渾沌極まる童話世界。物語の群れは蠕動し、やがて収斂されてゆく

 始まりは誰もがよく知る童話から。
 しかし赤ずきんの歩みと共に、物語は歪に歪み、やがて歪みは更なる歪みを招く。
 いくつもの童話が継ぎ接ぎされ、混沌と化していく物語。しかしそれらの無秩序な童話群は少しずつ収束してゆき、やがては一つの結末へと辿り着く。
 見覚えの物語が幾つも現れ、絡まり合い、到底予想もつかない代物へと変化しながらも、最後には一つの物語として完成される。
 それこそ、狐につままれたような気分にさせてくれる物語。圧巻です。
 

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