ゴミ箱出身。それだけで切り捨てられる世界。どれだけ努力を重ねても、自分ではどうする事もできない要素で差別されて生き方を選べない屈辱、やるせなさ、まさに地獄。要所、要所で現れるムカデの存在感……。主人公の歩む道はどうなるのか、ぜひご一読ください。色んな問題について考えさせられて、ぞわっとします。
深遠なテーマ性を感じさせる作品。経済の二極化、貧困の連鎖、差別などのキーワードが浮かび、胸に刺さるものがありました。
ゴミ箱生まれだからと、軽蔑され、憐れまれる日々。インパクトあるタイトル。暴力的であり、ダークです。ムカデが体を這う描写、リアルです。怖くも、メッセージ性あります。ホラーらしいオチでした!
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(167文字)
極端な話をした方がわかりやすいのでそういう話をしますわたしが死なずに生きているということはほかの誰かが死んでいるということですそれが戦争で亡くなった方なのか災害で亡くなった方なのか犯罪で亡くなった方なのかいじめで自殺した子なのか逆に言うといじめをしている子はどこか遠くの自殺したその子を殺して生きているも同然生ける屍お勧めいたしますお読みください
血の滲む努力をしても自らの生まれを覆すことはできず、生まれたときから恵まれた者と持たざる者にわかれる世界はあまりに理不尽。人間としての服の下に、血の呪いと社会への憎悪を餌にしたムカデを飼っている人は多くいるでしょう。だとしても、醜いムカデを留めておけなければどうなるか?これは理不尽な世界で生かされる者たちへの、理不尽な戒めとなる物語です。