じゃあね、も
ばいばい、も、大嫌いでした。
大好きな絵本の最後のページをめくって、
「おしまい」の文字を目で追うときと
同じような悲しみが込み上げてきて、嫌いでした。
またね、が好きでした。
幸せな時間に終わりなんてなくて、
大切な人とのこれからを想像できる。
空白のページをこれから埋めていく。
そういう気持ちにさせてくれるから、好きでした。
またね、って言えなかったんです。
この先に期待をして、それが霧のように掴めなくて、
流す涙から逃げたくなってしまったから。
SNSの返事が来ないことに落胆したくないから通知を切る。
何も失いたくないから、何かを欲しいと言うことをやめる。
普通に生きられないことに気付かれたくないから、自分らしく選ぶことをやめる。
そういうことの繰り返しで、私は私を信じられなくなっていく。涙に耐える自信がないくらい。それで私をやめたくなってしまうくらい。私は私を信じてないんです。
またね、なんて嫌いです。
また、なんてきっと、ないから。