作者はこの作品を現代ドラマとして発表している。しかし、ある人はこれをホラーと感じるであろうし、ギャグコメディと感じる人も、痛烈な社会風刺と感じる人もいることだろう。
ある人はこれは文豪たちへの侮辱だと感じるかもしれない。しかし、別の人はこれほど文豪たちへの敬意とリスペクトに溢れた作品はないと感じるだろう。
ある人はこれを盗作と軽蔑するかもしれない。しかし、別の人は凄まじいまでのオリジナリティだと讃えるだろう。
私は未だかつてこのようなぶっ飛んだ小説を読んだことがない。ぶっ飛んだと言っても文法や構成がむちゃくちゃとかそういう読みにくい小説という意味では無い。むしろ文章力は高く非常に読みやすい。
ぶっ飛んでいるのは作者の着眼点。なぜこれをしようと思ったのか、という閃きの部分。
かつてエジソンは言った。「天才は1%の閃きと99%の努力」と。だが、私はこの作者を天才ではなくあえて『鬼才』と呼びたい。あるいは闇鍋を美味く作る名人と。
ただ、読み手によって意見は分かれるであろうこの作品にも、一つだけ全読者が納得するであろうブレない共通点がある。
それは……作者の奈良への愛である!