かもしれない世界なら、届く可能性があるって
- ★★ Very Good!!
北海道に実在する舞台を元に、鉄道を絡めた現代ファンタジー。
なぜアカダモの少女ハルニエは、主人公の夢に現れたのだろう。
主人公以外にも夢の中で必死に訴えかけてきたが、誰もが夢をみたことすら忘れてしまっているのかもしれない。
主人公だけが、同じ夢を毎晩見ていると覚えていた。
だから主人公が夢を見る度に何度も語りかけてきたのだろう。
アイヌ伝承によれば、天地創造の折、地上に最初に生えた木はハルニレといわれ、御神木とされたアカダモなので、ハルニレと名乗った少女は神様なのかしらん。
本作を通して、歴史の影に埋もれてしまった過去の事実をファンタジーと絡めて掘り返し、かつてそんなことがあったんだよと読者に知ってほしいのかもしれない。
過去の人達の頑張りがあって、いまのわたしたちの生活があることを忘れてはならないと思いました。