第3巻

3話




ーーーー


5日目


喜多山「…。」


俺は起きてすぐに食堂に向かった。


和具間「…喜多山、おはよう。」


皆元気がない、昨日はあんな事があったんだ。しょうがない。


暁「おっ。てか2階に行くためのシャッターが無くなったんの知ってるか?」


シャッターがなくなったって言うことは2階に行けるようになっているのか。


和具間「じゃあ今日は2階の探索としましょうか。2階も3つの棟に別れてると思うから前と同じメンバーで探索しましょうか…。」


北島「大綱がいないんだが。」


原坂「あんなやばいやつは置いて行こうのぉ!」


北島「まぁ、いいか。あんたの意見に賛成だ。」


そう言えば大綱の姿が見えない。だが、誰も気にはしなかった。それもそうだよな。


京極「じゃあリーダーの來速さんが居なくなっちゃったので私たちは4人で北棟を調べますね。」


そう言って各々2階へと向かった。


和具間「私達も行きましょうか。」


2階の西棟もかなり広いな。


和具間「えっと。またでかい扉があるわね。そこは私と花珠で見てくるわ。」


玉田「1階と同じであと他に部屋が4つあるんですね。」


護城「そのうちの2つはまた教室ってぽいぞ。おっおっ。」


玉田「では、今回は3人で調べていきますか。」


俺たちは3人で1番端の部屋から見ていくことにした。


玉田「ここは…。」


護城「なんかいっぱい機械があるぞ!おっおっ。」


玉田「ここは機械室ですね。学校施設が提供する水道・電気・冷暖房などの各種機能を維持するための装置が備え付けられた部屋ですね。」


護城「く、詳しいことは分からんぞ。おっおっ。」


玉田「つまりこの学校の水や電気とかはここのものを使っているんです。」


護城「なるほどな。特に調べれるものは無いから次行こうぜ!」


玉田「そうですね。部屋にいじると停電になったり色々大変なことになるので。」


そう言って、俺たちは機械室を出た。


喜多山「次はここか。更衣室って書いてあるな。」


玉田「更衣室ってことはこの隣はプールか何かでしょうか?」


中に入ると2つの部屋があり、女子更衣室と男子更衣室があった。


教頭「ちなみに男子は女子更衣室に入れなくてわ女子は男子更衣室に入れませんよ。更衣室に入る際は自分の携帯をそこの班定期にかざして下さい。」


護城「あれ!?教頭の声が聞こえたと思ったらいないぞ!おっおっ。」


玉田「うむ。女子更衣室を調べるには女子の方を連れてこないと行けませんね。2人は男子更衣室の方を調べてて下さい。2人を呼んできます。」


玉田は2人を呼びに更衣室を出ていった。


護城「よし!じゃあ俺たちは男子更衣室を調べようぜ!おっおっ。」


更衣室にはプールに続くドアがあった。


喜多山「やっぱここはプールなんだな。」


護城「新しい運動が出来そうだなあ〜。おっおっ。」


玉田「今女子の方達に更衣室の方を調べてもらっています。その間にあと2人の部屋を調べましょうか。」


あと2つの部屋はやっぱり教室だった。1の3、1の4と書かれていた。


喜多山「やっぱり、1階と同じなのか。」


玉田「女子の方達はもう調べ終わってるかもです。更衣室に戻りましょう。」


俺たちは更衣室の方に戻った。中には和具間と花珠がいた。


和具間「あら?どこに行ってたのかしら?こっちはもう調べ終わったわよ。」


玉田「すみません。他の部屋を調べてました。」


和具間「そう。女子更衣室は普通にただの更衣室だったわよ。」


護城「西棟はこれで終わりだなあ〜。早く食堂に戻ろうぜ。腹減ったぞ。おっおっ。」


西棟を調べた俺たちは食堂に戻り、他のみんなの帰りを待った。


喜多山「そう言えば、八尺はまたいないな。」


和具間「あぁ。言うの忘れてたけど彼女、面白いことがあった時だけ部屋から出るって言ってたわ。」


玉田「お、面白いことって…。」


そんな会話をしていると北、東棟を調べていた人たが戻ってきた。


北島「おっす。」


喜多山「おつかれ。」


和具間「全員揃ったわね。じゃあ報告会と行きましょうか。」


和具間の声で俺たちは調べた結果を言い合った。


梅涙「じゃあまず東棟から報告しますね。東棟にはかなり大きい図書室がありました。あと図書室の奥には書庫もありました。」


猿投山「…本、時間つぶし、ばんざーい。」


京極「後は図書室の目の前に放送室と会議室があったね。」


梅涙「放送室は開かなかったんだけど、会議室には丁度18人の椅子と机がありました。話し合いとかする時はここ使うのもありですね。」


いや食堂でよくね?


暁「おっ!確か東棟はそれだけだぞ!」


京極「…駁夜…。あんた何があったか覚えてないでしょ…。」


暁「おっ!そうだな!」


護城「…。」


北島「…。じゃあ次は北棟だな。北棟はひとつしか部屋…と言うか大広場?しか無かった。」


原坂「かなり広かったのぉ!」


田尻「あそこでパーティとか、いいかも。」


鬼龍院「貴方がしたいだけですの。」


田尻「うっさい。」


山谷「大広場が広くて走り回れるぐらい広かったですよ。」


和具間「じゃあ最後は西棟ね。西棟にはプール、更衣室、教室2つ、機械室があったわ。」


和具間が全ての部屋を言ってしまった。


和具間「今日はこれで解散にしましょ。」


北島「なんだが、凄いざっくりとした説明だな。」


和具間の一言でとりあえず今日は解散になった。そして、皆は探索に夢中で忘れていると思うが、結局大綱はどうなったのか。

それは明日になって分かった。


ーーーー


6日目


俺はいつも通り、食堂に向かった。


猿投山「…。ちょっといい?」


原坂「おっ。珍しく喋るのぉ!」


失礼だ。


猿投山「…。今日の朝、トラッシュルームに行ったんだけど…大綱くんが放置されてた。」


原坂「!?」


暁「!?」


護城「!?」


田尻「あんた達、なんでそんなに驚いてるの?」


原坂「わ、わしは知らんぞ!!大綱をトラッシュルームに閉じ込めたのはワシたちじゃないぞ!!」


暁「おっ。バカ!言うんじゃねぇよ!」


護城「そういうお前こそ…。あっ。」


なるほど。こいつらか。


護城「だ、だってあんなヤバいやつ放っておいたらやばいだろ!絶対人殺すぞ…。おっおっ…。」


和具間「…。まぁ、一昨日のを見たらそう思うわよね。」


暁「おっ!でも、飯はちゃんとやってるし…。」


猿投山「…。それならトラッシュルームに入れないで自分の部屋に入れて…!」


猿投山は少し怒っているようだ。


護城「す、すまん!おっおっ!」


3人は急いでトラッシュルームに向かった。


和具間「まぁ、放っておいて、朝はこれで解散にして自由時間にしましょ。」


俺たちは解散した。


喜多山「さて、これから自由時間、どうするか。」


とりあえずプール、図書室、大広場に行くか。


喜多山「誰かいるかもしれないしな。」


俺は部屋を出た。プールには誰もいなかったので、図書室に行くことにした。


猿投山「…。」


図書室には猿投山が居た。猿投山は何かの本を真剣に読んでいた。

邪魔すると悪いと思い、俺は図書室を出て、大広場に行くことにした。


北島「…喜多山か。」


大広場には北島がいた。


喜多山「おっす。何してんだ?」


北島「…。ただ座っているだけだ。自分の部屋にいたらなんだが、落ち着かなくてな。」


喜多山「そうか。」


何だが、話すことがないな…。と、思っていたら北島は話し始めた。


北島「喜多山は羽山が來速を殺してことについてどう思う?」


喜多山「どう思うって…言われてもなぁ。」


北島の体は震えていた。


北島「何かな。俺は、誰かがまた、人を殺すと思うんだ。」


喜多山「え?」


北島「部屋にいたらな。不安に思うんだよ。いつか、誰かが俺を殺しにくるんじゃないかって。」


北島がらしくないことを言った。


北島「しかも殺し合いは羽山が來速を殺した瞬間に始まった。1度あれば絶対にまた起こる…。」


喜多山「それで、怖いと…?」


北島「…。いや、何でもない、悪いな。変な話して、俺は部屋に戻る。」


北島は俺に謝って大広場を出ていった。


喜多山「…そろそろ夜か。俺も部屋に戻るか。」


俺も部屋に戻り、早めの眠りについた。


ーーーー


7日目


喜多山「よし。食堂に行くか。」


俺が食堂に着くと、食堂には教頭がいた。


教頭「おはようございます。皆様。」


和具間「目覚めの悪い朝だわ…。」


猿投山「…最悪…。」


教頭「おやおや。かなり嫌われていますね…。それはさておき皆様、お話ししたいことがあるので、この後、すぐに体育館に集合して下さい。後、大綱様と八尺様も連れてくるように。では。」


暁「おっ。また言いたいことだけ言って消えやがった…。」


和具間「集合…しょうがないわ。行きましょう。原坂たちは大綱を連れてきて、私は八尺さんを連れていくわ。後のみんなは先に行ってて。」


護城「えぇ。おっおっ…。」


和具間の後に護城、暁、原坂が渋々ついて行った。


喜多山「また何か言われるんかな。」


山谷「また動機の話とかでしょうか…。」


梅涙「ワンチャン。そうかも。」


和具間達が八尺と大綱を連れてきた。


原坂「大綱。静かにしてるんじゃのぉ。」


暁「おっ。痛い目にあいたくなかったら大人しくしてろよ!」


大綱「やだなぁ。俺結構落ち着いてるのに〜。」


八尺「面白い事があるって本当なんじゃな!?嘘だったら許さないぞよ!」


和具間「嘘だったら大綱殴っていいわよ。」


八尺「分かった!」


大綱は苦笑いをしていた。


教頭「では、皆様お揃いですね。では、お話の方をさせていただきます。お話と言ってもまた動機についての話をさせてもらうだけです。っとその前に皆様には、大切な家族や友人などが居ますよね?きっと心配してるはずですよね?」


教頭は何やら笑いながら言っている。


教頭「それで今回、このビデオを用意させてもらいました!」


教頭は16個のビデオを取りだした。


教頭「このビデオには、皆様を大切に思っている方へのメッセージが入っています!これを各々渡すので、自分の個室などでご確認ください!では、話は以上です。解散して構いません。」


八尺「私を大切だと思ってくれる人なんておらんぞ〜?まぁ、これはこれで面白そうじゃな。」


北島「…。」


俺は自分の部屋に戻って、ビデオを見た。


友人1(えっーとコレ見て話せばいいのかな?おーい喜多山見えてるか〜?)


これは、俺の中学の頃の友達だ。


友人2(そっちの生活はどうだ?)


友人3(驚いたぜ!お前が新潟代表で選ばれた時はよ!)


友人1(立派に成長して戻ってこいよ〜。)


友人3(みんな、お前の帰り待ってるからな〜。)


喜多山「…。みんな、待ってくれてるのか…。」


ここで誰かを殺して、リタイアすれば、皆に会えるのかな。


喜多山「行けね行けね。そんなこと思っちゃダメだ…。」


俺は自分のほっぺを叩いた。まだ夜まで時間があるので誰かと過ごしに部屋を出た。


喜多山「…。どこに行くか。」


部屋を出たはいいが、どうするか。俺が困っていたら後ろから話しかけられた。


田尻「よっ。」


喜多山「田尻か。どうした?」


田尻「何か暇そうだから〜。しょうがなく私が話しかけてあげたんだ〜。」


喜多山「俺ってそんなに暇そうに見えるか?)


田尻「見えるよ。」


見えるんか…。


喜多山「そ、そうか。」


田尻「まぁそんなことは放っておいて、暇ならさ、この後原坂や他に何人か呼んでプールで遊ぶんだけど来ない?」


喜多山「あぁ〜。いいな。あれ、でも水着は?」


まさか下着で…!?


田尻「更衣室のロッカーに自分の名前があって、そこに入ってるよ。」


喜多山「そうなんか…。」


てか更衣室にも自分の水着入ってんのか。


田尻「じゃあ一緒にいこーよ。」


喜多山「おう。」


俺は田尻に一緒にプールに向かった。


田尻「んじゃ、着替えたプールの方でてね〜。」


田尻と一旦別れ着替えてプールに出ると原坂、梅涙、山谷、花珠がいた。


原坂「ぬっ!喜多山!お主も来たかのぉ!助かったぞ!男1人でいるとこじゃった!」


こいつ凄い身体だな。


梅涙「人数は多い方が楽しいしね!」


田尻「おまたせ〜。」


田尻が着替え、更衣室から出てきた。何か、来てよかった。

他にも梅涙や花珠も中々…。あれ、俺こんなキャラだっけ。


原坂「さて!泳ぐかのぉ!」


俺は自分のキャラを思い出し、原坂の後に続いた。俺たちはプールで遊びまくった。


花珠「ふぅ…。楽しかったです。」


田尻「こんな所でこんな環境だけど、楽しかった〜。」


俺たちは着替え、更衣室の外にいた。


原坂「うむ!そろそろ部屋に戻るかのぉ!」


喜多山「そうだな。」


俺たちは部屋に戻った。


喜多山「はしゃぎ過ぎたな…。もも痛てぇ…。」


これは明日筋肉痛だな。でも、悪くない…な。俺は明日筋肉痛になることを恐れず眠りについた。


ーーーー


8日目


喜多山「痛てぇ。」


やっぱり筋肉痛だった。痛みながら俺は食堂に向かった。


食堂で朝食を食べていると、田尻が皆にあることを言い出した。


田尻「ねぇ!今日の夜、2階の大広場でパーティしない?」


和具間「パーティ…?」


田尻「うん!私一昨日からずっと考えてたんだよ…。どうしたら誰も死なないで済むのか。」


それでパーティをしようって事?


田尻「私はもう誰も死なないで欲しい。だから、パーティでみんなで仲良くなれば良いんだよ!そうすれば…。」


和具間「だいたい言いたいことは分かるわ。みんなはどう?やりたい?」


山谷「私は賛成ですよ。普通に楽しそうなので…。」


暁「おっ!俺ももっとみんなと仲良くしたいぞ〜。」


和具間「決まりね。じゃあ田尻さん。」


田尻「良かった…。じゃあ今日の夕方!2階の大広場に来てください!原坂と千花と奏弥はこのあと残る!はい!解散!」


田尻は強引に解散させた。


喜多山「夕方まで暇だな…。どうするかな。」


護城「喜多山暇なんか?おっおっ。」


喜多山「あぁ。」


護城「これから駁夜と体育館に行くんだがどうだ?おっおっ。」


喜多山「邪魔じゃなかったら行きたいな。」


護城「よし、行こうぜ。おっおっ。」


俺は護城に誘われ、体育館に向かった。


暁「おっ。喜多山も来たんか。」


喜多山「よっ。暁、何するんだ?」


護城「単に暇だからここで話そうぜ〜。みたいな感じだな。おっおっ。」


喜多山「そ、そうなのか。」


暁「おっ。そうだぞ〜。いやぁ。今頃アイツらは何してんだろうな。」


喜多山「アイツら?」


暁「おっ?気になるか?俺と華紅夜と千尋の方にな、鷟と巫女乃って言う奴らがいるんだけどな。」


護城「おい。その話はやめた方がいいぜ。おっおっ。」


暁「おっ。そうか。悪ぃな。やっぱり今のなしで!」


き、気になるな。詮索はしないでおくか…。その後、俺たちは体育館でたわいの無い話を続けて時間を潰していた。

携帯から連絡が来ていた。


田尻(準備出来たから大広場に来て!)


準備が出来たらしいな。


喜多山「準備できたってよ。行こうぜ。」


暁「おっ!楽しみだな!」


俺たちは大広場に向かった。


田尻「おっ。喜多山達も来たね!じゃあ始めようか!」


大広場には八尺以外は集まっていた。大綱もいるのか。


田尻「えっと!皆さん!今日は集まってくれてありがとう!料理とか沢山あるから食べながらみんなとお話してね!」


田尻の一言でパーティが始まった。


原坂「やるかのぉ!」


暁「おっ!いいぞ!」


原坂と暁がなにかするようだ。


喜多山「あの二人は何するんだ…?」


護城「相撲…。」


喜多山「体格差が…。」


絶対暁が怪我するな。あれ。2人は相撲を始め、勝負は一瞬で決まった。


原坂「ワシの…勝ちのぉ。」


暁「おっ…。つえぇ。」


暁は吹き飛ばされ、気絶してしまった。


原坂「いかんいかん。やりすぎたのぉ!がっはっはっはっ!」


和具間「もう。しょうが無いわね。暁を保健室に連れていくから誰か手伝って!」


山谷「あ、お皿もついでに持っていっちゃうね。」


保健室には大綱、北島、原坂、護城、山谷、梅涙、京極、鬼龍院、和具間が行った。


田尻「もう〜。なにしてんのよ〜。」


暁を保健室に連れていき、30分ぐらいが経ったその時。


アナウンス「西棟、プールで死体が発見されました。」


喜多山「死体…!?」


田尻「う、うそ…。何で…。」


喜多山「と、とりあえずプールに行かないと…!」


俺は急いでプールに向かった。


一体、誰が死んだのか、何故、また殺し合いが起こったのかは分からない。

とりあえず目の前の真実に目を向けなければならないのに。


プールに浮かんでいたのは、さっき原坂と相撲をとって気絶して保健室に連れていかれた…暁 駁夜の死体だった…。


護城「駁夜…!!」


京極「…え…。」


教頭「ついに怒っちゃいましたね。第2の殺人が…!では、また一定の時間が経った後にアナウンスを掛けます!では捜査を始めてください。」


また、やらないといけないのか…。


ーーーー


捜査


教頭「では、前回お馴染み、事件ファイル2を配布します。どうぞ。」


教頭は事件ファイルだけを渡し、消えた。


喜多山「やらないと俺たちが殺されるんだ。また覚悟決めねぇとな…。」


事件ファイル2(被害者 三重県代表 暁 駁夜 身長170cm 体重55kg 死因 溺死 死亡時刻 夜8時)


喜多山「余り役に立つ情報は書いてないな…。」


死体を調べたいが、暁の死体はプールの中、どうするか。


原坂「…死体を調べたいのか?ワシが連れてくるのぉ。暁が殺されたのが、ワシが気絶させたのも原因かもしれん…しなぉ…。」


そう言って、原坂は暁の死体をこっちまで持ってきてくれた。


原坂「…。後は頼んだぞぉ…。」


そう言って原坂はプールから出ていった。


喜多山「よし、調べるか。」


身体に傷はないし、気絶中に連れてこられて殺されたんだな。


喜多山「気絶中ならどうやってここまで連れてきたんだ?」


八尺「また、前みたいに共犯者が出たかもしれんな。」


八尺が急に現れた。


喜多山「びっくりした。」


八尺「その割には余り驚いてないの。」


喜多山「そんなことより共犯者って?」


八尺「共犯者がいれば、ここまで暁を連れてくるのも簡単じゃよ。」


八尺が言うには共犯者がいれば簡単と言うが、どういう事かはまだ分からなかった。


八尺「ここはうちが調べからお前さんはアリバイでも聞いてこい!」


喜多山「は、はい。」


アリバイ…と言うか。下に行ったメンツに色々聞いてみるか。大広場にいた人間は容疑者から外してもいいかもな。


喜多山「下に行った人達は大綱、北島、原坂、護城、山谷、梅涙、京極、鬼龍院、和具間の9人か。よし、行くか。」


プールに護城と京極がいる。聞いてみるか。


護城「…。」


喜多山「な、なぁ2人とも。」


護城「…。」


京極「私が話は聞くわ。どうしたの?」


喜多山「下に行った時って何か異変とかあったか?」


京極「あったよ。保健室についた瞬間、停電になったんだよ…。暗くてそっから30分ぐらいで電気ついたんだけど、その時には駁夜がいなくて…。そして皆で色んなところを探してたらプールで…。」


殺されていたって訳か。


八尺「その話、君たちがもっと早く暁を見つければ助けられたかもしれんぞ。」


京極「ど、どういうこと…?」


八尺「人間はな、平均で1〜2分で心肺停止して、そっから15分から30分で心臓が止まって死に至るんだ。」


京極「…え?」


八尺「心肺停止してる状態でも水から出して人工呼吸でもなんかすれば助けられたかもって言っているんだ。君たちは停電で電気が戻った後、焦るべきなんだ。」


京極「……。そんなこと…。ずっと部屋に引きこもってるあんたなんかに言われたくないよ!!」


京極は涙目でプールから出ていった。


喜多山「…今のはちょっと言い過ぎだぞ。」


八尺「…本当の話なんだからしょうがないだろう。ウチは引き続きここを調べる。早く出ていけ。」


少し怒ってんなこいつ。


喜多山「悪い。」


俺はすぐに部屋を出た。


喜多山「京極が言うには電気が停電したんだよな。なら関係あるのは…機械室だな。」


機械室はプールを出たすぐそこにある。


喜多山「行くか。」


俺は機械室の中に入った。中には和具間、鬼龍院がいた。


和具間「あら?あなたも停電のことを調べに来たの?」


喜多山「京極に話を聞いてな。何かわかるかなって。」


鬼龍院「そちらも停電では無かったんですか?」


喜多山「普通に電気がついてたぞ。」


和具間「…調べがいいがあるわね。機械室。」


そっから俺たち3人は機械室を調べた。


鬼龍院「どうやらここの機械、停電させる階とかを決められるそうですよ。」


和具間「…あなた、意外に説明が下手なのね。」


鬼龍院「うるさいですわ。」


鬼龍院はここから1階だけを停電にしたと言いたいのか。確かに説明が下手だな。


和具間「1つ、いい?喜多山。」


喜多山「なんだ?」


和具間「犯人は、保健室の中にいた人たちの誰かだと思うの。」


喜多山「ど、どういう事だ?」


和具間「停電が起こった時、暗くて誰も動けない中、ドアが開いた音がしたのよ。」


喜多山「保健室にいた人は?」


和具間「私と北島、原坂、護城、梅涙、京極、鬼龍院の7人よ。」


喜多山「あれ?大綱と山谷は?」


和具間「2人はお皿を片付けに食堂にいたわ。」


喜多山「じゃあ今の7人の中に犯人が…。」


和具間「ちょっと。私は犯人じゃないわよ。犯人だったらわざわざあんたに言わないわよ。」


喜多山「確かに。」


よし機械室はこれでいいかな。次は…保健室に行くか。


梅涙「あ、喜多山さん。」


喜多山「よっ。梅涙、聞きたいことがあるんだがいいか?」


梅涙「ど、どうぞ。」


喜多山「和具間に聞いたんだが、停電してる時にドアの音がなったんだろ?そんときの保健室の様子を教えてくれないか?」


梅涙「様子…と言われましても…。あ、でも誰が部屋のどこにいたかは覚えてますよ。私、丁度空いてるベッドで座って皆さんを見ていたので!」


何でベッドで座って見てんだよ。


喜多山「ま、まぁそれでもいい。教えてくれ。」


梅涙「はい。まずはベッドの近くは暁さん、和具間さん、原坂さん、護城さん、京極さんがいました。そして、北島さんは扉の近くにいましたね。様子を見に来ただけなので扉で待ってんでしょうかね。」


北島が扉の近くに…か。


喜多山「…。わかった。ありがとな。」


梅涙「はい!」


よし、次は…大広場は多分関係ないから…食堂にでも行ってみるか。今までの話で山谷がいるはずだ。


大綱「あれ?喜多山じゃないか。話すの久しぶりだな。」


何でこいつがいるんだ。山谷はいないのか?


喜多山「そうだな。それより、山谷はいないのか?」


大綱「山谷か?山谷なら、さっきどっかに行ったが。どこに行ったか知らんなぁ。」


喜多山「そうか。ありがとな。じゃあ行くわ。」


大綱「おっと。一つだけ、いいこと教えてやるよ。今回の事件、前回にあったことが今回の事件でもあるから。よく考えてみろ。」


喜多山「あ、あぁ。」


前回…。羽山の事件であった事が今回の事件でも…。なんだ…?

食堂から出た瞬間、携帯から連絡がきた。


八尺「分からないことがある。プールに来てくれ。」


喜多山「分からないことか。」


俺は急いでプールに行った。


八尺「来たか。」


喜多山「なんだ?分からないことって。」


八尺「機械室は調べたんじゃろ?階の停電は時間設定とか出来るか?」


和具間「出来るわよ。さっき私と鬼龍院で調べたわ。」


俺の来た意味ないな。てか和具間と鬼龍院、いつの間に。


八尺「通りでか。」


和具間「どういうことですの?」


八尺「停電したタイミング、そして電気がついたタイミングで全員が同じ位置にいるらしいからな。」


和具間「つまり、予め時間を設定して、後は時間が過ぎるを待っていたのね?」


鬼龍院「あの機会は予めなんて無理ですわよ。電気をつけるのは設定で出来ますけど、停電させるのは手動じゃないと出来ません。書いてありましたよ?ちゃんと見てなかったんですか?」


和具間「う、うるさいわね。」


鬼龍院、めっちゃ喋るな。人を煽る時だけ。


八尺「…やっぱり共犯者がいないとこの犯行は成り立たないな…。」


喜多山「え?なんか言ったか?」


八尺「こっちの話だ。なんでもない。」


八尺が知らんと言うと、アナウンスがなった。


アナウンス「えー。皆様、お時間となりました。捜査をやめ、西棟1階の教官室前までお集まり下さいませ。裁判を開始したいと思います。」


喜多山「もう時間か…。」


和具間「行くわよ。」


俺たちは教官室に向かった。


梅涙「山谷さん。どこにいたんですか?食堂にいなかったので探しましたよ。」


山谷「ちょ、ちょっとね…。」


教頭「え〜。皆様。お集まりですね。ではこれから裁判場へと移動致します。では教官室の中はエレベーターになっております。足元にご注意ください。」


俺たちはエレベーターにのった。


また、起こってしまった殺し合い。怖いが、やるしかない。やらないと、自分が死ぬんだから。俺は腹を括り覚悟を決めた。


喜多山「暁を殺した犯人を突き止めてみせる…。」


ーーーー


裁判


喜多山(よし、とりあえず今わかっていることで整理してみるか。まず事件前、暁が気絶して、保健室に連れていくメンバー大綱、北島、原坂、護城、山谷、梅涙、和具間、鬼龍院、京極の8人。京極が保健室で暁を見ている時に停電し、30分ぐらいが電気がつかない状態だった。そして、和具間は停電中に誰かが保健室を出る音がしたと言って、犯人は保健室にいた7人、大綱と山谷以外の誰かが犯人だと予想している。そして機械室、ここから停電にすることが出来て、そこから時間設定でまた電気を付けることが出来るらしい。こんな所か。あまり情報がないから、八尺と和具間に頼ることになるかもな。)


教頭「えー。まずは簡単にこの裁判でのルール的なものを説明しておきます。今回、皆様には暁様を殺した犯人を探してもらいます。そして決まったら犯人投票を行い、その犯人投票で選ばれた人が犯人なら、皆様は生き残ることができ、出来なければ、分かりますね?そして、バレた犯人はきついお仕置き、つまり処刑が待っています。処刑内容は至ってシンプルです。今、私の手元に8枚のカードがあります。これを引いてもらい、そのカードに書かれた内容が処刑内容となります。ちなみに生き残ることが出来るカードもあるかもですよ…?っとこんな感じです。では、裁判を始めてください。」


護城「…。」


大綱「どうしたんだ?護城、俺の方を見て。」


護城「お前が殺したんじゃないのか?」


大綱「何を言ってか分からないな。」


護城「お前が駁夜を殺したんじゃないかって聞いてんだよ!!」


大綱「俺が嫌いな気持ちは分かるよ。でもな〜。俺には、アリバイがあるんだ。な?山谷?」


山谷「…は、はい…。」


山谷は下を向きながら答えた。


護城「…。」


和具間「私からひとついいかしら?」


八尺「なんだ?」


和具間「今回の犯人は、北島、原坂、護城、梅涙、京極、鬼龍院の7人の誰かよ!」


梅涙「ど、どうしてですか!?」


和具間「あなただって聞こえたでしょ?停電の中、誰かがドアを開けた音が!」


梅涙「聞こえましたよ…。」


八尺「…停電中にそりゃあ、ドアの音がなれば犯人がいると思いたくなるじゃろ?しかしな。それは1人じゃ無理なんじゃ。まずは停電させる、まずこの時点でもう犯行は不可能。じゃがな、あの方法を使えば、楽でかつ、停電の後に行動できる方法が…。」


田尻「…予め、機械室で何時に停電するか設定していたのかしら…。」


花珠「まず保健室にいた人が犯人じゃないんでしょうか…。」


大綱「前回もあったものだね。」


玉田「また共犯者でもいたのでしょうか。」


喜多山「それに賛成だ。」


そうか。共犯者か…!だから大綱はあんなことを…。


喜多山「そうだな。共犯者がいれば、機械室で停電させて、その間、保健室で犯人は暁を連れて…。」


俺が話してる時に反論の声が聞こえた。


田尻「その考え、少し甘いんじゃない?」


喜多山「きゅ、急になんだよ。」


田尻「その考え方には問題があるよ。まず共犯者が居ることがおかしいの。」


喜多山「おかしいって何がだ?」


田尻「共犯者がいれば、楽かもしれない。でもね。無理なんだよ。」


喜多山「何が無理なんだ?」


田尻「まずは大広場にいたメンバー。ここにいた人はアナウンスまでずっと居たから共犯者でも犯人でもないわ。」


喜多山「そうだな。」


田尻「そして、保健室組、さっき和具間さんが言った通り、ここに犯人がいて間違いないわね。」


喜多山「それがどうしたんだ?」


田尻「そして残ってるのは食堂組、ここは2人でいたから共犯者でも考えられないわ。誰も1人で行動してないんだから。共犯者なんて無理じゃないの!?」


喜多山「その発言と考え…変えさせてもらう!」


田尻「え…?」


喜多山「確かに田尻が言ってることは正しい。だがな、共犯者の可能性、1人だけいるんだよ…。」


大綱「…。」


田尻「だ、誰の事…!?」


裁判前、俺に意味深なことを言ってたあいつ。あいつしかいない!!


喜多山「そうだよな?大綱。」


田尻「お、大綱が共犯者!?」


原坂「前回のこともあって疑いたい気持ちは分かるんじゃのぉ、でもそれは流石に山谷と一緒におったんやし…。」


喜多山「もし、その山谷も共犯者だとしたら?それか、大綱に脅されていたら…。」


山谷「…!!」


大綱「…。さっきから聞いてたら酷い言われようだな。俺が共犯者?どう考えてもそれは無いぜ〜。」


喜多山「なら、何で捜査中、あんな意味深なことを俺に言ったんだ?」


大綱(おっと。一つだけ、いいこと教えてやるよ。今回の事件、前回にあったことが今回の事件でもあるから。よく考えてみろ。)


大綱「…。」


喜多山「さっきから山谷は黙りっぱなしだし、捜査中、1度も見かけなかった。お前、どこにいたんだ?」


山谷「そ、それは…。」


猿投山「…言えないって…ことは…。」


鬼龍院「まさか本当に…?」


大綱「さすがだね。皆は…。」


大綱が深呼吸をして、言葉を言った。


大綱「やっぱりすげぇよ!!!やっぱりバレちったか!!そうだぜ?俺が共犯者!脅す相手が山谷で良かったぜ!犯人からな、相談されたから俺頑張ったわけよ!機械室で停電にしたのは俺!あれ?ていうか、あまり手伝ってねぇな!アッハッハッハッハッ!!」


原坂「や、やはり狂っておるのぉ…。」


護城「だからこんなやつ、閉じ込めた方が良かったんだ…!」


大綱「んで?共犯者が俺だとわかってどうするの?この後は?犯人は?だっれっかなー?」


梅涙「…犯人なら、目星は付いています…!!」


ーーーー


3巻 [完]


Aグループ生存者


北海道


宮城


岩手


福島


栃木


埼玉


東京❌


新潟


富山


長野


静岡


三重❌


京都


奈良


広島


福岡


熊本


長崎❌


15/18


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る