47

喜多山吉良

第1巻

1話





20✕✕年4月8日 10年に1度開かれる「第49回日本高校生育成会」がこの日にあった。


基地山「そして俺、喜多山吉良(きたやま きちろう)が新潟代表として、ここにきたぁ!」


「第49回日本高校生育成会」に来れるのは県で1人代表として選ばれた人だけ。


基多山「うぅ…。何で俺が選ばれたのは分かんねぇけど、すげー奴が後46人もいるんか…。」


そして、「第49回日本高校生育成会」の目的は代表として集められた高校生の能力を完全に上昇させるため、だとか何とか。


喜多山「取り敢えず、考えてもしょうがない…。中に入って同級生にご挨拶だ!」


そう思い、俺は校内に足を入れた…。


喜多山「あ、あれ…?」


頭がフラフラする…。な、なんだ…?


ーーーー



喜多山「……こ、ここは…?」


目が覚めた俺は周りを見渡してみた。


喜多山「ここは教室か?随分薄暗いな…。」


教室と思われる部屋には窓に鉄板らしきものが貼り付けられ、外の様子が分からない状態だった。


基多山「なんだこれ…。監視カメラか…?」


そこで俺が見つけたのは天井に貼られてる監視カメラだった。

監視カメラの下にある教卓に紙がおいてあった。


喜多山「これは、学校案内?汚い字だなぁ…。」


教卓に置かれていた紙には学校案内と書かれ、小学生が書いたような字をしていた。

紙には「この紙を見ているということは目が覚めたって事かな?かなかな?無駄にめんどくさい説明は省きたいから状況が分かったら自分の足で体育館に来てくださ〜い」


喜多山「…は?これって誘拐とかか?しかも学校案内って思えない内容なんだが…。取り敢えず、体育館ってのに向かってみるか。」


俺は教室を出て体育館へと向かった…。


喜多山「こ、ここが体育館か…?学校案内の裏に体育館への道書いてあったし、あんな意味深な書き方しなくてもなぁ…。」


そう思い、渋々俺は中に入った。体育館に入ると沢山の人がいた。


???「いつまで待たせんだよ…クソが…。」


???「学園長はまだかしらね〜。」


???「もう帰りたいな。」


色々と声が聞こえてくる。体育館に入った瞬間、皆の話し声が消え、視線が俺に向けられた。」


???「おっ、お前が47人か?」


喜多山「えっ…?」


俺は急に話しかけられ、ビックリしてしまった。」


大綱「…。あっ、先に自己紹介か。俺は北海道代表の大綱狂多浪(おおつな きょうたろう)だ。お前も日本高校生育成会?だっけ?それに選ばれたんだろ?」


喜多山「そ、そうだよ。」


身長たっか…。これ185はあるんじゃないかなぁ。


???「これで47人目…。これで学園長が来るはずですね。」


喜多山「?」


また何か変なのに話しかけられた…。


鬼龍院「あ、私も自己紹介した方がいいですかね。私は、福岡代表の鬼龍院楓(きりゅういん かえで)です。以後お見知りおきを。」


喜多山「え、えっと。鬼龍院さん、さっきの学園長が来るはずってどういうこと?」


鬼龍院「はい?あなたも渡されたでしょう。学校案内が、それに47人が揃ったら学園長が登場するって書いてあるのですよ。」


そ、そんなことが…。てかそんなこと書いてなかったぞ!?俺の学校案内だけまさか手抜き…?


???「あーマイクテスト!マイクテスト!大丈夫?聞こえてるよね?」


急に前の方から高く何だが嫌な気分になる声が聞こえてきた


学園長「えーこんにちは。私が学園長です。長く話すとね、皆鬱な気持ちになっちゃうから手短に説明させてもらうよ!まずこちらで決めた18人で2つのグループに別れてもらうよ!じゃあ名前を呼んでいくから別れてね!」


それから学園長と名乗る人が名前を読み上げ、2つのグループが出来た。


学園長「うん!2つのグループが出来たね!」


???「おい!ちょっと待てよ!!俺が余ってるぞ!」


声を荒らげて学園長に反論している。そいや18人じゃ1人余るな。


学園長「あぁまぁりぃ?あぁ、えぇーと君は…。石川県代表の子だね?悪いけど、進行の妨げになっちゃうから、可哀想だけど、バイバイね。」


その言葉を言った瞬間、学園長は石川県代表の子に銃を向けて、放った。学園長は3発、打ち込み、石川県代表の子はその場に倒れ、動かなくなった。


一同「!?」


全員が驚いた顔をして学園長を見た。


学園長「驚かしてごめんねぇ。47人って素数だから必ず1人余っちゃうんだよ〜。だからこうやって余った子を処分してるんだぁ〜。あ、わかってると思うけど、騒いだりはしないでね。今みたいに死にたくなかったら、ね?」


その言葉に鳥肌が立った。学園長は人を殺したはずなのに、笑っているからだ。


学園長「じゃあ!さっそく移動しようか!ちなみにしばらくの間、別グループの子とは会えないから我慢してね!じゃあ移動させま〜す!」


そう言った瞬間、また俺は唐突に意識を失った。


ーーーー



喜多山「……んあ?また教室か?でもさっきと雰囲気が違うな。」


さっきの教室と全く同じなのだが、何故か別の場所に感じる。


大綱「おい。」


喜多山「うわっ!!」


急に話しかけられてビックリしてしまった。


大綱「お前も同じグループ何だな。」


喜多山「よ、よろしく。」


大綱とたわいのない会話をしてるとアナウンスが流れてきた。


アナウンス「えー。Aグループの皆様がお目覚めになりました。これより、日本高校生育成会の選抜についての説明を致します。体育館まで

御足労を頂きますが、よろしくお願いします。」


大綱「だとよ。行くか?」


大綱に聞かれた。


喜多山「これからどうすればいいか分からないし、行くしかないよな。」


覚悟を決めて、俺と大綱は体育館へ向かった。


喜多山「ここが体育館だな。てかさっきと道は同じだな。」


大綱「そうだな。」


大綱と一緒に俺は体育館に入った。中に入ると、人がいた。


???「喜多山様と大綱様ですね。貴方達が最後です。」


大綱「お前は誰だ?」


教頭「おっと。申し遅れました。うむ…。では、教頭とでもお呼びください。ではこちらへ。」


教頭に手巻きされ、俺と大綱は奥に進んだ。


教頭「えー18人揃ったので、第49回日本高校生育成会の説明を致します。今回皆様には予選会が終わるまでここで住んでもらいます。そして…。」


教頭が一間開けて、信じられないことを口にした。


教頭「18人が5人になるまで殺し合いをして貰います。」


その言葉に皆は驚いた。


???「は?」


???「殺し合いってなんだよ…。」


大綱「ほぉ…。楽しそうだな。」




教頭「殺し合いと言っても人をただ殺すのはダメですよ。この殺し合いにはちゃんとしたルールがあります。」


殺し合いにちゃんとしたルールも何もねぇだろ…。


教頭「ちなみに、この日本高校生育成会をリタイアする方法があります。」


喜多山「リタイア?」


教頭「はい。今言った殺し合いで人を殺すことです。ただしただ殺すのはダメです。」


大綱「ただ殺すのはダメなのか…。」


教頭「殺したら、犯人はバレないようにして下さい。また詳しいことは誰かが殺人を起こした時にします。ちなみにここの施設は自由に使って下さい。これからは貴方達のものになるので。では交流を深めながら、殺し合いをして下さい。」


不気味な顔をして、教頭は消えた。


???「何だよ。殺し合いってどうすりゃあいいんだ…。」


大綱「…喜多山、個室があるの知ってるか?」


喜多山「個室?」


大綱「そうだ。この施設には一人一人の個室が用意されてるんだ。」


喜多山「く、詳しいな。」


大綱「お前が寝てる時にちょっと調べたんでな。取り敢えず自分の個室にでも行こうぜ。」


喜多山「お、おう。」


大綱に案内され、俺は自分の個室に向かった。


喜多山「こ、ここが個室か…。」


ちゃんと一人一人に部屋があり、一直線にドアが18個並んでいた。


大綱「さてと、これからどうするか。喜多山は決めたか?」


喜多山「俺は…。取り敢えず部屋にいたいかな。」


さっきの石川県代表の人が殺された時の事を思い出してしまった。


大綱「まぁ、あんな事があったんだ。休むのも大事だな。少し休んだら他の奴に自己紹介するのもありかもな。じゃ、また後でな。」


喜多山「おう。何か、ありがとな。」


大綱は自分の部屋には行った。


喜多山「さてと、俺の部屋はどうなってるのか…。」


中に入ると部屋には生活で使うベットや机にクローゼットシャワー室まであった。


喜多山「うわっ。クローゼットの中は全部同じ服…。趣味悪いな…。」


クローゼットには今着てる服が何枚も入っていた。

俺は、さっきの大綱の言葉を思い出した。


大綱(少し休んだら他の奴に自己紹介するのもありかもな。)


喜多山「ちょっと気分が進まないけど、行くか…。」


俺は部屋を出てほかのメンバーを探しに行った。

部屋を出てすぐそこには食堂があった。


喜多山「食堂…。誰かいそうだな…。」


俺は食堂に入った。中に派手なギャルっぽい女の子と身体がデカい男の人がいた。


???「おっ、お主はワシと同じAグループの人かのぉ!」


???「ちょっと原坂!そんな言い方だとビックリしちゃうでしょ!」


原坂「ぬっ…。そうかのぉ。すまぬな。ワシは栃木県代表の原坂二型(はらさかにけた)じゃ。よろしくの!」


田尻「私は岩手県代表の田尻桃美(たじり ももみ)よ。よろしくね。」


2人に自己紹介をした。


田尻「喜多山君もびっくりだよね〜。急にこんな所に連れてこられて、ちょっと物騒だよね〜。」


原坂「お主さっき「ここは何でも揃ってるからここにずっといてもいいかも〜♡」とか言ってたじゃないかのぉ。」


えっ、今の原坂の声…?


田尻「ちょ、あんたが私の声やるのはキモイわ。」


原坂「そうか?結構似てると思ったんだがのぉ。」


田尻「似てなさすぎて草。」


ここにはなんでも揃ってるらしい…。田尻の言うには、食堂には豊富な食べ物にちゃんとした調理場があるらしく、食べ物には困らないとの事。

俺は食堂を出て真っ直ぐにある保健室に向かった。


鬼龍院「あ、喜多山さん。」


保健室に入ると、鬼龍院さんと何やら怪しい格好の丸メガネの人がいた。


喜多山「き、鬼龍院…。その人は…?」


玉田「貴方が喜多山さんですね?私、埼玉県代表の玉田金太(たまだ きんた)です。私保健の授業が大好きで!!!保健室にいたら、鬼龍院さんと出会いお話させてもらいました。かなり楽しかったです。」


鬼龍院「いえいえ、私も色んなことを知れたので楽しかったですよ。」


2人は怪しい笑い方をしていた。余り関わらない方がいいな…。


喜多山「じゃ、じゃあ俺は別のとこ行くから…。」


鬼龍院「あら?もう行ってしまわれます?」


喜多山「他の所もまわりたいからな。」


玉田「では、喜多山さん、また後ほど…。」


2人に見送られ、俺は保健室を出た。出た瞬間に誰かとぶつかった。


???「あ、ごめん!大丈夫…?」


喜多山「う、うん。大丈夫。こっちこそごめん。」


花珠「あれ?君もAグループの人だよね?自己紹介しておくね。私は広島県代表の花珠真希(はなたま まき)よ。よろしくね。」


喜多山「よ、よろしく。」


軽く自己紹介をしたら、花珠は保健室に入っていった。

次に俺が来た場所は保健室の隣にある職員室に来た。中には当然先生などいない。1人を除いて。


教頭「喜多山さんじゃないですか。こんにちは。」


喜多山「……。」


教頭「ダメですよ、無視は。」


喜多山「す、すんません。」


職員室には教頭がおり、挨拶を無視したから説教をされてしまった。


喜多山「そ、それじゃあ失礼します…。」


教頭「何かあったり聞きたいことがあったらここに来てくださいね。大体ここにいるので。」


教頭に言われ、俺は黙って職員室を出た。職員室から少し離れた所に大きい部屋があるが、まだ入れないらしい。そして食堂の隣には大きめの倉庫があったので中を見ることにした。


???「ぬっ…君は…。」


倉庫には何やら顔の整ったイケメンとお世辞にもカッコイイとは言えない男の人がいた。


來速「お前も俺の名前が知りたいのか?良いだろう!教えてやろう!俺は東京代表の來速雷々(らいそく らいらい)だ!このデブは長崎県代表の羽山楼舞(はやまろうぶ)だ!」


で、デブって…。羽山は來速に虐められてるのか?


羽山「…よろしく…。」


來速「おい羽山、喉乾いた。何か飲み物取ってこい。」


羽山「わ、分かったよ。來速君…。」


喜多山「…じゃあ俺もう行くわ。」


來速「おう!何か困ったら俺に言えよ!」


こいつとだけは関わるのはやめよう…。俺は倉庫を出た。


大綱「あれ、喜多山じゃないか。」


喜多山「あっ、大綱。」


大綱「この後食堂で皆集まるらしいからお前も来るか?」


喜多山「まだ挨拶してない人もいるし、行こうかな。」


俺は大綱について行き、食堂に向かった。食堂に向かう途中、3人の人に会った。


???「おっ、大綱やん。やっほ〜。」


???「お前も食堂に行くんか?おっおっ?」


???「相変わらずでっかいね〜。」


大綱「紹介するよ。左から三重県代表の暁駁夜(あかつき ばくや)で奈良県代表の護城華紅夜(ごじょう かぐや)に京都代表の京極千尋(きょうごくちひろ)だぞ。」


暁「おっ、よろしくな。」


護城「てか食堂行かんの?おっおっ。」


京極「よろしくお願いします〜。」


なんだコイツら…。


大綱「あー。言いたいことは分かるが、言わないでくれ。」


喜多山「お、おう。」


俺たち5人は些細な会話をしながら食堂に向かった。

食堂では、もう全員、とは行かないが、大体が集まっていた。


???「えっーと。まだ来てないのは長野代表の人だけね。まぁまだこの中で知らない人とかいるし、一人一人自己紹介してちょうだい。」


何か1人で仕切ってんな。中学や高校でいたよな。何か勝手にリーダーぶって仕切るやつ。


原坂「まず人に名を聞くときゃあ自分から名乗るのが礼儀ってもんじゃないかのぉ。」


和具間「私は熊本代表の和具間月乃(わぐま つきの)よ。名乗ったわよ。」


和具間が嫌々そうに名前を言うと。次々に自己紹介をする人が出てきた。


猿投山「…静岡県代表の猿投山茶々(さなげやま ちゃちゃ)…。」


山谷「えっと。富山県代表の山谷 奏弥(やまたに かなや)です。よろしくです。」


北島「宮城県代表の北島王太(きたじま おうた)だ。特に言うことはない。」


梅涙「福岡代表の梅涙千香(うめなみだちか)です!よろしくお願いします!」


さっき合わなかった人達とも自己紹介を済ませ、しばらくの間お互いのことを話していた。


山谷「へぇ。喜多山君は富山によく来てたんだね。」


喜多山「新潟の実家から富山が近かったからね。」


そんな話をしている中で和具間があることをみんなに言った。


和具間「…。そろそろ本題に入りましょ。私たちがここに集められた理由…とかね。」


暁「おっ、なら理由は1つしかねぇ!妖怪だろ!」


護城「それを言うなら誘拐な。おっおっ。」


暁「仮にそうとも言うぜ!」


妖怪は違う意味だぞ。


大綱「誘拐…だとしたら俺たちにここまでしてくれるのか?身代金とかがお目当てなら監禁でもいいはず。」


田尻「いやでも私が集められたのって日本高校生育成会に呼ばれたからで、世界中で認められている物だし…。」


大綱「…まぁ、色々意見はあると思うけど、今1番話さなきゃ行けないことは、1つしかないよね?」


大綱の話さなきゃ行けないひとつのこと…。学園長と教頭が言ってた殺し合いの事か…。


和具間「殺し合いのことについてね。」


山谷「日本高校生育成会って殺し合いをさせるものなのかな…。」


和具間「皆色々不安はあると思うわ。殺し合いの事も正直これ以上話しても空気が暗くなるだ けだし、もうあることを決めて今日は解散にしない?」


…あること…?


來速「ある事って何だ?」


和具間「私たちの中でルールを決めない?」


玉田「ルール…と言いますと?」


和具間「ルールと言っても強制じゃないわ。取り敢えずそれっぽいのがあれば皆少しは安心するんじゃない?」


護城「ルールなんて必要なんか?おっおっ。」


和具間「ルールがあれば日に日に誰かが自分を殺しに来るって言う不安が無くなるわ…。」


原坂「そんな不安あるのかのぉ。」


和具間「最初はそんなにないと思うわ。でも、時間が経てば経つほど不安は大きくなるの。だからルールは必要なの。」


玉田「和具間さんの言うルールが必要なのは分かりましたよ。どういうルールにするのですか?」


和具間「まず朝の8時に朝食を食べましょう。そうすれば皆の生存確認が出来るわ。」


生存確認って…物騒だな。


和具間「そして2つ目は夜…。大体8時からね。この時間からは余り部屋を出ないで自分の部屋にいること。」


花珠「夜8時からですか…。」


和具間「勿論、強制のつもりは無いわ。一応、だからね。」


大綱「ルールは分かった。じゃあ今日はもう解散にしようか。」


大綱の声で皆は自分の個室へと戻った…。


喜多山「……。落ち着かないな…。」


俺は解散した後、一人で部屋にいた。


喜多山「…もう10時か…。明日朝8時に食堂に集まる…んだっけな。取り敢えずもう寝るか…。」


俺は落ち着かない気持ちで寝ることにした。


ーーーー


1日目


喜多山「………。んっ…もう朝か…?」


この部屋の窓にも鉄板が貼られてるんだな…。俺は着替えて食堂に向かう事にした。


喜多山「あっ。」


部屋を出た瞬間、大綱と会った。


大綱「喜多山、おはよう。」


喜多山「おはよう。」


大綱「よく寝れたか?」


喜多山「そう見えるか?」


大綱「だよな。俺もだ。」


大綱とそんな会話をし、食堂に向かった。食堂にはもう大体の人が集まっていた。


和具間「おはよう。大綱くん、喜多山くん。」


大綱「おはよっす。」


そして寝坊という形で来てない人もぞろぞろと来て、人が揃い始めた。


和具間「あれ…?また長野代表の子がいないわ。」


未だに姿を見せない長崎県代表の子。


田尻「部屋からずっと出てないのかな…。」


和具間「まぁ…。いない人は放っておいて、今日の事にでも話しましょうか。」


冷たい口調で和具間が言った。


和具間「今日は…。この施設の探索でもしましょう。そして夜になる前に集まって探索しましょうか。」


北原「一人で探索するのは効率悪いからグループわけでもしようよ。」


おっ、いい意見。


和具間「そうね。じゃあ…。」


和具間が言おうとした瞬間…。


???「探索…?いいですねぇ。」


喜多山「この声は…。」


教頭「おはようございます。教頭です。探索と聞いてムズムズして出てきちゃいました。」


田尻「えっ、どっからでてきたの。」


教頭「私は教頭です。なので色んな所から現れますよ。私は神出鬼没なので…。」


どういう理屈やこいつ。


教頭「じゃあ皆様が探索しやすいように私がこの建物の構造について説明を致しますね。まずこの建物は3つの大きい部屋で分けれており、北棟、東棟、西棟となっております。どこに何の部屋があるかは皆様の探索でお探しくださいませ。では。」


ざっくりとした説明をし、教頭は消えた。


原坂「教頭が消えたのぉ!?」


和具間「…。じゃあ今の3つの中でどこを調べたいって人、いる?」


この後、俺たちは話し合い、誰がどこを探索するかが決まった。


大綱「じゃあまず北棟の探索をする連中は、俺と北島、原坂、田尻、山谷、鬼龍院だ。」


來速「じゃあ次に俺がリーダーの東棟だ!俺と暁、梅涙、猿投山、京極、そして俺の下僕…!羽山だ!!」


羽山「うぅ…。なんで僕ばっかこんな目に…。」


羽山が嫌そうな顔で愚痴っている。


來速「あ?羽山ぁなんか文句あっか?」


羽山「な、ないよ。う、嬉しいさ!」


來速「そうかそうか。そうだよなぁ!」


和具間「…じゃあ次に私達西棟ね。私、玉田、喜多山、護城、花珠の5人ね。」


俺たち西棟は5人か。長野の人がいないから。


和具間「じゃあまた後で落ち合いましょう。」


そう言って、俺たちは別れた。


和具間「西棟はここね。」


護城「てか、目印あるんだな。これ教頭要らなくね?おっおっ。」


玉田「そういうことは言わない方がいいのでは?教頭がまた急にぼっと!!!!!って現れるかもですよ。」


花珠「それは勘弁して欲しいです…。」


和具間「西棟には体育館があるようね。他に部屋が4つ。ここは別々で行動して探しましょ。」


そう言って和具間と花珠は体育館の中へ、後男3人でほか4つの部屋を調べることにした。


護城「俺は1人で2つの部屋見っから!お前らそこのふたつよろ!!おっおっ!!」


そう言って護城は走って端の部屋に入っていった。その部屋は1-1と書いてあった。名前からしてただの教室だろう。


玉田「元気ですねぇ…。じゃあ私たちは体育倉庫から見ていきましょうか。」


喜多山「おう。」


体育倉庫の中には運動用具が沢山あった。


玉田「…。ここにあるものって大体凶器に使えそうですね。」


玉田が笑いながら言った。


喜多山「お前、笑いながらそういうのはちょっとキモイぞ。」


玉田「おっと。失礼…。つい癖で…。」


どんなくせだよ。


玉田「ここは体育倉庫で狂気になるものが沢山…と。ここはこんなもんでしょうか。次行きましょうか。」


玉田はメモをしていた。


喜多山「そのメモは?」


玉田「あぁ。私なりに建物の構造に部屋の場所や説明を書いておこうかなと。」


便利だなぁ…。体育倉庫の隣には体育館があり、その隣には、教官室があった。


玉田「教官室って体育の先生などが待機する場所とからしいですよ。」


玉田が急に言ってきた。


喜多山「だとしてもこの中には誰もいないだろ。まぁ、中は調べるけど。」


ガチャガチャ…。


喜多山「あれ?開かない。」


教頭「そこはまだ開きませんよ。もう少し時間が経てば開くと思いますよォ〜。」


教頭がスっとでてすっと消えた。


玉田「あの人は何なんですかねぇ…。」


体育倉庫と教官室があかないことが分かったので護城のところに行こうと玉田に行った。


護城「おっ、2人とも、もう探索終わったんか?おっ。」


玉田「体育倉庫は運動用具しか無くて、探索する場所が少なかったですし…。教官室は鍵が開いてませんでした。」


護城「へぇ。なんかすげぇなおっおっ。」


護城にそっちのふたつはどうだったと聞いた。


護城「俺が調べた2つか?1の1と1の2だってよ!ただの教室だったぞ!」


玉田「何か情報が乏しいですねぇ。」


和具間「あら?貴方達、もう終わったの?早いわね。」


玉田「体育館には何がありました?」


和具間「普通の体育館だったわよ。特にこれと言ったものはなかったわ。」


花珠「そっちはどうでしたか?」


護城「こっちはただの教室2つと教官室と体育倉庫だけだったぞ!おっおっ。」


俺たち西棟組は食堂でほかのメンバーの帰りを待つことにした。

そして、数分で他のグループも帰ってきた。


來速「どもぉ〜す。」


大綱「西棟組早いね。」


長崎県代表の人を除いた全員が揃ったので話し合いを始めた。


和具間「じゃあ先に私たち西棟を調べた結果を言うわね。西棟には体育館、体育倉庫、教官室、後は1の1、1の2の教室の2つがあったわ。」


玉田「体育倉庫には運動用具が引き詰められていて、運動したい時は1回あそこに行くことをオススメします。」


護城「んで、あとのふたつの教室だが、ただの教室だったぞ!おっおっ。」


玉田「後は教官室ですが、今はまだ開いてないとの事です。」


西棟の説明が終わったら來速が東棟について話し始めた。


來速「西棟は俺たちの個室があったぜ!」


梅涙「後は少し個室を離れるとトラッシュルーム焼却炉がありましたね。」


学校に焼却炉?珍しいな。


京極「多分…この学校?でいいのかな。外に出れないからゴミを捨てる場所がないから…。」


猿投山「ゴミが出たらそこに捨てて燃やせ…。って事…。」


來速「本当に俺たちを出さないつもりか…!!」


羽山「…焼却炉には赤と緑のボタンがあったんだけど。焼却炉を付けるには赤のボタン、消すなら緑のボタンを押せばいいんだって。」


來速「おい、羽山。俺が言おうとしたこと言ってんじゃねぇよ。後で覚えとけよ。」


來速が羽山のことを脅した。


梅涙「まぁ、東棟はそんな感じね。これで終わりよ。」


大綱「じゃあ最後に俺たち北棟だな。北棟はまさにここが北棟だ。ここ食堂と保健室に職員室と倉庫があるぞ。」


鬼龍院「後は大きい部屋があったんですけど、まだ入れない状態でした。」


大綱「結構ざっくりとした説明だが、これで終わりだ。」


北島「あ、あと1つ。倉庫の隣に2階に行く階段があったよ。シャッターがかけられて行けなかったけど。」


和具間「2階も時間が経てば開くのかしら…。」


そんな感じでお互いの調べた場所を報告し、もう解散となった。


喜多山「もう1日目が終わりか…。早いな…。」


俺は自分の部屋にいた。


喜多山「明日はもう夜以外は基本自由行動…誰かと話して過ごすものありかもな…。」


俺は明日、誰かと話しても過ごそうと考え、眠りについた。


ーーーー


2日目



ん…。もう朝か…?


喜多山「よし、食堂に行くか。」


俺は食堂に向かった。


喜多山「おはよう。みんな。」


食堂に着いた俺はみんなに挨拶をした。その後全員が揃い、朝食を食べ、解散となった。


喜多山「さて、誰と過ごすか…。」


俺は宛は無いが取り敢えず、体育館に行くことにした。

体育館には暁、護城、京極の3人がいた。


暁「おっ、喜多山やん!どしたどした!」


護城「お前も俺たちと遊ぶか…!?おっおっ!」


京極「どうですか!?喜多山さん!」


…何かテンションが高いけど、こいつらと過ごそう。

俺は頷いた。


暁「おっ…じゃあ…何するかなぁ。千尋、何したい?」


京極「んーとね。じゃあバスケしたい!」


京極が元気よく言った。


護城「じゃあ俺と喜多山がボールとってきてやるよ。おっおっ。」


喜多山「え、俺もか?」


護城「いいじゃねぇか!おっおっ!行こうぜ!」


しょうがないが、俺も行くことにした。


護城「このボールでいいのか?おっおっ?」


喜多山「それはバレーボールだな。まさか護城…。」


護城「な、なんだよ。おっおっ…。」


喜多山「バスケしたことないな…?」


護城「ギクッ」


あ、ギクッて言ったこいつまじか〜。


護城「しょ、しょうがねぇだろ…。千尋にいい所見せたくよ…。おっおっ…。」


ボール取りじゃ良いとことは言えないが、それは黙っていることにした。


喜多山「…京極の事が好きなのか?」


護城「そそそそんなわけ…。おっおっ…。」


これガチや。


喜多山「まぁ、相談とかあったら乗るから俺に言ってくれよ?」


護城「…だから違ってぇぇぇ!!おっおっぉぉぉぉ!」


そう言って護城は1人で体育館に戻っていった。

その後俺たち4人は体育館でバスケをし、楽しんだ。


京極「はぁ〜いい運動したぁ〜!」


暁「おっ。そろそろ部屋に戻るかぁ。」


護城「一緒に部屋戻ろうぜ。喜多山も行くだろ?おっおっ。」


俺は頷いた。俺たち4人は話しながら部屋に戻った。

その後、俺は昼食を食べ、部屋に戻る時に余りかかわりたくないやつで出会ってしまった…。


來速「おう!喜多山じゃねぇか!これから葉山と倉庫に行くんだが、お前もどうだ?」


何故倉庫…?絶対に嫌な予感しかしない。


喜多山「すまん。この後玉田と約束があるから…。」


取り敢えず嘘をついた。


來速「おぉ。まじか。それはすまんな。じゃ羽山、行くぞ。」


羽山は涙目でこちらを睨みつけてきた。


喜多山「い、行かなくてよかったな…。」


その後、部屋にいても怖いので來速に言った通り玉田の部屋に行った。


玉田「あれ?喜多山くん。どうしたんですか?」


俺は状況を説明した。


玉田「あはは…。なるほどです。まぁお菓子ぐらいならあるのでお話しながらでもどうぞ〜。」


俺は後悔した。玉田の部屋に入ったことを…。


玉田「…では喜多山さん!!私の元に来たということは保健の話をしに来たんですね!」


なんでそういうことになってんだ!?


喜多山「え、違う違う!なんでそういう話になってんだ!?」


その後俺は何時間も保健の話をされ続けていた…。

俺が開放されたのは夜9時だった。


喜多山「うぅ…。すげー要らん知識覚えさせられた…。」


部屋に戻ろうとすると北棟の方で声が聞こえた。


???「もう…いい加減にしてよ!僕だって限界なんだ!!」


???「おいおい?俺にそんな態度取ってもいいのか?お前、殺すぞ?」


???「やれるもんならやってみやがれ!!このクソ野郎!!」


やばい、こっちに来る…。俺は何故か直ぐに自分の部屋に隠れた。


喜多山「何だったんだろ。今の…。」


考えても分からなかった。取り敢えず明日考えることにして、俺は眠りについた。


ーーーー


3日目


朝起きた俺は食堂に向かった。


和具間「あら?喜多山くんおはよう。早いじゃない。」


食堂には和具間しかいなかった。


喜多山「あれ?俺そんなに早かったか?」


和具間「まだ7時よ?」


喜多山「まじか。早すぎたな…。」


和具間はもっと前から一人でいたという。時間が経つにつれて人が集まってきた。


田尻「あれ?羽山が来てないよ?」


來速「あんなやつ放っておこうぜ。」


???「急に失礼。」


急に声が聞こえた。


教頭「おはようございます。皆様。今日のお昼、お渡ししたいもの、話したいことがあるのでお昼に体育館集合です。」


そう言って教頭は消えた。


來速「言いたい事だっけ言って消えるとかクソ野郎だな。」


和具間「取り敢えずお昼にまた体育館ね。朝はこれで解散にしましょ。」


そう言って皆は自分の部屋に戻って行った。


喜多山「…お昼までどうするか。」


一人で考えてる時、誰かにドアをノックされた。


護城「おっす。お昼まで話そうぜ。おっおっ。」


護城が俺の部屋に来た。


喜多山「どうして急に俺の部屋に来たんだ?」


護城「暇だったからな。どうせお前も暇だと思ったからな。おっおっ。」


喜多山「よく分かったな。」


お昼まで護城と過ごした。


喜多山「ん?もう時間か。体育館行くか?」


護城「行く。おっおっ。」


俺たちは体育館に向かった。体育館に着くと、中にはみんなが揃っており、教頭もいた。


教頭「むっ。八尺さんがいませんね。まぁ彼女の分は後で部屋で渡しますか。ではまずは配布物を渡します。」


教頭は一人一人に携帯に似たものを渡してきた。


教頭「それはここでしか使えない特性な携帯…。その携帯には貴方達の簡単なプロフィールに日本高校生育成会についてのルール、この構内の地図などが乗っています。後は携帯らしく誰かに連絡できる機能もあります。」


田尻「便利ね…。急に何でこんなものを?」


教頭「学園長がですね、せっかくここで暮らしてもらうんだからいいものを上げなきゃ!みたいなノリです。」


來速「誰がこんな所に閉じ込めてると思ってんだよ。」


教頭「まぁまぁ、ではルール等については後で自分でご確認ください。」


北島「話は終わりか?終わりなら戻るぞ。」


北島が戻ろうとした瞬間…。


教頭「お待ちください。まだ話があります…。」


鬼龍院「話…?」


教頭「皆様がここに住み始め、3日が経ちました…。そして今の殺人数はゼロ。これは由々しき事態との事で、学園長が動機を準備致しました。」


和具間「動機って…下らないわね。」


教頭「まぁ、お聞きください。今回最初の動機は…みんなの秘密です。」


喜多山「みんなの…秘密…?」


教頭「はい。急なことになってしまいますが、明日までに殺人がもし、起こらなければ…皆様の秘密を色んな所でバラしちゃいます。」


暁「おっ、秘密って言ってもそんなたいした事ないんだろ?余裕だろ。」


暁は余裕そうだ。


教頭「…まぁ、秘密の内容が書かれている手紙を配布します。どうぞ、ご確認ください。」


俺の秘密…喜多山吉良は中学2年生まで母親と寝ていた。


喜多山「!!!???」


内容を見た瞬間驚いてしまった。何でこんなこと知ってるんだと…。


喜多山「…………恥ずかしいけど、人を殺すほどのものじゃないかな。」


俺は秘密などないと思っていたが、こんなことも知られているとは、恐るべし。


教頭「まぁ、話は以上になります。誰かの殺人…楽しみにしてますよ。」


そう言って教頭はまた消えていた。


和具間「……各自、部屋に戻りましょうか…。」


和具間の声でその時は解散となった。


喜多山「…。秘密の内容には驚いたけど、これで人を殺すと思ったら大間違いだぞ。」


そう言い聞かせ、眠りにつこうとした。しかし心のどこかで思ってしまうことがあった。


「他の人の秘密はどうなっているのか」


もし他の人の秘密が俺と同じレベルの物じゃなかったら。バラされたら困るような秘密だったら…。

考えただけでも怖い。そんな考えは捨て、俺は寝た。

この寝てる間に初めての殺人が行われていることを知らずに…。


ーーーー


4日目


俺はいつも通り、食堂に向かった。


羽山「…喜多山くん…おはよう。」


食堂に入った瞬間、声を掛けられた。


喜多山「うおっ!?は、羽山か…おはよう。」


急に話しかけられビックリしてしまった。


和具間「あら?今回は來速くんがいないわね。」


羽山「あれ…。本当だ…。僕、呼んでくるよ。」


羽山は急ぎ足で來速を呼びに行った。しかし少し経ったあと…。


羽山「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


羽山の叫び声だ!まさか來速の身に何かあったのか?


和具間「…嫌な予感がするわね。」


俺たちはすぐに來速の部屋に向かった。來速の部屋の前には腰を抜かした羽山がいた。


羽山「ら、來速くんが…。」


喜多山「…まさか、そんな事…ないよな…。」


俺は息を飲み、部屋を見た。部屋に、血だらけの來速がうつ伏せで倒れていた。


ーーーー


1巻 [完]

















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る