「シオカラ節 web小説大賞」受賞作品

・良かった点

町のドラッグストアに勤める薬剤師の日常話。

私自身縁遠い業界なのもあって、日頃お世話になってる薬局の裏側を覗けるのは非常に興味深かった。

何か大変な事件が起きたりする訳ではないが、日常でたまに聞くようなお薬関係のワードも交えながら、専門知識も踏まえて従事者の苦労話を展開してゆく様子には、思わず頭の下がる思いだった。

薬剤師さんもサラリーマンということで、クレームなんかのくだりは共感出来る部分も多かった。

・気になる点
薬局勤めの薬剤師のよもやま話という内容であったが、肝心の内容が聞き分けのない顧客への愚痴っぽいクレーム対応の悲哀ばかりだったのにはちょっと辟易するところもあった。

おそらく筆者自身も薬剤師、もしくは周りに関係者が居るのではないかと思われるが、この作品をエッセイではなくあくまでも「小説」として書かれているのであればもっとエンタメ性を意識する必要もあるのではないか。

また、主人公が中間管理職として顧客や新人、上司の間に挟まれて大変なのは痛いほどよく分かるが、不平不満ばかり吐き出している様子は見ていてあまり気持ちが良くないのも確かだった。

一言
「シオカラ節 web小説大賞」入選おめでとうございます。

web小説では余り見かけないお仕事話ということで興味深く拝見させて頂きました。

コロナ禍で医療従事者の方は未曾有の大変さを抱え、心身ともに気の休まる暇も中々ないと思いますが、私も陰ながら応援しております。

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