中華ベースの異世界宮廷で織りなされる、溺愛系恋愛ファンタジーです。
気質の違う三人の皇子、そして美しい妖鳥が想いを向けるのは、宮仕えをしているしっかり者のヒロイン。三者一羽の愛情はまっすぐでわかりやすく、反面、ヒロインの朱衣の心は序盤ではあまりわかりません。
皇子たちを一人一人掘り下げて描いていくうちに、彼女の想いと宮廷の現状が少しずつ紐解かれていきます。
乙女ゲームや少女漫画のような王道のストーリーラインですが、朱衣の父親である「先生」との日々を三人の皇子たちが回想する流れは、この物語のもう一つの軸のように思います。
幼いときの思い出と今の朱衣との関わりが、彼らの生き方をどう変えてゆくのか。国の在り方にも関わるその変化も、見どころかなぁと。
甘い恋にほんのり苦い毒が混じる恋愛劇、ぜひご一読ください。
少女漫画や少女小説を愛読する人にはたまらない王道逆ハーレムファンタジー。
かくいう私も少女漫画を愛する一人として、この物語に魅せられました。
佳人薄命な雰囲気漂う白麗様推しですが、ヒロイン・朱衣を惑わせる夜伽の艶めかしさもたまらない……!
それぞれのキャラクターの過去や心理が丁寧に掘り下げられているので、どのキャラクターも生き生きと輝いて魅力的です。
またキャラクターだけでなく、ストーリーの展開もきちんと練り込まれていて、私は最初から最後まで一気読みしました。
実はカクヨムで長編を一気読みしたのはこれが初めてです。
とにかく読んで損はさせません!
ぜひぜひ宮中で紡がれる甘くて美しい恋愛絵巻をお楽しみください。
舞台は中華風の皇宮。
三人の皇子と一人の書庫係の女の子、そして一人の妖。
皇子達はそれぞれ全く異なった性格をしておりますが、皆主人公の書庫係の女の子、『朱衣』に惹かれております。彼らは、朱衣の父親に師事していた過去があり、いわば幼馴染の関係。そこへある日、『夜伽』という妖が舞い込んできて、朱衣と秘密の関係に……。
不思議な五角関係がたまりません。毎回、甘い描写と展開で脳みそトロリンになりながら読んでおりました。あっちも好きだけど、こっちも魅力的、とか言っておきながら、こっちはほっとけないし、そっちとは誰にも言えない秘密があるし……と、恋多き乙女の感情を見事に表現しきっております。
そして、恋愛だけでなく、皇宮を取り巻く様々な人間模様、そして彼ら彼女らの確執、苦悩や葛藤を織り交ぜながら、シリアスに展開していく後半のストーリーは、目が離せませんでした。しかも、それが抉ってくるんです。心をゴリゴリと。
続きが気になるけど、続きを読むのがちょっと怖い……そんな、読み進める手が一瞬止まるほどの心情描写には圧巻の一言です。
キャラクターも、誰を応援したくなるとかではなく、もう、みんな一緒に幸せになってくれ頼むから……という感情になってしまう程、魅力的で愛すべき人物達です。強さだけではなく、それぞれの弱さを描いていて、キャラがしっかり立っているのが一番の要因かと思います。
長くなりましたが、とてもおすすめの作品です。
是非皆さん、読んでみてくださいね( *´艸`)