この世界は誰の世界?

「オマエがNPCでない証拠を出せるか?」とある疑問を友人に投げ掛けたことがすべてのキッカケ。
この世界は誰かが創ったゲーム世界ではないかとしつこく疑う知念佑太の言い分に、友人はため息をつき……彼から語られる内容は、あまりにも衝撃的な内容でした。しかしそこでお話は終わらず、そこから意外な展開となりホッとしたのも束の間、オチに再び……あっ!と声が洩れました。しかも、あえて明確になっていないこの終わり方が読み手の想像力を余計に膨らませてきてドキドキします。
NPCという言葉で引きつけておきながら、そういう展開になったかと大変面白い流れに興奮しました。あの話の持って行き方は本当にお上手だと思います。
ジャンルはファンタジーとあり、確かに会話の内容はファンタジーですが、全体的な話の流れや展開、オチなどは個人的にSF(少し不思議)や奇妙なお話、一種のシュルレアリスムにも近いもののような気がしました。なので、そういう作風が好きな方もとても好まれる作品だと思います。
是非小さな疑問から生まれたこの意外な世界をご自分の目で確かめてみてください。そして読み終えたあと自分がNPCでないと言い切れるか、またはこの世界が誰かの×××でないと言い切れるか、考えてみてください。