時折ピリッとスパイスの利いたものがある、洋菓子のようなファンタジー

優しい味わいと食感で、いくらでも食べてしまえるクッキーやケーキ……そんな印象を抱くファンタジーです。
優しく整えられた文章は読み易く、精霊たちが人に寄り添う世界観も解り易くて、一話を読んだらまた一話という感じに、次々と読み進めてしまいます。

しかし、時折辛味の強いスパイスのように、ピリッと衝撃的な展開や設定が飛び出して、それらが物語を引き締めているように感じました。

その『物語の辛味』とでもいう部分が新たな刺激となって、さらに一話一話を読み進めてしまいます。

味わいの変化で、実に楽しませてくれる作品ですね。