第2巻
2巻
俺は、生まれて初めて人の死体を見た。
喜多山「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
田尻「きゃぁぁぁぁ!!」
北島「…。」
梅涙「うっ…。」
驚いてる中、アナウンスがなった。
アナウンス「東棟1階、來速雷々の部屋で死体が発見されました。」
なんだ…。今のアナウンスは…。
教頭「皆様、おはようございます。ついに殺人が起こってしまいましたね…。」
暁「おっ…。殺人って…お前が殺したんじゃないのか!?」
暁がキレて教頭に問出した。
教頭「滅相もございません。私は皆様に手出ししませんよ。では、この場でこの後の説明を致します。」
このあとの説明…?
教頭「殺人を犯した犯人はリタイアになるのですが、ただでリタイアはさせません。皆様には一定の時間内で捜査をしてもらい、犯人を探してもらいます。そして、犯人を探すための裁判をしてもらい、犯人を見つけることが出来なかったら犯人はリタイアで生きてここから出ることが出来ます。見つけられた犯人には、きつーいお仕置が待っています。ちなみに犯人を見つけられなかったら犯人以外の皆様は死亡となります。」
大綱「ちなみにそのお仕置とは?」
教頭「簡単に言ったら処刑…ですね。では、これから捜査する時間としますので、皆様、犯人探し、頑張ってください。」
そう言って教頭は消えた。
和具間「なによ…!犯人探しって…。」
皆は落ち着かない状態だった。
大綱「みんな!!落ち着いてくれ!俺たちにはやらなきゃいけない事がある!犯人探しだ!來速を殺した犯人を探して仇を打とうぜ!」
大綱がみんなに声をかけた…。だが、何だかいつもの大綱では無い気がした。何故か気味が悪い…。
そして、俺たちは犯人探しの捜査を開始した…。
ーーーー
捜査
教頭「もっと1つ渡したい物があるんでした。」
喜多山「まだ何か用があるのか?」
教頭「皆様は初心者なので、私が推理に役立つものをプレゼントします。」
教頭が何やらファイルを渡してきた。
教頭「それは…。仮に事件ファイル1とでも呼びましょうか。それには殺害された來速くんについての情報が乗っています。それを使って有利に捜査してください。では。」
そう言って教頭は消えていった。
喜多山「…怪しいが、目は通してみるか。」
事件ファイル1(被害者 東京都代表來速雷々 身長173cm 体重61kg 死亡時刻 夜9時頃 死因 包丁による頭部の刺傷)
喜多山「死んだ時間と死因とかも教えてくれるのか。てか、本当に合ってるのかこれ…。」
大綱「その情報は合ってると思うぞ。監視カメラがあるだろ?教頭なら、どこが何があったか丸わかりだからな。」
喜多山「なるほど。でもこれから何処を調べればいいんだ…?」
大綱「うーん…。やっぱまずはこの部屋からだな。そしたらみんなのアリバイを聞くのもありだな。」
喜多山「アリバイ?」
大綱「例えば、來速が死んだのは夜の9時頃だから他のみんなにこの時間帯は何してた?みたいな感じで聞けばいいんだ。」
喜多山「なるほど…。」
大綱「じゃ、頑張れよ。俺は他に調べるところがあるからよ。」
そう言って大綱は部屋から出ていった。今この部屋にいるのは北島、玉田、梅涙、猿投山、鬼龍院、和具間の6人、まずこの人達から話を聞いてみるか。
喜多山「なぁ玉田と北島。」
玉田「どうしたしたか?喜多山くん。」
北島「?」
喜多山「2人って昨日の9時頃何をしていた?」
玉田「私はですね…。確か鬼龍院さんと花珠さんと3人で保健室にいましたよ。動機の話もあって3人で話し合っていたんです。」
北島「俺はそんときもう寝てたな。」
喜多山「…そっか。ありがとう。」
俺は次に梅涙と和具間に聞いてみた。
喜多山「なぁ、梅涙、和具間。」
梅涙「はい?」
和具間「どうしたの?」
喜多山「2人は昨日の9時頃何してた?」
梅涙「私は食堂にいましたね。動機の事で自分の部屋に居れなくて…。後は田尻さん、原坂さん、和具間さんが居ましたね。」
和具間「梅涙さんが言った通り、私も食堂にいたわ。」
喜多山「次は…鬼龍院は聞かなくてもいいか。だとしたら猿投山にだな。」
猿投山「?」
猿投山は來速の死体をずっと見つめていた。
喜多山「猿投山?何しているんだ?」
猿投山「…。包丁が刺さってからどんくらいで死んだか考えてる。」
喜多山「へ、へぇ、な、何かわかった?」
猿投山「…來速は刺されて即死…みたい。」
喜多山「そりゃあ頭に刺さったんだから即死だろ?」
猿投山「…刺さってもすぐ死ぬってことは無い。でも言うて1分から2分とかだけど、まだ生きてることがあるの。多分包丁は凄い勢いで刺さったんだと思う。」
何か…すごい喋るな。
喜多山「く、詳しいね。」
猿投山「…私医療の勉強してたから少しだけ検死が出来るの…。」
喜多山「それは凄いな…。覚えておくよ。それと猿投山は昨日の9時頃に何してた?」
猿投山「私…?私は…自分の部屋にいたよ…。」
喜多山「そっか。色々とありがとな。」
猿投山「…うん。私はもう少し死体を調べてみるよ…。」
死体を調べるって結構やばい言い方だけど、助かるな。猿投山にお礼を言って來速の部屋を出た。
喜多山「さて…。次はどこに行くか…。」
そう言えば凶器は包丁だったな。
喜多山「食堂に行ってみるか。」
食堂にも何か手がかりがあるかもしれないと思い、食堂に向かった。
田尻「…あれ。喜多山…。」
食堂には田尻がおり、他には原坂、暁、護城、京極がいた。
取り敢えず、アリバイがあるかを暁、護城、京極に聞いてみた。
暁「おっ?俺たち3人は体育館に居たぞ。喜多山も誘おうとしたんだが、昨日部屋にいなかったんだよな。」
護城「そうそう。おっおっ。」
喜多山「それは悪いことをしたな。」
昨日誰か部屋にきたっけ…。深く考えないようにした。
3人にアリバイを聞き、田尻に包丁のことについて聞いてみた。
田尻「あの包丁は間違いなく調理場にあったものだよ。さっき原坂と一緒に確認したんだよ…。そしたらさ、包丁が1個無くなってたの…。」
原坂「犯人はワシたちがいない間に包丁を持ち出しんかのぉ。」
喜多山「どういう事だ?」
原坂「昨日の昼からワシたちはほとんどの時間食堂におったんじゃ、途中で食堂に誰かが来たって事はあったんじゃが、調理場にまでは入ってないのでな。」
犯人は2人がいない間に包丁を持ち出したのか…。
田尻と原坂に話を聞いていると昨日学園長から貰った携帯から連絡が来た。
そう言えば連絡できる機能とかも付いてるんだっけ。
喜多山「便利だな…。」
連絡の送り主は大綱だった。
大綱(今から來速の部屋に来れるか?面白い事があって、面白い人がいるぞ。)
喜多山(分かった。今すぐいく。)
面白い事に面白い人?大綱に呼ばれ、來速の部屋に向かった。
???「貴様が喜多山だな?」
急に話しかけられた。聞き覚えのない声だ。
???「ウチが誰か分からなそうじゃな。それもそうか。あっはっはっ〜。」
喜多山「お、大綱。この子誰だ?」
來速の部屋には見知らぬ女の子がいた。
八尺「おっと!自己紹介が送れたな!ウチは長野県代表…!八尺椿(やしゃく つばき)よ!!」
喜多山「お、おう…。」
八尺「反応が薄いな。結構元気に言ったがこれは無意味か…。」
大綱「…と、言うわけだ。八尺は殺人が起こって部屋から出てきたらしい。」
喜多山「なんで急に?」
八尺「それはな…。殺人事件が起こって、それをうち達で犯人を探すみたいなこと言われてワクワクしたんだよ!!」
あー。なるほどこいつもあっち系ね…。
八尺「それでな!この部屋を調べて分かったことがあるんだよ!」
喜多山「分かったこと?」
八尺「そう!まずは包丁の取手の部分を見てみて!」
八尺に言われたまま包丁の取手の部分を見た。
喜多山「…これは、糸…?」
八尺「そう!この糸の先は…まさかのドアノブだよ!」
喜多山「ど、ドアノブ!?」
八尺「そう!ドアノブと糸は繋がっていた…。しかもこの仕掛けってドアを思いっきり開けないと作動しない様に造られているんだよ。」
喜多山「何か凄いな。」
大綱「こんな作り方をしたってことは犯人はかなり來速の知る人だぜ…?」
喜多山「え…?」
大綱「俺が今言えるのはこれだけだ…。」
そう言って大綱は部屋を出ていった。
八尺「変なやつじゃな〜。」
お前も変なやつだよ。
八尺「もって糸がどんな物なのかが分かればもっと細かいことまで分かるんじゃが〜。その糸がどこにあるのかちぃ〜っとも分からんのじゃ…。」
喜多山「…糸か…。倉庫にならあるかもな。」
倉庫には色んなものが揃っている。
八尺「ん!?まさか取ってきてくれるのか!?」
別にそのまでは言ってないが、詳しいことがわかるならしょうがない。
喜多山「あぁ、今取ってきてやる。ちょっと待ってな。」
八尺「よろ!」
俺は急いで倉庫に向かった。
喜多山「糸…。ん?」
俺があった。種類は一種類しかない。
喜多山「取り敢えずこれを持っていくか。」
糸を持ってすぐに部屋に戻った。
八尺「…これはクリアチューブじゃな。」
喜多山「クリアチューブ?」
八尺「糸の中で頑丈でしかも透明でいい糸じゃ。間違いなくこれと同じものを使われとる。」
喜多山「なるほど…。」
八尺「しばらくウチは調べる。お主は他の場所を調べるが良い。また連絡するのでな。」
喜多山「おう。頼んだ。」
ここは八尺に任せ、俺は部屋を出た。
喜多山「取り敢えず、アリバイを聞いておくか。」
後アリバイを聞いてないのは…山谷、羽山、そして大綱だ。
喜多山「大綱は何時でもいいとして、あと2人だな。」
丁度2人を探している時、山谷が廊下にいたのを見かけた。
喜多山「よぉ、山谷。」
山谷「き、喜多山くん…。ど、どうしたの?」
喜多山「いや、大したようじゃないんだが、昨日の9時頃って何してた?」
山谷「何してたっていうか…。自分の部屋にいたけど…。あ、そうだ。昨日の9時頃って言ったらね。昨日ね、隣からドアがドン!って開いた音と、誰かが喧嘩してる声が聞こえたの…。確か…。」
???(お前さ、今自分の立場わかってんのか!?)
???(わかっている上でやっているんだ。君は昔から変わらない腰抜けの癖に僕にそんな口聞いてもいいの?)
???(てめぇ!そんなこと言えねぇ口にしてやろうか!?)
山谷「っとまぁ、こんな感じ。」
喜多山「へ、へぇ。」
妙にリアルっぽい…。だが、これは結構大きい証拠じゃないのか?
喜多山「まぁ、いいや。ありがとな。」
山谷「はぁ〜い。」
後は羽山だが、どこにいるかな。それからどこを探しても羽山は見つからなかった。
喜多山「うーん。仕方ない。先に大綱からアリバイ聞いておくかぁ。」
俺は大綱に今から来てくれ。と頼んだ。
大綱(今は無理だ。後にしてくれ。)
喜多山「は?なんだコイツ。」
大綱の連絡の後から別の人から連絡が来た。
八尺(喜多山よ。詳しいことが分かったぞ。部屋に来てくれ。)
八尺に呼ばれ、俺は大綱のことを後にし、部屋に向かった。
喜多山「何がわかったんだ!?」
八尺「お!早いな!えっとだな。 この仕掛けはな、2人じゃないと作れないんだ。」
喜多山「え?これって2人じゃないとできないのか?」
八尺「あぁ。作る時から部屋から出る時まで2人じゃないとできないんだ。」
喜多山「あ、そっか。作る時は何か大体予想つくけど、出る時は1人がドアを抑えてないと仕掛けが作動しちゃうのか。」
八尺「まぁ、ざっくりとしちゃってるが、そんな感じだ。」
喜多山「ん?2人…ってことは共犯者がいるのか?」
八尺「そういう事だ。」
喜多山「…。まじかよ。」
八尺「まじだ。」
教頭「ちなみに共犯者は仮に犯人がバレなくても一緒にリタイアすることは出来ません。」
教頭の声が聞こえたが、気の所為だろう。八尺に話を聞いているその時…。
アナウンス「えー。皆様、お時間となりました。捜査をやめ、西棟1階の教官室前までお集まり下さいませ。裁判を開始したいと思います。」
喜多山「え!?もうか!?」
まだ犯人の予想もつかない…。
八尺「ふむ。楽しみだ。」
なんでこいつはこんなにウキウキしているんだ…。
喜多山「余り気にしちゃいけないな…。裁判で何とか頑張るしかない…。」
俺は自分に頑張れと言い聞かせ教官室に向かった。
教頭「え〜。皆様。お集まりですね。ではこれから裁判場へと移動致します。では教官室の中はエレベーターになっております。足元にご注意ください。」
玉田「どうして教官室の中にエレベーター何ですかねぇ…。」
和具間「愚痴っていてもしょうが無いわ。行きましょ。」
俺たちはエレベーターの中に入った。
八尺「うむ。エレベーターは広いな。」
喜多山「まぁ、大綱。」
大綱「なんだ?」
喜多山「大綱は誰が來速を殺したと思う?」
大綱「それは俺にも分からん。だから、これから裁判でみんなで考えるんだろ?俺だって考える。だから、お前も頑張れよ。」
喜多山「…。」
エレベーターは下に向かっていく。そして…。
教頭「はい。到着で御座います。この裁判場で今回の犯人を決めてもらいます。では、皆様、位置に着いてください。」
俺たちは自分の立つ場所に立った。緊張する。これから來速を殺した犯人を探すのだから。見つけられなければ待っているのは犯人以外全員の死…。
喜多山「…やってやる…!」
ーーーー
裁判
喜多山(少し捜査したことを整理してみるか。昨日のアリバイがあるやつは原坂、玉田、暁、護城、田尻、梅涙、京極、花珠、鬼龍院、和具間。アリバイがないやつは北島、山谷、八尺、猿投山。そしてアリバイを聞くことが出来なかった大綱と羽山。昨日來速が殺されたのは夜の9時頃、山谷によると部屋の外から誰かが喧嘩したらしく。多分1人は來速だな。あと一人は分からない。そして凶器に使われた包丁、あれは食堂にあったもので、田尻と原坂が食堂に居ない間に犯人が持ち去ったと考えていいな。八尺のおかげでドアノブの仕掛けもわかった。)
喜多山(ざっとこんな感じか。行けるぞ…。みんなと話し合えば…きっと。)
そして初めての裁判が始まった。
教頭「えー。まずは簡単にこの裁判でのルール的なものを説明しておきます。今回、皆様には來速様を殺した犯人を探してもらいます。そして決まったら犯人投票を行い、その犯人投票で選ばれた人が犯人なら、皆様は生き残ることができ、出来なければ、分かりますね?そして、バレた犯人はきついお仕置き、つまり処刑が待っています。処刑内容は至ってシンプルです。今、私の手元に9枚のカードがあります。これを引いてもらい、そのカードに書かれた内容が処刑内容となります。ちなみに生き残ることが出来るカードもあるかもですよ…?っとこんな感じです。では、裁判を始めてください。」
田尻「裁判…。と言っても何をすればいいのかな…。」
大綱「あ、話すことが思いつかないなら俺から話題を提案してやろう!」
北島「話題を提案…?」
大綱「まずは凶器についてだ。」
暁「おっ?凶器ってナイフじゃねぇの?」
喜多山「いや、凶器はナイフじゃないぞ。食堂にあった包丁だ。」
暁「おっ?そうなんか?」
大綱「流石は喜多山だな!細かいところを覚えてるな!じゃあ次の話題だ!」
さっきからこいつはなんだ?話題とかなんやら。
大綱「次はみんなのアリバイについてだ。昨日の夜9時頃…。アリバイがないやつは誰だ!喜多山言ってみろ!」
喜多山「…アリバイが無いのは自分の部屋にいた北島、山谷、八尺、猿投山。後は確認は出来てない、羽山、そして大綱だ。」
大綱「あれ?俺のアリバイは言ってなかったか?まぁいい、俺は昨日羽山と一緒に俺の部屋にいたぞ。」
羽山「そうだよ。僕は大綱くんの部屋で相談をしていたんだ…。」
花珠「相談…?」
羽山「そうだよ。気づいてた人もいると思うけど、僕って來速くんに虐められてたでしょ?その相談をしていたんだ。」
大綱「ま、そういう事だ。今の4人以外の連中は容疑者から外してもいいぞ!」
八尺「おい。ちょっと待つんだ。ここで1つ、いいか?」
大綱「何だ?」
八尺「今回…。」
和具間「え?ちょっと待って。貴方誰?」
八尺「申し遅れた。私は八尺だ。で、話を戻すぞ。」
鬼龍院「すごい無理やりですね〜。」
八尺「今回、私は來速の部屋でドアノブの仕掛けを調べていたんだが。」
原坂「ドアノブと包丁の取手が糸で繋がれていたことかのぉ?」
八尺「その通りだ。あの仕掛けはな、二人いないと出来ないんだ!」
和具間「え?ちょっと待って。それってどういう事…?」
大綱「八尺はこう言いたいのかな?共犯者がいるって。」
八尺「うむ。ウチはそう思うぞ。その共犯者で考えると、君たち、大綱と羽山が怪しい。」
羽山「ぼ、僕たちぃ!?」
護城「確かにそうかもな…。羽山って來速に虐められてたんだろ?來速を殺す動機だってあるよな…?」
大綱「ちょっと待って。動機はあるとしてもそれだと俺が羽山の手伝いをしたって事だよね?そんなことして俺にメリット…ある?」
玉田「そう考えると大綱くんが羽山くんのお手伝いをしても意味が無いですね。結局リタイアが出来るのは犯人だけなのだから。」
羽山「そ、そうだよ!」
八尺「まぁ、今はそういうことにしておいてあげるよ。まぁ、今は君たちが犯人と共犯者って可能性が高いけどね。」
山谷「あ、あのぉ〜。ひとついいですか?」
大綱「ん?なにかな?」
山谷「昨日の9時頃に私の部屋の外から誰かが喧嘩してる声が聞こえたんですよ。」
京極「喧嘩してる声…?」
山谷「はい。その喧嘩してた人って來速さんと羽山さんじゃないのかなぁ〜って。」
羽山「…えっ。また僕を疑うの?」
北島「その話が本当ならその喧嘩相手は羽山しかいないよな。來速と関わりがあったのはお前ぐらいだしな。」
梅涙「いじめっ子には余り近づきたくないですしね…。」
羽山「そ、そんな理由!?待ってよ!そんなの変だよ!」
田尻「何が変なの?」
羽山「だって昨日、僕は大綱くんの部屋にいたんだよ!?そんなこと無理だって!」
八尺「君たちが犯人と共犯者の関係なら、可能だが…?」
大綱「だ〜か〜ら!それだと俺のメリットが無いんだって〜もう忘れたの!?」
なんだが、大綱の様子が変な気がする。
羽山「と、ととととにかく!!!僕より大綱くんの方が犯人だよ!!」
八尺「君はばかか?今はそんな話はしていないんだ。君たちが犯人と共犯者じゃないのかの話をしているんだ。」
大綱「あれ?羽山〜?まさか裏切る気?あの話、忘れてないよね?」
あの話…?
羽山「も、もちろんさ!」
大綱「ん?何を焦っているんだい?」
羽山「べ、別に焦ってなんか…。」
大綱「…。」
大綱は黙った。
喜多山「大綱…?どうした?」
大綱「何か、見たかったものと違うんだよね〜。」
大綱が急に訳の分からないことを言い出した。
大綱「羽山くん。君とした約束、君が守れそうに無いから、あの約束は破綻ね。」
羽山「は、破綻って…!?ど、どういうこと!?」
大綱「今回、來速雷々くんを殺したのは、羽山楼舞くんで〜す。」
一同「!?」
羽山「………え?」
大綱「羽山〜。君が來速を殺す前にした約束、覚えてるよね〜。」
羽山「…。」
和具間「ちょ、ちょっと待って!羽山が犯人なの?」
玉田「それに急に話がぶっ飛びすぎでは…?少し理解出来ません。」
大綱「んまぁ〜。この際言っちゃうかぁ。羽山の処刑は俺がどう頑張っても変わらないし〜。」
羽山「…!?」
大綱「羽山はねぇ、さっき言った通り來速に酷いいじめを受けていたんだよ〜。それで2日前だっけ?倉庫に呼び出されて秘密の動機を來速を見られて口論になって〜。つい見ちゃったんだよね。それで羽山に協力してあげるから來速を殺さないか?って提案したのよ〜。」
大綱のにやけ顔に背筋がゾッとした。
北島「まて、話が見えないぞ。」
大綱「こんなに言っても分からないのか?もっとわかりやすく言うとだなぁ〜。この裁判で俺に面白いものを見せてくれるそうだから、協力してあげたんだよ〜食堂から包丁を持ち出すのも、さっき山谷が言った喧嘩の事も、ドアノブの仕掛けのこともね。」
羽山「…てない。」
大綱「んぅ?」
羽山「僕はそんなことしてない!お前が一人でやったんだろ!大綱!」
大綱「……。君にはがっかりだよ。君はこの裁判で俺に面白いものを見せると言ったからそれにワクワクして協力してあげたのにさぁ〜。それなのに俺を犯人扱い…。これじゃあもう無理だから〜。」
羽山「…。」
大綱「早いけど裁判はこれで終わりだ〜。教頭〜犯人投票してくれ〜。」
なんなんだコイツは…さっきから…。
喜多山「おい。大綱、お前どうした?」
大綱「ん〜?俺にも分からないんだよね〜。」
猿投山「…分からない…?」
大綱「なんだが〜殺し合いの話を聞いた時からずっと胸がドキドキするんだよ〜。」
八尺「君は異常者が何かか?」
大綱「そんな物じゃないよ。俺はね、単に誰かが誰かを殺して裁判で乗り切る姿が見てみたくなったんだ。」
北島「なんでそんな考えになるんだ?」
大綱「それは俺には分からないよ〜。」
教頭「…では、犯人投票を行いますが、よろしいですか?」
このまま時間が過ぎ、犯人投票で羽山が投票された。
教頭「途中で大綱様が言ってしまわれましたが、今回東京都代表の來速雷々様を殺した犯人は、長崎県代表の羽山楼舞様でございます。」
羽山「…。」
羽山はさっきから黙っている…。
八尺「なんだが、在り来りな理由だな。虐められたから殺す。しょうもないな。」
羽山「君に僕の気持ちの何がわかる…!!」
八尺「君の気持ちなんて分かりたくも無いよ。」
羽山「僕は…。ただ…普通に過ごしているだけなのに來速とか変なやつに絡まれて虐められて…。」
大綱「突っ込むようで悪いけどさぁ〜。君、來速の秘密の動機のこと知ってるかい〜?」
羽山「秘密の動機…?」
大綱「そうだよ〜。來速を殺す前、倉庫で來速と二人で話してたんだよ〜。そしたらね、ビックリ!來速の秘密の動機は、「 來速雷々は羽山楼舞の事を友達だと思っている。」って事だよ〜。」
田尻「えっ?虐められているのに?」
大綱「いじめって言っても殴ったり殺されたことは無いでしょ〜。ちょっとキツめの暴言ってぐらいの。何だかんだで仲いい感じしたしね〜。」
羽山「何が…。友達だと思っているだよ…!!」
大綱「君の死には変わりないけど、せめて、死ぬ前に來速に謝っておきな…。」
羽山「…うん。」
なんだ、この胸騒ぎは…。何かがおかしい。
教頭「…。では、羽山様、処刑内容のカードをお取りください。」
羽山は教頭の9枚のカードで1枚を引いた。
教頭「…。ふむ。これはこれは、貴方にピッタリの処刑内容ですね。その名もいじめ処刑!」
羽山「いじめ処刑…?」
教頭「まぁ実際やってみましょう。では、羽山様、皆様にお別れを。」
羽山「みんなに、合わせる顔が無いよ…。」
教頭「…。では、処刑…開始!」
そういった瞬間羽山の首に首輪が着けられ、裁判場の裏へと連れていかれた。
ーーーー
処刑
羽山が連れてこられたのはとある学校。ドアから数人の人が入ってきた。数人の人間が羽山を囲った瞬間、暴言や、暴力が始まった。そして、何発も、何百間発も殴られ、何千発も殴られ、羽山は身体中に青黒い傷まみれになり、動かなくなった…。
ーーーー
田尻「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
暁「おっ…。」
教頭「処刑が完了しました。結局、死ぬときでさえ、虐められてしまうんですね。」
喜多山「お前が殺したくせに…!!」
俺は羽山が殺されて教頭に殺意が湧いた。
教頭「まさか、善人ぶっています?羽山様が來速様にいじめられている時は助けもしないくせにこういう時だけ怒る?おかしいですね。」
こいつが言ってることは本当だ。俺は羽山が虐められているのに、助けもしなかった。その事も教頭にも怒っている。だが、本当に怒っているのは…。こいつだ…。
大綱「…くくく…。アッーハッハッハッハッ!!!!!!処刑…!最高じゃねぇか…!!」
喜多山「なんで…笑ってんだよ…。」
大綱「これを笑えずにどうしろと!!」
八尺「流石のうちも気分が悪いぞ。」
原坂「人の死に笑うなど…。無礼…!お主…。1発殴らせろのぉ!」
大綱「わ、悪かったって!もう笑わないから!」
喜多山「…。」
大綱「ちなみにね〜。來速は羽山の事なんか友達とも思ってないぞ〜。まず、俺來速とそんな話した事ね〜しぃ〜。それを信じるなんて、馬鹿だな〜。」
喜多山「原坂、殴っていいぞ。」
原坂「うむっ!」
大綱「ちょちょたんま!無事に終わったし!早く戻ろ!俺は先に戻るぜ!」
大綱は逃げるように1人でエレベーターにのっていった。
喜多山「…。」
大綱以外の全員がその場で無言で、動かないでいた。
北島「…大綱の野郎は気に食わんが、俺も先に部屋に戻らせてもらうぜ。そんなに喋ってないのに疲れた…。」
梅涙「私も戻ります…。」
八尺「喜多山よ。お主も早く自分の部屋に戻るがいい。」
そう八尺が言い、みんなは自分の部屋に戻りだした。
喜多山「もし、あの時に羽山を助けてれば色々変わってたんかなぁ。」
教頭「喜多山様、1つ、アドバイスを致します。過ぎたことは悔やんでも仕方ありませんよ。」
喜多山「…。」
そんなこと言われなくてもわかっているし、お前には…言われたくない。
喜多山「俺も部屋に戻る…。」
教頭「はい。では。」
今、俺が何を思っても遅いが、羽山、ごめんな。
ーーーー
2巻 [完]
Aグループ生存者
北海道
宮城
岩手
福島
栃木
埼玉
東京❌
新潟
富山
長野
静岡
三重
京都
奈良
広島
福岡
熊本
長崎❌
16/18
追記
今回大綱ageのため裁判の内容が薄いです。次の裁判は頑張ります。
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