月の沙漠
プラナリア
月の沙漠
砂漠の王宮 一人の姫の
誰も知らない 禁じられた恋
訪れたのは 旅の一行
白銀の髪 紫の瞳
異国からきた 一人の王子
初めてなのに 懐かしい人
言葉も通じぬ 二人なのに
瞳はいつも あなたを探し
あなたの声に 耳を澄ませる
言葉は無くて
身を寄せあえば
時は止まって
静かに満ちて
最後の夜の
あなたと二人 王宮を抜け
遥かに続く 砂の海
二つの影は 一つになって
月の沙漠を ひとすじに
先ゆくあなた 後ゆくわたし
暗闇の中 風に吹かれて
二人の白い 衣がそっと
たなびく様を ただ見つめてた
オアシスに咲く 幻の花
満月の夜 花開く
月の光に 白い花びら
二人みたいに 風に揺れてた
あなたと二人 手と手重ねて
砂丘を越えて 言葉は無くて
どこへゆくのか わからぬままに
そのまま二人
重なりあって
形を変えて
崩れ去ったら
月の沙漠で 永遠に
二人ひとつに なれたのに
遠い異国は
戦にのまれ
紫の瞳は
花と散った
涙は枯れて
こころは無くて
意味など無くて
それでも 生きて
歳を重ねて
なお鮮やかな
白銀の夢
月の沙漠を あなたと二人
手と手重ねて 離さずに
最期の時は
瞳閉じれば あなたに会える
月の沙漠を あなたと二人
砂丘を越えて 言葉は無くて
月の沙漠を はるばると
あなたと二人
手と手重ねて
永遠に
月の沙漠 プラナリア @planaria
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます