くにいましたね。)


共犯者は大綱で停電にするやつはいる。保健室にいたやつですぐにドアから出れるやつ…。あいつしか、いない…!


喜多山「…北島…。そうなのか?」


北島「…。」


北島「ドアから近い俺が怪しいのは分かるぞ。だがな、俺が言ってる意味は保健室から出る時の話じゃないのか?暁を連れていく時はどうするんだ?」


喜多山「確かに…。」


八尺「ったく。しょうがないな、君は。助けてあげよう。」


八尺が助けてくれるようだが、どうするつもりだ?


八尺「梅涙、保健室の停電前の全員の配置を教えてくれ。」


梅涙「えっと。まずはベッドの近くは暁さん、和具間さん、原坂さん、護城さん、京極さんがいました。そして、北島さんは扉の近くにいました。」


八尺「もっと詳しい位置を頼む。」


何をしようとしているんだ…?俺は八尺の考えが分からなかった。


梅涙「まず暁さんがベットで…。」


八尺「そのベットの位置は?」


梅涙「扉から真っ直ぐのベットです。」


八尺「間に人は?」


梅涙「…!いませんでした。皆左右にいたので、直線上で人はいませんでした!!」


八尺「さて、今のを聞いてまだ分からないか?喜多山よ。」


喜多山「流石に今のふたりのやり取りでわかった。北島の目の先には暁がいた、だから暁を連れて後ろに戻るだけだから、可能だ…!!」


八尺「そうだ。北島よ。お前が犯人じゃぞ。」


北島「…。」


玉田「どうしたんですか?このままじゃ犯人になっちゃいますよ…。」


北島「……どうするんだよ。」


北島は今なんて言ったんだ?


北島「廊下に出た時、そっからどうしたんだ?1階は停電したまま何だろ?それじゃ俺は2階に行けないんじゃないか?」


確かにそうだ。廊下は真っ暗なんだから、1回にいた北島はどうやって行ったのか。

その時だった…。


山谷「可能です!!」


北島「は?」


山谷「お忘れですか…?機械室にいった大綱さんの事を…。機械室ですよ?懐中電灯の1つはあるはずです!なくても何かあかりになるものがあるはずです!」


和具間「そうか。停電にするために機械室に向かった大綱が居るんだから…。」


可能、だな。


大綱「…。おい山谷。俺、言ったよなぁ?何か余計なこと言ったら殺すって。」


山谷「はい。でも、皆さんが死ぬよりはましです!!」


大綱「はぁ〜。萎えた。北島ぁ。わりぃけど、諦めてくれや。」


鬼龍院「これは、決まりましたね。」


北島「………は?」


大綱が北島を見捨てると、北島は体を震えさせ、机を力強く叩いた。


北島「ふざけんなよ!!何が諦めろだ!?誰のせいで人を殺したと思ってるんだ!!」


大綱「…。お前のせいだろ?」


怒っている北島に大綱は冷静に言葉を返した。


大綱「お前が下らない動機でリタイアしたくって俺に相談したんだろ?」


北島「下らない動機って…。」


北島は今回の動機で殺人を犯したのか…?


山谷「教えてください。あなたの動機を…。」


北島「…。」


大綱「別に喋っていいんじゃない〜?もう死ぬんだし。」


喜多山「お前は…黙ってろ…。」


北島「…まぁ、いいか。俺には、病気持ちの妹がいる。教頭に渡されたビデオを見ると、妹が病室で俺の応援をしてくれているビデオだったんだ。そのビデオを見て、俺は思い出したんだ。妹はもう長くないってことを。」


思い…出した?北島はビデオを見てから妹のことを思い出したかのように語っている。


北島「俺の力じゃ、もう妹は救えない。親にも頼りにならない。だから、せめて少しでも一緒にいてあげたかったんだ。」


梅涙「そ、そんな理由が…。」


北島「妹に会うために暁を殺したのは悪かった。だが、しょうが無かったんだ…。」


八尺「…その程度…か。」


妹にために人を殺した…か。俺は北島の気持ちを考えると悲しい気持ちになった。


教頭「悲しい話の途中で申し訳ないのですが、犯人投票しても、よろしいでしょうか?」


教頭の声に北島は「あぁ。」とだけ答えた。


教頭「では、犯人と思われる人に投票をお願いします。」


投票の結果、北島が選ばれた。


教頭「はい。またまた正解です。今回、三重県代表、暁駁夜様を殺した犯人は宮城県代表の北島王太様です。」


北島「…これで俺も、ゲームオーバー…。せめて最後に妹に会いたかったぜ…。」


教頭「では、処刑内容を決めます。8枚のカードから1枚選びください。」


教頭に出されたカードを北島はゆっくりと引いた。


教頭「ふむ。では今回の処刑は手術処刑です!」


北島「ふん。ネーミングセンスの欠片もねぇ名前だな…。」


北島は力無く言った。


教頭「これ考えてるのは学園長ですし…。仕方ありませんよ。では、処刑を開始致します!!」


北島「暁、すまなかった。そしてごめんな、瑠菜(るな)…。」


その瞬間、北島の首に首輪がつけられ、裁判場の裏に連れていかれた…。


ーーーー


処刑


北島が連れて行かれたのはどこかの病室だった。そして、手術室に連れていかれ、麻酔なしのオペが始まった。北島は起きている状態で全ての臓器を取られ、動かなくなった。」


ーーーー


教頭「処刑が完了しました。妹様は手術してももう治らないので、代わりに受けたって感じですね。」


喜多山「何がだよ…。しかも、あんな殺し方って…。」


花珠「人が簡単に死んでいく…。」


前回と同じ怒りが湧いてきた。


田尻「…どうして…。どうしてこんなことが出来るの!?」


教頭「昔、小学校とかで習いませんでしたか?誰かの悪口を言ったら、ノートに書いてその人の目の前で読んでもらいますよと。それと同じように殺人同様、自分がしたことは帰ってくるのですよ。」


喜多山「お前がやらせてるんじゃないか!!」


教頭「おっとっと。このままいたら私、殴られそうです。では皆様、お疲れ様でした。では。」


そう言って教頭が消えた。


原坂「また言いたいことだけ言って消えたのぉ…。」


大綱「やっぱり、面白いものを見るためには自分ですごいの作らないとね。羽山と北島には失望したぜ…。山谷、許さない。」


大綱が意味深なことを残し、1人で部屋に戻って行った。


護城「…。」


護城が1人で下を見ている。声がかけた方がいいのか…?


京極「華紅夜を慰めるつもりだと思うけど、やめた方がいいよ。今は1人にしてあげな。」


喜多山「…お前は悲しくないのか?」


京極「…悲しいよ。凄く、今にでも泣きたいぐらい…。でもね、それじゃ弱いままだから頑張るの。それに、もう1回泣いたから…。」


京極(……。そんなこと…。ずっと部屋に引きこもってるあんたなんかに言われたくないよ!!)


京極は強いな。俺はそう思った。


京極「だから、戻ろ…。」


喜多山「おう…。」


俺たちは護城を裁判場に残し、先に部屋に戻って行った。


護城「…もうあの5人で再会するのは不可能になったな…。何…死んでんだよ…。駁夜…。おっ…。」


ーーーー


9日目


喜多山「なんだが、体がだるいな…。」


また昨日人が死んだ、暁と北島が。俺は疲れているのかもな。


喜多山「…。こんなことじゃへこたれねぇぞ。北島。」


取り敢えず俺は、顔を洗い食堂に向かった。食堂には何人かは揃っていたが、また何人かは揃っていなかった。


京極「おはよう。喜多山くん。」


喜多山「おう。護城は?」


京極「…部屋から出てこないの。やっぱり時間が必要かも…。放っておけば大丈夫でしょ!」


京極もかなり無理してるように見える。食堂には護城の他に大綱と田尻と八尺の3人がいなかった。

八尺はいつも通りか。


和具間「原坂、あんたまた大綱のこと縛ったの?」


原坂「流石にもうそんなことしとらんぞぉ…。」


猿投山「…トラッシュルームにはいなかった…。」


梅涙「あ〜そ、そう言えば!」


梅涙が急に席を立った。


梅涙「3階に行けるようになってたんです!どうですか!?今日行きませんか!?」


山谷「そう言えば、東棟1階のずっと入れない部屋があったの覚えてる?あそこ、入れるようになったから確認しておいてって教頭が言ってたよ。」


今回は調べることが多そうだと俺は思った。


和具間「あら。じゃあどうしましょうか。今いない4人を外して1階の部屋を調べる人も決めてまた分けましょうか。」


和具間が誰がどこを調べるかを勝手に決め、結果は西棟に俺、猿投山、花珠の3人、東棟に原坂と玉田の2人、北棟には山谷、京極、梅涙の3人、そして1階の空いた部屋を調べるのは和具間と鬼龍院となった。


原坂「ワシら2人で東棟を探索するのかのぉ!?」


和具間「あら。なにか不満?」


玉田「不満…と言うか流石に2人は厳しいのでは…?」


鬼龍院「私達も2人ですわよ?」


原坂「あんまりじゃあ…。」


俺は心の中で2人にどんまいと言っておいた。


和具間「じゃあまた夜前に食堂で。」


そして、俺たちは自分の調べる場所に向かった。


喜多山「よし、ついたな。誰がどこを見るか決めるか?」


猿投山「…。」


花珠「私はどっちでも…。」


何だか気まずいな。余り喋るのが得意では無いのかも知れない。


喜多山「あー…3人で調べるか。」


2人は頷いた。別れても部屋を調べてもちゃんと説明できるか分からないからだ。


喜多山「3階は…部屋が2つか。これならすぐに調べ終わりそうだな。」


2つの部屋の内、左の部屋を調べることにした。


喜多山「ここは…美術室…?」


左の部屋は美術室となっていて、ペンキに粘土、イーゼルに彫刻用のヘラ等があった。


花珠「鋸もありますね。」


喜多山「危ないな。それは閉まっておこうぜ。」


花珠は鋸をそっと元の場所に戻した。


喜多山「うーん。あまり調べられるものは無いな。次の部屋に行くか。」


美術室には調べられるものが少なかったため、俺たちは美術室を出て右の部屋を調べることにした。


喜多山「よし、開けてみるか。」


俺たちは右の部屋に入った。


猿投山「…!?」


先に入った猿投山が震え出した。


喜多山「どうした?」


猿投山「…血が…。」


血…?また殺人が…?取り敢えず奥に入ると、部屋は血の匂いで充満していた。


花珠「な、何…?この部屋…。」


部屋のあちこちに血が飛び散っている。


猿投山「…この血…ここに付着して1週間も経ってない…。」


喜多山「つまり…俺たちが下にいる時、誰かがここでなにかしていたのか…?」


花珠は気分が悪くなったらしく、部屋を出ていった。


猿投山「…どうする?調べる?」


喜多山「2人で調べるか…。」


猿投山と2人で部屋の奥に進んで行った。


猿投山「…机とか…あるところを見るとここは…教室…?」


この部屋は1階と2階で見た教室と形が同じだった。


猿投山「…ここで沢山の人が死んだ…のかも。」


喜多山「どちらにしても気分が悪いな…。」


さすがの俺も血の匂いと飛び散っている血を見て気分が悪くなった。


猿投山「…部屋から出る…?」


喜多山「あぁ…そうしようか。」


俺と猿投山は部屋を出た。廊下には花珠はがいた。


花珠「ご、ごめん…。気分悪くなっちゃって…。」


喜多山「気にすんな。取り敢えず、食堂に戻ろうぜ…。」


俺たちは食堂に戻った。この血まみれの部屋はなんなのか。謎は深まるばかりだった。

食堂に着いた頃にはもう他の部屋を調べた人達が待っていた。


和具間「あら?あなたたちが最後よ。3人なのに遅いのね。」


喜多山「ま、まぁな…。」


玉田「では、発表と行きますか?」


和具間「えぇ。そうしましょう。」


護城、大綱、八尺、田尻の4人が居ない状態で話し合いが始まろうとしていた。


山谷「来てない人達はどうしますか?」


原坂「大綱と八尺はともかくのぉ。」


梅涙「田尻さんは少し心配です。責任感じて1人で抱え込んでいるんじゃないかって…。」


昨日のパーティは田尻が開催した物だ。自分が開催したパーティで殺人が起きれば責任を感じるのも当然だろう。殺し合いを嫌がってた田尻なら尚更だ。

てか護城は…?


和具間「どうしましょうかね。」


鬼龍院「原坂さんが後で言いに行けばいいと思いますわ。」


原坂「わしかぁのぉ!?」


和具間「確かにいいかもね。よろしくね。」


原坂どんまいだなぁ。


玉田「では、東棟の結果から報告させていただきますね。」


原坂「東棟3階は部屋が1個しか無かったのぉ。」


京極「何があったの?」


京極が原坂に聞いた。


原坂「視聴覚室じゃったのぉ。」


玉田「視聴覚室には14人分の席がありましたね。」


梅涙「何で14人分何でしょうか…。」


梅涙は首を傾げ言った。


和具間「14人になる事が想定されていたんじゃないのかしら?」


玉田「だとしたら趣味悪いですね…。」


玉田は気味悪そうに言った。


山谷「じゃ、じゃあ次は北棟…いいですか?」


和具間「いいわよ。」


梅涙「えっと。北棟は部屋2つでしたよね。」


山谷「はい。1つ目はパソコン室です!」


山谷は嬉しそうに答えた。


梅涙「パソコン室は開いてなかったけどね。」


梅涙が笑いながら山谷に言った。


山谷「そうですよ!パソコン室って書いてあった時は結構嬉しかったのに…!」


山谷はしょんぼりとしてしまった。パソコンが好きなのだろうか。


京極「…あとひとつの部屋は〜。」


京極が、二人の間からひょっこりと出てきた。


梅涙「あとひとつは情報処理室…でしたっけ?」


山谷「そこも開いてなかったんですよ〜。」


3人が担当した棟の部屋は全て鍵が開いていないらしい。


京極「それで私たちが最初に食堂についたんだよね。」


猿投山「…次、私たち。」


猿投山が俺の裾を引っ張って言ってきた。ちょっと可愛い。


喜多山「あ〜。じゃあ次は西棟の報告でいいか?」


和具間「いいわよ。」


花珠は「1つは美術室があったよ。色んな道具があったから絵を描くのが好きな人はここに来るのがいいかも…。」


鬼龍院「絵…。いいですね…。」


玉田「絵はお好きで…?」


鬼龍院「描くのが好きですの。」


玉田「後で行きますか?」


鬼龍院「……行きます!!」


あの二人は仲良いなぁ。


和具間「…それで、もうひとつの部屋は?」


和具間にもうひとつの部屋と言われ、ドキッとしてしまった。

あの部屋の事をどう言えばいいの、俺にはわからなかった。


猿投山「…もうひとつの部屋…普通の教室だった…けど、血がいっぱい飛び散ってたりしてた。」


猿投山が俺の代わりに言ってくれた。


原坂「なんじゃその部屋ァ!?」


梅涙「不気味ですね…。」


皆は少し驚いていた。猿投山はその血がまだ新しいものだと言うのは言わなかった。


猿投山「…それだけ。」


和具間「…かなり不気味だけど、一旦置いておきましょう。」


鬼龍院「では、次は遂に私たちが調べたところの発表ですね!!」


何やら鬼龍院が急に喜び始めた。


和具間「…今回1階に解放された部屋は…。大浴場…。つまりお風呂よ!!」


…えっ?


玉田「え?」


原坂「え?」


喜多山「え?」


俺たち3人は声を揃えてえ?っと言ってしまった。


梅涙「お風呂ですかぁ…。いいですねぇ。」


山谷「あれ?男子の皆さんは何でそんな喜んだ顔をしているんですか?」


原坂「フェ!?別に喜んではおらぬのぉ!なぁ!喜多山!」


喜多山「あ、あぁ!もちろんだ!」


鬼龍院「なので、この後女性陣で入浴しましょう!」


花珠「…え?これから…?」


鬼龍院「話し合いはこれで終わりにしていきましょうよぉ!」


鬼龍院は興奮しているようだ。


梅涙「いいですよ!行きましょう!」


和具間「じゃあ、これで解散にしましょうか。」


鬼龍院「さぁ!お風呂に行きますよ!」


和具間の解散の声で鬼龍院は一足先に大浴場に向かった。


梅涙「私たちも行きましょうか〜。」


その後、女子のみんなも大浴場に向かった。そして、食堂に残された俺たち男3人は…。


原坂「…これはアレをやるしかないのぉ…!」


喜多山「…アレだな…!」


玉田「アレですね…!」


俺たち3人が声を揃えて言った言葉、それは…。


原坂&玉田&喜多山「覗きだ!!!」


喜多山「って、待て待て待て待て待て待て!!」


我に戻った俺は2人に待てと言った。


原坂「どうしたのかのぉ!?喜多山よ!!」


喜多山「覗きは良くねぇよ!犯罪だぞ…!」


玉田「まさか喜多山さん…恥ずかしいんですか?」


なわけねぇだろカスと俺は心で思った。


喜多山「い、いやいや。もし覗きで教頭にお仕置とかされたらどうすんだ…?」


???「構いませんよ。」


この声…。まさか…。


教頭「覗いてもいいですよ。」


やっぱりか!!


教頭「皆様は男子、しかも今の歳頃だとちょうど思春期ですかね〜。今回私が大浴場を解禁したのは男子の皆様には覗きをして欲しくて解禁致しました!!」


まじかよこいつ…。最低だな…。


原坂「流石教頭殿!分かってるのぉ!」


あ、ここにも最低な奴おったわ。


玉田「そんな貴方が私たちは好きですよ!!」


あ、ここにも。


喜多山「まじかよ…。」


教頭「喜多山様も我慢しないで…。今なら女子の膨らみかけのあんなものやこんなものさえ…!!!」


教頭の言葉が頭に入ってきた。そして考えてしまった。


喜多山「……。」


原坂「ここで行かないと言うなら…。」


原坂が急に怖い顔をし始めた。


原坂「ワシはここでお主を殺す!!」


何でそうなるんだ!?


玉田「脅されたら、行くしかありませんよね〜。」


2人と教頭に押し負けてしまった…。


喜多山「…行こう!!」


そして俺らは教頭に見送られながら大浴場に向かった。


玉田「…よし、女子の皆さんはもう中で楽しんでる模様です…!」


原坂「うむ…!第1陣は喜多山…お主に授けよう!」


喜多山「い、いいんですか!?」


玉田「貴方は私たちのお願いを聞いて着いてきてくれたんです!そのぐらいおやすい御用です!」


2人も早くみたいのにと考えると俺は涙が出てしまった。


玉田「泣くのはまだ早いですよ…!さぁ、バレないように扉を開けて…。」


玉田に言われるがまま、俺はドアをゆっくり開け、中を見た…。


鬼龍院「幸せですわ!!」


中からは鬼龍院の甘い声が聞こえてきた。


梅涙「こんな大きいお風呂でハメを外すのはいい事です…!」


山谷「気持ちいい…。」


京極「暖かくてちょうどいい温度…。」


梅涙、山谷、京極がお風呂でくつろいでいる。凄い大変なものが見えてしまっている…!!


猿投山「…。」


花珠「今度は田尻さんと八尺さんを連れて行きたいね〜。」


猿投山と花珠…!!小さいが中々…。


和具間「あら?」


玉田「喜多山さん…!そろそろまずいですね…!1回閉めましょう…!」


玉田に言われ、扉を閉めた。その後、玉田と原坂も楽しんだ後、俺たちは大浴場を出て、食堂にいた…。


原坂「いやぁ〜。最高じゃった!!」


玉田「やっぱり覗きはこう出なくちゃですよね〜。」


喜多山「また覗きてぇなぁ〜。」


教頭「皆様、覗きお疲れ様でした。どうでした?」


喜多山「最高でした。」


原坂「最高じゃった!!」


玉田「最高です!」


しかも女子の皆は顔が結構整っていて可愛いのでまさに目の保養だった。


教頭「それはそれは…。では、私はこれで…。」


そう言うと教頭は消えていった。


原坂「うむ…!じゃあさっきの天国を忘れぬ内に部屋に戻るとするかのぉ!」


玉田「え?私たちはお風呂行かないんですか?」


原坂「男3人で行っても楽しくなかろう!後で護城も連れて行くぞぉ!」


大綱入れてやらないんだな。まぁ俺もその方がいいけど。


玉田「そうですね。じゃあまた後で皆さんでお風呂に行きましょう!」


そう玉田が言って男の覗き作戦は終わった。そして、俺は大切なものを無くしてしまったかもしれない。

俺の、自分のキャラのことを…。


喜多山「ふぅ。さてと、この後時間もあるし、誰かと過ごすか…。」


取り敢えず部屋を出た俺はどこに行くかを考えていた。


喜多山「う〜ん。どうしよっかなぁ。」


???「…どうしたの。」


後ろから声をかけられ、「うひゃあ!」とか変な声が出てしまった。

後ろを見ると猿投山が不思議そうな顔をしてこっちを見ていた。


喜多山「よ、よぉどうしたんだ?猿投山。」


猿投山「…何か廊下の真ん中で悩んでたから。」


俺、悩んでたか…?俺がそう思ってなくても周りの人はそう思うのかと思った。


喜多山「あ〜猿投山はこれからどこに?」


猿投山「…2階の図書室で本借りて大広場で読むの。」


そう言えばここに来て猿投山と話すことってあまりないな。猿投山と過ごしてみるか…。


喜多山「良かったらなんだが…俺もご一緒させてもらってもいいかね?」


緊張していいかねとか言ってしまった。


猿投山「…いいよ。」


まさかのおっけー。俺は猿投山について行き、図書室に向かった。


喜多山「猿投山って本をよく読んでるけど、なんの本を読んだりしているんだ?」


猿投山「…医療についての本…ここには、そういった本が沢山、あるから。」


そう言えば猿投山は医療の勉強をしてたって言ってたな。


喜多山「猿投山は将来医者とかになりたいのか?」


俺がそう聞くと、猿投山はこっちを見て教えてくれた。


猿投山「…正確には医者、じゃなくて、看護師…かな。」


看護師か。猿投山がとちょっと意外に思ってしまった。


猿投山「…意外だって、思ったでしょ。」


バレてた。


喜多山「ま、まぁな。でも驚いたぜ?看護師になりたいなんですげーじゃん。」


猿投山「…何が…?」


喜多山「いやまぁ…すげーって言っても将来の夢って言うのか?自分の夢があるなんてすげーなーって意味で。」


猿投山「…そう。」


あれ?なんか不味いことでも言ったか?その後、猿投山と大広場で医療についての話等を聞いて過ごした。


猿投山「…結構楽しかった。」


喜多山「いやいや。こちらこそありがとな、猿投山。」


猿投山「…茶々…。」


猿投山が何やら恥ずかしいそうに下を向きながら言った。


喜多山「え?」


猿投山「…茶々って…呼んで。」


喜多山「い、いいのか?」


猿投山「…うん。」


まさかの名前で呼んでくださいお願いだと!?これは嬉しくなった。


喜多山「分かったよ。茶々。」


女の子を名前で呼ぶなんて中々無かったから緊張して声が裏返ってしまった。


猿投山「…じゃあ、部屋に、戻るね。」


そう言って猿投山は逃げるように大広場を出ていった。


喜多山「最後逃げなくても…。」


でも、猿投山の事を知れて良かったと思った。俺も部屋に戻ることにした。


喜多山「もう夜か…。早いな。」


俺が部屋でくつろいでいたらもう夜の7時だった。そして急にアナウンスがなった。


アナウンス「えー皆様、体育館にお集まりください。」


喜多山「…。」


教頭のこのパターンはまた動機についてだろう。行きたくないが、行かなかったら他の人が何されるか分からない、行くしかないな。


喜多山「行くか…。」


俺は体育館に向かった。体育館には大綱と八尺はいなかったが、田尻と護城が体育館にいた。


喜多山「ご、護城…!大丈夫か…?」


俺は護城の元によった。


護城「…あぁ。大丈夫だぜ。おっ…。」


大丈夫なはずがないと俺は思った。護城の隈は濃く、眠れなかったのだろうと。

他の人が田尻を心配する声が聞こえてくる。


梅涙「田尻さん大丈夫ですか?」


田尻「うん…。私は何ともないよ。大丈夫。」


田尻も眠れなかったのだろう。


教頭「おや?また大綱様と八尺様がいないのですか、まぁいいでしょう。今回の話であの二人は食いつかないと思いますし…。」


教頭が溜息をつき、こう言った。


教頭「では、今回の動機の話についてさせていただきます。今回の動機は殺人を犯し、リタイア出来た者に1億円をプレゼントしたいと思います。」


お金…?だと?


原坂「金で誰かが人を殺すと思うのかのぉ。」


教頭「分かりませんよ?お金に困ってる方などがいらっしゃるかもしれませんよ?」


和具間「あら?だとしても流石に人は殺さないと思うけどね。」


和具間の言う通り、金は命に変えられないとか何とか言うしな。今回は殺人が起こらないと少し安心した。


教頭「話はそれだけです。解散してもらって結構です。」


そう言って教頭は姿を消した。このまま解散だと言うので護城に話をしようと話しかけた。


喜多山「なぁ、護城。」


護城「なんだ…?おっ…。」


やっぱり護城は元気がないな。話すと言っても話すことがなかった。その時。


???「まだ元気が出せないの?だらしないね。」


後ろを見ると、京極がいた。


京極「私はもう立ち直れたって言うのに、あんたが立ち直れないってどういう事!?そんな姿駁夜に見せられないわ!みっともなくてだらしない!!」


京極がボロクソに護城を責めた。


京極「せめて…もう少し頑張りなさいよ。駁夜に顔向けできないでしょ…。」


京極は言いたいことだけ言って走って体育館を出ていった。


護城「確かにな…。俺がこんなんでどうするんだよ!おっおっ!」


護城は急に叫び出した。


護城「俺はもう下を向かないぞ!駁夜!!見ててくれよ!おっおっ!」


護城は上を向いて暁に向けて言った。


喜多山「もう、大丈夫か?


俺は護城を心配するように言った。」


護城「おう!余裕だぜ!部屋に戻るか!おっおっ!」


護城は体育館を出ようとしていた。


護城「もう…挫けねぇよ。心配かけてごめんな。おっおっ。」


小さな声で何かを言った後、護城は体育館を出ていった。

何を言ったかは俺には聞こえなかった。


喜多山「…俺も部屋に戻って寝るか…。」


俺は部屋に戻って寝ることにした。


ーーーー


10日目


朝か。昨日は護城も田尻も体育館の集まりに来てたし、朝もいるはずだ。


喜多山「よし、行くか。」


今日は何やら気分が良かった。


次のアナウンスがなるまでは。


アナウンス「北棟1階の食堂で死体が発見されました。」


喜多山「……え?」


最悪やタイミングだった。


喜多山「またか…?嘘だろ…?」


俺は信じることが出来ず、走って食堂に向かった。


食堂に入った俺の目のにはかつての仲間の死体があった。


その死体は昨日護城と一緒に立ち直ったと思われた岩手県代表の田尻桃美のものだった。


喜多山「うわぁぁぁ!!」


それから食堂にいなかった人達が来た。


梅涙「た、田尻さん…!!?」


和具間「また殺人が…起こってしまったと言うのね。」


教頭「まさか田尻さんが殺されるとは思いませんでしたね〜。」


教頭が出てきた。


教頭「もう3回目ですから、言わなくても、分かりますよね…。」


また裁判をするのか…!また誰かが死ぬあれを…!!


教頭「では、前回に引き続き、事件ファイル3をお渡しします…。」


ーーーー


4巻 [完]


Aグループ生存者


北海道


宮城❌


岩手❌


福島


栃木


埼玉


東京❌


新潟


富山


長野


静岡


三重❌


京都


奈良


広島


福岡


熊本


長崎❌


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47 喜多山吉良 @KITAYAMA_TOUYU

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