第5話 初めての実践

「どうしたんだ、一体なにが…」


そう呟いて周りを見渡すとオペレーターのミレイさんが椅子に座り、コンソールを操作しているのをいていた。彼女が全員の方を向くと大型スクリーンに映像を出した。


スクリーンには警備ロボット用の第一世代MS【ヒュウム】の無人機型マシンが10機で基地私設に向かってきている様子が映し出された。


「これっは一体どういうことだ、警備ロボットの【ヒュウム】が暴走するなんて」


「他の私設に被害が無いことから此処を目指しているようです。」


蓮さんがいつの間にか座って俺たちに説明してくれた。


「ここを目指しているならば話は早い、パイロットの諸君は直ちにパイロットスーツに着替えて暴走した【ヒュウム」を止めなさい。人が乗っているわけではないので破壊しても構わないからね。」


俺達は社長の命令に従ってパイロットスーツに着替えて各自の機体に乗り込んだ。


【アレス】のコックピットは従来のものと変わらずどこが新しいのかは分からなかった。

アラームが鳴り通信が入った。


「優さん、初めての実戦ですので無理しないでください」


蓮さんの口調が先ほどと違うため驚いたが、ありがとうございます。と礼を言いバイザーを下ろした。


艦内に蓮さんの発進コールが鳴り響いた。


「小野優、アレス行きます。」


今回は地下からの出撃だったため、地上い出るまでの距離も長く頬から汗が流れていた事から自分が緊張しているのだと感じた。


地上に出ると暴走したヒュウムがこちらに気付き撃ってきた。俺は正面のヒュウムに向かってブーストを使い左右に動き避けながら近づき、ムラマサを抜いて真上から斬った。斬った感触がほぼ無いほど簡単に斬れた。機体の機動性や武器の性能の良さに驚いて背後からの攻撃に気付けなかった。


アラームが鳴ったと思ったら背中から実弾の弾がアレスに当たってしまい金属音が鳴り響いた。


衝撃に驚いて機体チェックをすると何所にも異常が無い事にも驚いたが、後ろを振り返ビームライフルでヒュウムの胴体を貫き2機目を倒した。


周りを見るとアポロンがビームソードでヒュウムを倒したのが見え、他の機体は基地の周辺に集まっていた。ソニアさんが近づいてきたので一緒に他の機体と合流した。


「皆さん、倒すのが早いですね。俺なんて機体の凄さに驚いて戸惑ってしまいました。」


「別に普通ですよ。優さんは自分の機体でシュミレートしなかったんですか?」


「え、そんなのあるんですか?俺は呼ばれるまでアレスの事を知らなかったので受けていないです」


ソニアさんとそんな風に雑談しながら合流すると社長から通信が入った。


「先ほどの戦闘はお疲れ様。実弾配備の模擬戦は終了だよ。」


「笑顔で先ほどの戦闘、模擬戦だったなんて言われても納得いかないのですが、どういうことですか、お・と・う・さ・ん?」


社長は娘である薫さんに問い詰められ少し焦りながら答えていた。


「い、いや~、いきなり実戦に入るよりも空気だけでも知ってもらおうと思ってね。実弾は入っていたけどね。」


「危ないじゃないですか!実弾が入ってたって、俺当たってしまったんですけど!」


俺は実弾が入っている事に驚いて突っ込んでしまった。


「ま~、許してくれたまえ。そのおかげで機体のすごさが分かってもらえたなら良いじゃないか、特に優君はシミュレーターを経験していないから良い経験になったんじゃないかな?」



「確かに良い経験にはなりましたけど、今後はやめてくださいね。」


「は!、は!、は!考えておくよ」


笑いながら話す社長をみて、全然反省していないと思い、ため息をついた。


「この話は後にして本題に入ろうか。今さっき軍からさっそく出撃依頼が来てね。それぞれ送信したチームに別れて一緒に現場に向かってくれ、頼むよ。」


各々了解ですと答え、チームに別れて目的地に向かった。

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アーマードウォー~ジ・ワールド ヒノアカツキ @akathukinohi

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