空のように無限の形の小説を

これは宮沢賢治の作品に子供の頃から触れてこられた作者さんがそのおじい様の死によせて、「人は死んだらどうなるの?」ということについてお書きになられた学術論文です。そして作者さんの卒業論文です。

心理学にも及ぶ膨大な資料にも当たりながら『グリーフワーク』という人間の根源にも関わるようなテーマを現役の学究者として緻密に丁寧に書き上げておられます。

そしてわたしはこれは論文であると同時に「文学」であると感じました。

詩であり、エッセイであり、そして小説でもあると感じ、事実わたしは小説を読み進めるようにこの論文に『引き摺り込まれ』ました。

創作というものに向かわずにはいられないわたしたちが今後書き続けるためのヒントが夜空に浮かぶ無量の星のように散りばめられています。

是非、お読みください。お勧めいたします。

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