概要
白球を追って、死ぬまで生きろ!
太平洋戦争末期。主人公、穂積康則は、特攻隊員として出撃した。それを見送る同僚の中に、指揮官の横溝少佐の姿があった。彼の口癖は「死ぬな」。野球部で捕手経験のある少佐は、大学でピッチャーだった穂積に何かと目をかけてくれる存在であった。出撃の途上エンジントラブルが発生。突然、時空を越えて六十年後の甲子園球場にやって来る。高校野球の決勝戦。穂積は柳瀬という別人の体となって、九回裏ツーアウト満塁という緊迫した場面に投手として立つ。
この作品は『なろう』さまにも掲載しています。
この作品は『なろう』さまにも掲載しています。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!見事に打ち取られました!!
短編小説の良さは、いかに無駄を省くかが著者の腕の見せ所です。
無駄な背景説明や描写を削ぎ落とし、読者にストーリーそのものの面白さをストレートに伝えなければならない。かといって、切り取りすぎると臨場感が無くなり、ただのプロットになってしまう。冗長にならず、かといって、無機質にもならない、そのギリギリを狙って、書く必要がある。
それは、まるで、コースギリギリを狙って投げる、ピッチャーのようです。少し外れればボールになる。しかし、甘く入れば打たれてしまう。
この小説は、そんな、凄腕のピッチャーが投げたボールのように、読者の胸元をえぐります。
冒頭の特攻前夜のシーンから、中盤の白熱した甲子園…続きを読む