とある魔女の告白
死にたい、と思った。
この身が消えて誰かが不幸から救われるなら、どれほどいいか。誰にも望まれない命ならどれほどいいか。
認められたいと、望まれたいと思いながら、
私は自分の死を望む。
どうか誰も傷つかず、
幸せな日々に帰れますように。
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呪いをかけた。自分に。
解きようのない呪いだった。
かけた本人に解く気がないのだから。
真実の愛のキス、などという、どんな呪いも解いてしまう馬鹿げた代物も存在するらしいが、私の呪いにそんなものは関係ない。
私の呪いは、真実の愛なんてものを近付けないためのものなのだ。誰も私を愛さない、呪い。
愛されなくていい、愛してしまうから。
近い距離なんて必要ない。離れて傷つくくらいならひとりでいい。
これは保身だった。自分が愛されないことへの理由付けだった。
愛されるような心も、身体も、持ち合わせていない自分が、ひとりでいることを正当化するための。
呪いのせいだと言い張りたかった。
遠ざけているだけで、自分にも愛される資格があるのだと思いたかったのだ。
いつだって、愛される価値などないと
自覚していたのに。
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思えば、他人に不幸を押し付ける人生だった。
不幸の運命に生まれながら、自分自身にこれといって大きな不幸が降りかかった記憶が無い。
その代わり、私の周囲にはたくさんの不幸がころがっていた。他人がそれに躓いているのを、私はただ見ているしかできなかった。
思えば、他人に不幸を押し付ける人生だったのだ。
私の不幸は、自分が不幸になれないことだった。
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「以下、余白」のような時間を過ごしている。
たくさんの人と出会って、たくさんのことを成して、
謝罪も感謝も罵声も浴びて。
友も愛も希望も絶望も失って。
今の私に何が残っているのだろうか。
____以下、余白。
詩・散文・その他 硝子の海底 @_sakihaya
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