怪しくも美しい、山のあやかし。


なんと言っても地の文の濃さです。
本当に昔話を紐解いているような、初めから最後まで、全く崩れない美しい文章が深く深く読者を世界へと連れて行ってくれます。


主人公は盲目なのですが、山の中の場景が丁寧な描写の中に浮き上がってきます。

語りかけてくる精霊、花の匂い、琵琶の音色、母の指先……そして、血の香り。
目の前に映像があるかのようでした。


何度読んでも素晴らしくて、現在三週目をしたところです。
色んな方に読んで欲しい作品です。

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